公開日 2016年02月19日
平成28年第1回定例市議会が開会されるにあたり、市が行っている施策等の経過及び当面する重要施策等についてご報告いたします。
まず、1月24日からの大寒波に伴う水道事業等への影響についてです。市内全域にて各家庭の水道給水管や家庭用給湯器等の凍結による破損が相次ぎ、多くの箇所で漏水が発生しました。このため旧中津地域におきまして、浄水場の配水池の貯水量が激減し、やむを得ず25日から27日まで給水制限を実施いたしました。一部の地域で断水状況となったことから、コミュニティーセンターや上下水道部庁舎等7箇所において拠点給水を実施し、学校や病院、福祉施設等に対しては給水車等により対応いたしました。また、旧下毛地域におきましても、一部の簡易水道で配水池の貯水量が不足したため一時的に断水となっておりましたが、29日に水量が安定し平常の運転に復旧しました。今回の大寒波に伴う水道管の破損等により水道料金が増加した方につきましては、水道料金と下水道使用料の減免を受けることができる場合がありますので、申請手続きについて周知を行っているところです。この度は異例の寒波だったとはいえ、多くの市民の皆様にご不便をおかけしました。お詫びを申し上げますとともに、今回の教訓を活かし、今後とも水道水の安定供給に努めてまいりますのでご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。
次に、地方創生に関する取り組み状況についてです。これまで4つの金融機関と包括連携協定を締結いたしました。現在、協定に基づいて金融機関と市との協議会を開催するなど、観光や空き家対策等に関する具体的施策の検討を行っております。
次に、第20回目となる平成27年国勢調査の結果についてです。1月25日に大分県から速報値が公表され、当市の人口は83,967人、世帯数は35,789世帯でありました。前回の平成22年国勢調査と比較しますと、人口は345人、0.4%の減少、世帯は1,215世帯、3.5%の増加となっております。中津市全体の人口は昭和30年をピークに減少傾向にありますが、近年は減少率が緩やかになってきており、また直近の合計特殊出生率では1.90と他市と比較しても非常に高い数値を記録するなど、明るい兆しもあります。改めて本調査結果を分析しながら課題を把握し、人口減少の抑制に向けて必要な施策を講じることで、合計特殊出生率2.0を目指して子育てしやすいまちづくりを進めてまいります。
次に、企業誘致の推進に関してです。現在、市内三光工業団地に立地している九州市光工業株式会社が8月の生産ライン増設に向けて建屋を建設中であり、設備投資額が約25億円、新規雇用者は80名以上と予定されています。このような誘致企業の大規模な設備投資は税収や雇用面において経済効果が期待されます。私も市長就任以来、市内の企業を訪問し投資拡大などをお願いしています。既に立地した企業が今後も中津に留まり、投資を拡大していくことも大事な企業誘致ですので、大分県と連携して誘致活動に努めてまいります。
次に、水産業の振興についてです。中津干潟産ブランド牡蠣「ひがた美人」は、昨年12月22日に大分県漁業協同組合中津支店において出荷式が開催され、ふるさと納税の返礼品として全国へ向けて発送が開始されました。年明け1月からは首都圏のオイスターバーや郵便局の「ふるさと小包」等へも本格的に販売が始まっており、売れ行きも順調に推移しております。しかしながら安定した経営体制を構築していくためには、生産から販売に至る各段階においてクリアしなければならない課題も多くあります。引き続き、首都圏や香港を中心として販売促進活動を行うなど国内外に販路を広げていくとともに、地元でも愛されるブランド品となるよう、漁協直営のカキ小屋をはじめ、市内の料理店やスーパー、道の駅等での提供にも取り組んでまいります。
次に、観光振興に関する取り組みについてです。中津市が有する景勝地「耶馬渓」は、静岡県三保松原、北海道大沼と並び「日本新三景」に選ばれており、本年が選定100周年にあたります。市ではこれを契機に耶馬渓の観光浮揚を目指し、市内観光関連団体や若者・女性を中心とした「耶馬渓『日本新三景』選定100周年記念事業実行委員会」を1月27日に発足させました。今後、サイクリングロードの活用を含め、市民の皆様とともに「耶馬渓観光の復活」に山国川水系の上流・下流一体となった取り組みを行います。
また、1月15日から17日まで福岡市において中津商工会議所の主催により、中津の地域産品を一堂に集めた大物産展「いいんじゃら中津物産市&中津からあげサミット in FUKUOKA」が開催され、関係者の皆様とともにPR活動を実施いたしました。からあげ専門店を中心とした各種の製造・販売事業者約50店舗による展示販売や、中津市観光領事「野良レンジャー」の出演など日替わりのステージイベントが催され、期間中は5万人もの来場者があり大盛況でありました。大都市である福岡市において中津の魅力を発信できたことは、大きな宣伝効果をもたらし、観光で訪れていただく良いきっかけになると考えております。これを一過性の行事に終わらせることなく、500万人以上の人口を持つ福岡県に一番近い市として、市民や各団体の皆様と連携協力して観光・物産PRを行ってまいります。
次に、移住促進に向けての取り組みについてです。当市への移住を検討される方に充実した情報を提供するため、昨年12月に「なかつ移住の窓口Webサイト」の運用を開始いたしました。多くの要望をいただいている空き家バンク登録物件情報のライフスタイル別検索も可能となり利便性が向上しております。また、今月13日には移住希望者を対象とした空き家見学ツアーを開催いたしました。空き家見学のほか、空き家改修モデルハウスの見学や地域おこし協力隊員による移住体験談等をツアー内容に盛り込んだことで、具体的な移住のイメージを持っていただけたのではないかと思います。一方私も、既に移住されたご家族の方とお会いしてお話を伺いました。今後もこうした現場の生の声を反映させながら、丁寧できめ細かい取り組みを進めてまいります。
加えて新年度は、大分県の東京事務所に職員を派遣し「中津市東京事務所」として位置づけ、大分県と連携して首都圏や全国へ魅力ある中津市の情報を発信し、また情報を収集し、施策に活かしてまいります。
国・県そして市民みんなで力を合わせて「暮らし満足ナンバーワン」をめざしてまちづくりを進めてまいります。
以上をもちまして、諸般の行政報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。