平成28年第2回定例市議会の行政報告

公開日 2016年05月26日

 平成28年第2回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
 まず、熊本地震におきまして、亡くなられた方に心からお悔やみを申し上げますとともに、被害を受けられた皆様には、心からお見舞いを申し上げます。
 中津市においては、人的被害はありませんでしたが、耶馬溪町の深耶馬渓地区で、落石による住宅・店舗の一部損壊が発生したほか、一部地域で簡易水道に濁りが発生するなどの被害が生じました。現在は、県と連携しながら落石防止などの対策を講じているところです。また、熊本県や大分県の被災地に、地震直後より緊急消防援助隊、災害派遣医療チーム、避難所支援、罹災証明発行事務など各分野へ応援職員を派遣し、災害支援に努めてまいりました。こうした一連の地震対応を行う中で、大規模災害が発生した場合の対応の重要性を改めて認識したところです。
 一方、災害発生時に、同時に被害が生じない地域の自治体と相互に応援体制の強化を図るため、阪神淡路大震災で支援・復興の経験のある大阪府池田市と5月13日に「災害時の相互応援に関する協定」を締結いたしました。既に協定を締結している愛知県新城市、福岡県太宰府市との連携も含め、迅速な災害支援が行える体制の強化を図ったところです。また、地震による観光への影響も懸念されたため、ゴールデンウィークの耶馬溪新緑祭りなども予定どおり実施され、また、中津市も福岡市や東京において観光PRを行い風評被害対策にも力を入れているところです。
 次に、観光の振興についてです。耶馬渓の観光振興については、4月23日、本耶馬渓公民館において耶馬渓「日本新三景」選定100周年記念式典を開催いたしました。大正5年に東京の出版社が企画した観光地の全国投票により、耶馬渓が全国区となって100周年を迎えた本年、中津市の元気の源として耶馬渓観光を今一度磨き直すきっかけにしたいと考えております。具体的には、かねてから私が申し上げております、山国川の上下流域が一体となった観光振興として、山国川と並行して走る約35キロメートルの「メイプル耶馬サイクリングロード」を活用し、旧耶馬渓線のなごりと自然が調和した高い魅力を活かす観光振興施策を推進するため、5月18日に「メイプル耶馬サイクリングロード活性化会議」を立ち上げました。本会議は、国や県、地元関係者やサイクリング愛好者等で構成し、多様な見地からアイデアを提供していただいて、サイクリングロードを軸とした実効性のある観光振興施策につなげていきたいと考えています。
 一方、中津市をメインロケ地として撮影された映画「サブイボマスク」が6月11日に全国公開となることから、5月15日に中津文化会館でロケ地先行上映会の開催と合わせ、メインロケ地となった日ノ出町商店街や新博多町商店街を中心に“道半町祭り”を開催しました。当日は、街中が映画の舞台である「道半町」に変身し、主演であるファンキー加藤さんや門馬直人監督も登場するなど映画と連動した地元の盛り上がりに、全国からも多くのファンの方が駆けつけてくださいました。これを一過性のイベントで終わらせず、今後も映画等を活用した観光誘客や地域活性化など、持続的なまちおこしに取り組んでまいります。
 さらに、5月22日には、豪華クルーズ船「にっぽん丸」が中津港に寄港いたしました。地震の影響で、中津市も含め大分県の観光客が大きく減少する中で寄港し観光をしていただいたことは大変意義のあるものと考えております。関係者の皆様に心から御礼を申し上げます。今後も中津港におけるクルーズ観光の振興に力を入れてまいります。
 次に、地域経済の活性化と雇用拡大についてです。4月27日に大分県庁において、カネク大分株式会社の立地表明式が行われました。当社は、食料品製造業で東京都に本社を置くカネク株式会社が、現地法人を立ち上げたものです。大新田北第2工区工場用地に柚子の加工場を建設予定で、設備投資額は約5億5千万円、操業開始時の新規雇用者数は約30名を予定しており、将来的には80名となる計画です。雇用の中心は女性であり、女性が活躍できる場として期待しています。また、平成15年に立地した自動車関連部品を製造する渡辺製作所が、工場の増設を行い、新たに24名を雇用するとの表明を受けました。これにより、同工場の雇用者数は200名を超えることとなります。このように、中津市に新たな企業が進出してくる、あるいは進出企業が規模拡大を行うことは、雇用の創出や設備投資による経済波及効果など地域経済の活性化につながるものであり、今後も、大分県と連携して積極的に誘致活動に努めてまいります。
 次に、市民サービスの向上に向けた取り組みです。これまで金融機関や市役所窓口でしか納付できなかった中津市の市税や保険料、住宅使用料を、4月から全国のコンビニエンスストアで納付できるようにしました。また、小幡記念図書館について、本年4月からは、開館時間を午前10時から1時間早めて午前9時に、閉館時間を全日午後7時までに変更するとともに、3月末に正面玄関の向かい側に新たに27台分の駐車場を整備し利便性の向上を図りました。
 次に、地域の安心づくりです。これまでの防犯パトロール事業、いわゆる“青パト”で行っていた移動・駐留警戒活動に加え、子供の下校時の見守りやATM警戒等の防犯対策、不法投棄監視等の環境対策、高齢者宅への防犯指導や徘徊老人捜索等の高齢者対策、交通事故防止広報啓発活動等の交通対策といった、市民ニーズに沿った活動を実施することといたしました。現在、車両4台、隊員8名の体制で中津市内を4地区に分け、学校や警察、保健所等との情報交換等連携を図り、見せる・見える・知らせる活動を行っているところです。また、地域コミュニティの維持・活性化について、山国買い物支援事業「みんなのお店」が、6月1日に売り場面積の拡大と合わせてリニューアルオープンいたします。今後は、高齢者が家庭で作った余剰野菜を集荷し、販売を行うシステムを構築していく予定で、買い物支援に加え、高齢者の生きがいづくりの一翼を担うことも期待しています。
 次に、連携と結集です。私は、就任以来、市民ニーズの把握と市政への反映を目的として、地域に出向き、現場を訪れ、地域の方々と直接対話し、幅広く意見をお聞きすることを旨としてまいりました。就任後、移住者の皆さんとの意見交換会をはじめ、3月までに7つの現場を訪れ、4月からは、「市長と話そう ふれあい座談会」として、子育て中のお母さん方や、耶馬溪の地域おこしグループの方々、5月にも「聖地中津からあげの会」や「三光周辺地域振興対策推進会議」の方々と座談会を開催いたしました。今後も市民の皆さんとの座談会を開催し、対話を進めてまいります。
 また、大学との連携も進めています。4月22日に、国立大学法人神戸大学と連携に関する協定を締結いたしました。中津市出身で神戸大学の礎を築いた水島銕也先生の遺徳を顕彰するとともに、自治体が抱える様々な課題において、その課題解決に取り組む人材に対するより高度で実践的な育成について、互いに連携し協力していくことを目的としております。今年度の連携事業として、神戸大学教授による高校生向け出前講座を中津市で行う予定となっております。
 最後に、これからの中津市づくりを進めていくための指針となる、第五次中津市総合計画の策定についてです。総合計画は、行政運営全般を対象とした最上位の計画として約10年ごとに策定され、現計画は第四次総合計画として、平成21年度から平成30年度をその計画期間としており、策定後、既に7年が経過しています。
 一方、昨年の地方創生総合戦略の策定過程において当市の現状分析を行いましたが、現総合計画の見直しを5年経過後で行っていないこともあり、その内容が変化の速い現在の社会・経済情勢等に十分対応できていない部分も散見されます。
 さらに、今年度は「第2期中津市行財政改革」の最終年度であり、今後予想される厳しい財政状況から見て、第3期の計画を策定する必要があります。また、中津市が保有する公共施設の現状を把握し、市民の皆さんと情報や課題を共有するため、4月18日に「中津市公共施設白書」を公表いたしました。今後は、公共施設等の最適な配置・更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うための「公共施設等総合管理計画」を今年度に策定することとしています。こうした状況から、新たな総合計画を2年前倒しして策定することにより、市政の基軸となる総合計画と整合性のある個別計画を同時並行して策定することも可能となります。
 これらを総合的に勘案し、時代の潮流や社会・経済情勢を反映した上で、これからの市政運営の基軸となる「第五次中津市総合計画」の策定に着手します。
 新計画を作成するにあたり、市民参画による協働のまちづくり体制を構築し、素案策定段階から幅広い関係者が参加し意見が反映される計画づくりを行ってまいりますので、市民の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
 以上をもちまして、諸般の行政報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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