平成28年第3回定例市議会の行政報告

公開日 2016年09月01日

 平成28年第3回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
 まず、中津市においては、梅雨入り後、幾度となく土砂災害を誘発する恐れのある大雨が予測され、計6回の大雨警報が発表されました。その対応として連日災害準備体制を敷き、土砂災害の危険性を考慮したうえで、一部地域に避難所を開設し、避難準備情報発令等の注意喚起を行ってまいりました。その情報伝達手段の一つとして、6月より運用を開始した「なかつメール」も活用しました。
 幸い、大雨による人的被害・住家被害はありませんでしたが、山間部の林道等で落石や法面崩壊により被害が発生したため、緊急性の高いものにつきましては、予備費により早急な対応を行ってきたところです。また、防災力の強化に向け、防災ラジオの放送について、避難所開設情報を割り込んで放送出来るよう「FMなかつ」との協定を見直しました。
 一方、梅雨明け後は逆に降雨量が少なく、水不足にならないよう自主的節水を市民に呼びかけることとなりました。これからも自然災害をはじめ防災について細心の注意を払ってまいります。
 次に、高齢者の健康づくりについてです。高齢者がいつまでも健康で自立した生活が送れるよう効果的で継続的な介護予防として、昨年度より「元気いきいき週一体操教室」の実施地域を拡大しております。今年度は、4月に万田地区、5月に上宮永地区、7月に耶馬溪下郷地区で立ち上げを行い、昨年度と合わせ5カ所で実施中です。この取り組みは、地域の人たちが週1回身近な通いの場に集まり、筋力向上に効果のある「体操」を基本に、自主的に声を掛け合い、みんなで支え合って運営しています。これからも、地域づくりによる介護予防の取り組みを推進してまいります。
 次に、子育て環境づくりについてです。就学前の子どもとその家庭を対象に、6月12日にダイハツ九州アリーナで「なかつ・ふれあい子どもランド」を開催いたしました。市内の子育て関係者の全面的なサポートのもと、「ご家族で、安心して、一日ゆっくり過ごせる遊び場」を提供しました。今年で8回目となりましたが、約4,000人の親子連れなどが訪れ、会場では子どもたちが楽しそうに遊び、盛況のうちに終了しました。今後も安心して子供が遊び集える場づくりを進めてまいります。
 また、豊田児童クラブの整備について、当初は新築で計画をしていましたが、利用を希望する児童が増加していることや効率的な予算執行等を勘案し、当初計画より多くの児童を受け入れられる既存施設の大規模改造へ整備方針の見直しを行いました。
 次に、地域経済の動きです。7月22日に大分県庁において、久徳技研工業株式会社の立地表明が行われました。兵庫県に本社を置き、金属パイプ加工を行う自動車部品製造業であり、上如水の空き工場を改装して操業する予定です。また、8月24日に同じく大分県庁において、豊能運送株式会社の増設に伴う立地表明が行われました。今回の増設は平成24年の増設に続き2回目となります。このような企業活動は、設備投資による経済波及効果や雇用の創出など地域経済の活性化につながるものであり、今後も大分県と連携して誘致活動に努めてまいります。
 また、雇用対策として、中津市主催としては初めての「中津市企業合同就職面接会」を、8月11日に中津文化会館で開催いたしました。これは、人材不足に直面する市内企業と、市外・県外に転出した大卒予定者や一般求職者などのいわゆるUJIターン就職希望者とのマッチングを図り、市内企業での就労拡大や地域雇用の安定及び移住促進を目的としたものです。今後も、就職希望者や市内企業のニーズを把握するとともに、人材不足解消や技術力向上等、中小企業活性化に向けた取り組みを進めてまいります。
 さらに大分労働局と雇用対策協定を7月14日に締結いたしました。この協定は、地方における雇用創出を図るため、求職者の就職促進や企業の人材確保支援などの雇用に関する施策について密接な連携を図ることとしたものです。
 次に、教育についてです。夏休み期間中、空調設備が設置されていない小学校14校で空調設置工事を行い、2学期から全ての小学校で利用できるようになりました。さらに小幡記念図書館では、学生を対象に、8月の火曜休館日の午前9時から午後5時までの間、閲覧室等を学習スペースとして開放しました。今後も、教育環境の改善や利便性の向上に取り組んでまいります。
 また、子ども達の自尊感情を高め、お互いに認め合う心を育むことによって、将来に夢と希望を持たせ、その実現に向け頑張る子ども達を育成する「ほめあうまち なかつ」推進事業を、今年度より城北中学校区をモデルとして実施しております。学校・家庭・地域社会の協働により、子ども達とのコミュニケーションの中で「ほめる」ということをキーワードに、学校においては学びに向かう集団づくり、家庭においては基本的生活習慣を養う家庭づくり、地域では人権意識の高い地域づくりを目指します。
 今年は、市内の小学校、中学校、高校の児童や生徒が、スポーツや文化の全国大会に数多く出場し、中津市そして大分県の代表として力一杯頑張ってきました。日ごろの練習の成果を発揮し、中津南高校かるた部の準優勝をはじめ、東九州龍谷高校女子バレーボール部の3位入賞など、素晴らしい成果を挙げております。
 次に、文化振興についてです。歴史民俗資料館に寄贈された資料の中から「学問のすゝめ」初版本が発見されました。このニュースは大きく報道され、「福澤諭吉」のブランド力をあらためて示したところです。この初版本については、7月30日から10月2日まで、福澤記念館にて特別展示を行い公開しております。また、国史跡「福澤旧居」では、従来禁止されていた室内行事を可能にするなど、福澤旧居の新たな魅力の発信にも取り組んでおります。
 次に、近隣自治体との連携についてです。中津市を流れる山国川の水は、渇水に備えた水源として耶馬溪導水により北九州市まで供給されております。この耶馬溪導水が設置されてから20周年を記念して、10月29日に「北九州―中津ウオーキング大会2016」を開催いたします。参加者はコース毎にそれぞれ小倉・行橋・豊前からスタートし、ゴールの中津城を目指します。ゴールの中津城公園では、足湯やグルメ、郷土芸能など、中津ならではの様々なおもてなしを企画しており、交流の実をあげたいと考えております。
 次に、地域のイベントについてです。7月から8月にかけまして、「中津祇園」や「鶴市花傘鉾祭」、「禅海くんのミニ縁日」、「耶馬溪湖畔まつり」、「やまくにGenryu夏まつり」など、市内各所で多くのお祭りが開催され、大変なにぎわいを見せました。こうしたイベントは、多くの市民の方々の熱意と努力によって長い年月継続されてきたものであります。今回は、初めての取り組みとしてイベント会場への臨時バスを中津-耶馬溪間に運行するなど、イベントを通して市域一体となった交流が進むよう努めたところです。地域イベントに市民ができるだけ多く参加し、お互いのイベントを知り交流をすることも大切です。市としましても地域伝統文化の継承、にぎわい・元気づくり、観光振興の観点から市民連携を図りながら支援してまいります。
 最後に、八面山についてです。8月3日に八面山から臨む夜景が日本夜景遺産に認定されました。すぐれた普遍的価値を持ち、かつ誰もが気軽に楽しめることなどを基準に選ばれるもので、大分県では、別府市に次ぐ認定です。今後も中津の大事な観光資源の一つとして、八面山の魅力を多くの方々に発信してまいります。
 以上をもちまして、諸般の行政報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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