公開日 2018年02月20日
平成30年第1回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
まず、昨年の九州北部豪雨による災害復旧の進捗につきまして、昨年末までに国の災害査定が完了しました。今後、さらに本格的な復旧工事を加速させてまいります。また、ソフト面での取り組みも推進しており、市内各地域において、自主防災組織の立ち上げや防災訓練の実施などの体制強化が進んでいるほか、東九州龍谷高校にハイスクール消防クラブが結成されるなど、自主防災への動きも高まってきています。今後も様々な主体と連携しながら、災害に強いまちづくりを総合的に進めてまいります。
次に、地域福祉活動計画の推進についてです。昨年12月、小楠校区におきまして、地域福祉ネットワーク協議会「OGUSU友愛2017」が発足しました。これは、誰もが住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らすことができるコミュニティづくりのために、地域住民と様々な団体などが協力して地域の福祉課題の解決を目指す組織で、小楠校区で10地区目の立ち上げとなります。今後も、こうした住民・地域団体が主体となった活動を支援し、地域福祉を一層推進してまいります。
次に、健康づくりについてです。昨年10月に開催した、大学や金融機関、市内関係機関等との共催による「中津市健幸セミナー」や、定期的に開催しております市民病院の健康教室など、市民に予防医療の重要性について理解を深めていただくための啓発活動を進めています。また、金融機関や飲食店の協力をいただきながら健診受診率の向上対策にも取り組んでおります。今後も、関係機関、民間企業等との連携を図りながら、多くの市民に健康づくりに関心を持っていただくことで、健康寿命の延伸、生活の質の向上につなげてまいります。
次に、子育て支援についてです。昨年12月16日、サンリブ中津店の3階に電車の見える屋内遊び場「なかつ・子どもいきいきプレイルーム」がオープンしました。オープン後1ヶ月余りで来場者数は1万人を超え、予想を上回る好調なスタートとなっております。オープン初日には日ノ出町商店街におきまして「あきんど市場」も同日開催され、今後、子ども連れの家族などの新たな人の流れが、商店街など周辺へもたらす波及効果にも期待しているところです。また、今春には屋外の遊び場として、ダイハツ九州スポーツパーク大貞内に大型遊具を設置予定です。多くの親子・家族が集い利用していただける施設となるよう整備を進めてまいります。
さらに、山国町の市営成政住宅では、子育て世帯向けに大規模なリフォームを行いました。この事業は、中山間地域の活性化対策に加え、子育て世帯の経済的負担軽減という2つの課題解決に向けたモデル事業として取り組んだものです。今後、入居者へのアンケート結果なども参考に、効果的な事業展開を検討してまいります。
次に、6次産業化の取り組みについてです。三光に株式会社中津もぎたてファクトリーが加工施設を完成させ、竣工・出荷式が行われました。新工場では10名の雇用が予定され、地元営農組合などと連携して栽培された野菜を業務用冷凍惣菜として加工・製造を行っております。農商工連携と6次産業化のモデルとなることを期待しております。
また、昨年11月、山国町の「草本地域資源保全会」が、農村地域の維持・活性化につながる優良活動団体として表彰されました。地域住民一体となった農地の維持活動や交流などが評価されたものです。農業農村での活動が、地域コミュニティの維持・活性化にもつながる好事例として、横展開を図ってまいります。
次に、中津干潟産ブランド牡蠣「ひがた美人」の出荷が、昨年12月15日に始まりました。九州北部豪雨による被害もありましたが、今シーズンは最も成育が良く、現在、市内の飲食店や首都圏のオイスターバー、海外では香港、マカオ、タイなどへの出荷が行われております。また、漁協直営のカキ小屋も1月26日からオープンし大勢の来場者で賑わっております。今後も、安定・自立した経営に向け課題を整理しながら、生産及び販路拡大等に取り組んでまいります。
次に、企業立地についてです。2月8日に大分県庁において、三光に立地し自動車用部品を製造しているTHKリズム株式会社の立地表明が行われました。今回の増設にともなう設備投資額は約67億円、新規雇用者数は70名となっております。このような活発な企業活動による波及効果や雇用の創出は、地域経済の活性化につながるものであり、今後も大分県と連携して積極的に誘致活動に努めます。あわせて、地場・進出企業を問わず人材の育成・確保が課題となっていることから、引き続き多様な支援について充実させてまいります。
次に、商店街の活性化についてです。県と市が連携した「がんばる商店街総合支援事業」を活用して、商店街を中心とした9店舗が専門アドバイザーの指導の下、約半年間にわたって「個店の魅力アップ研修」に取り組んできました。その成果発表会が、先般1月16日に開催され、報告事例の共有を通して個々の商店の発展意欲を醸成し、さらに商店街全体へ広がりのある取り組みへとつながるよう支援してまいります。
次に、観光振興と中津情報の発信についてです。元日に放映されました、江戸時代の中津藩医・前野良沢を主人公としたNHK正月時代劇、またその前日に開催しました出演者によるトークショーでは、中津市を広くPRすることができました。
また、1月19日から21日までの3日間、福岡市において周防灘地域の商工会議所・商工会主催による「周防灘地域大物産展 in FUKUOKA」が開催されました。会場では、からあげ専門店など約50店舗が各種展示販売を行ったほか、観光ブースでのPR、日替わりのステージイベント等により周防灘地域の魅力発信を行い、3日間の来場者数は3万3千人となりました。議員の皆様にも会場にて情報発信にご協力いただいたところです。
さらに、2月16日から28日の間、福岡市営地下鉄6両編成すべての中吊り・棚上などの広告スペースを中津市で埋め尽くす「地下鉄ジャック広告」を一部の編成で行うほか、福岡エリアを中心に、中津の観光資源を題材としたテレビCMも放送予定となっております。サイクリングロードにつきましても、地元の関係者などとともに魅力的なモデルコースの設定やマップ作成に取り組んでおり、こうした中津の魅力を大都市・福岡を中心に全国へ発信していくことにより、これから迎える春の中津・耶馬渓の観光誘客へつなげてまいります。
次に、学びたい教育のまちづくりについてです。豊陽中学校が、一般社団法人日本ほめる達人協会の「ほめ達!Of The Year2017」において特別賞を受賞いたしました。授業や日常生活で「ほめあう」ことを通じて、笑顔と活気あふれる学校づくりに取り組んでいることが評価されたもので、学校としての表彰は初となります。子どもたちの可能性を伸ばす効果的なコミュニケーション手段として、市内の学校や地域へこの活動を拡げていきたいと考えております。
また、昨年12月には、三郷小学校におきまして異文化交流体験学習会が開催されました。小学校や地域住民・団体などで構成される地元協議会が主催したもので、APUの留学生7人を招き、地元小学生と相互に母国や郷土の文化を紹介し合うなど交流を深めました。さらに、中津商工会議所青年部による「解決!子どもクリニック」の取り組みでは、市内の小学生が参加して地域の事業所の課題解決策を考え提案するという、職業観の醸成につながる活動も行われました。
この他にも、山口小学校の児童が取り組んだ八面山PR活動は、地域資源について学び、誇りを持つというふるさと教育の実践であり、その魅力をまとめたDVDも作成していただきました。また、先般、中津日田道路の耶馬溪町山移~大島間に貫通した「鹿熊ふるさとトンネル」の名称決定にあたっては、地元の耶馬溪中学校の生徒の意見も取り入れられております。こうした様々な体験や機会を通して、子どもたちがグローバルな視点を持つとともに地域・郷土への誇りを持つことで、子どもの将来の可能性がさらに拡がっていくことに期待しております。
一方、学力・体力につきましては、すでに大分県や全国調査の結果が示されましたが、改善に向けさらに努力が必要だと認識しています。今回の結果をしっかり分析し、教育活動の改善・深化に活かすとともに、子ども一人一人の生き抜く力を伸ばすため、知・徳・体の教育に力を入れてまいります。
次に、子どもに夢を与えるスポーツの振興についてです。全日本剣道選手権大会におきまして、西村 英久さんが2年ぶり2度目の日本一に輝かれ、また、全日本テコンドー選手権大会では、長野 聖子さんが2連覇を達成されました。中津市出身であるお二人の快挙を讃え、それぞれ市民栄誉賞をお贈りしました。この他にも東九州龍谷高校の春高バレーでの準優勝など他のスポーツ、さらには文化的活動におきましても、中津市の若者たちが全国を舞台に活躍しています。こうした活躍が子どもたちに夢や希望を与え、将来、中津はもちろん日本や世界を背負っていく人材が育つことを期待しております。
次に、行政サービスの向上についてです。マイナンバーカードを利用して、コンビニエンスストア等に設置しておりますマルチコピー機から各種証明書が取得できるサービスを1月4日より開始いたしました。住民票の写しはもちろん、県下では初となる戸籍証明書類や所得課税証明書の取得も可能となっており、全国のコンビニエンスストアで利用いただけます。このサービスを契機として、マイナンバーカードの普及促進とさらなる行政サービスの充実につなげてまいります。
最後に、大学連携についてです。1月18日に九州大学「持続可能な社会のための決断科学センター」と協力協定を締結いたしました。この協定は、中津市の地域資源や文化と大学の知的資源を結合し、「なかつ安心・元気・未来プラン2017」に基づいた取り組みを連携して推進することにより、相互の課題解決や教育・研究の活性化に寄与することを目的としています。これまでも協力して取り組んでおります、野依新池のベッコウトンボの保全や中津干潟の環境保全など、環境共生都市の実現に向けた取り組みをさらに深化させるとともに、学生が地域の社会問題を学ぶ場として、フィールドワークの積極的な受け入れや支援を行う予定です。
今回報告させていただいた内容の多くは「参加・連携・結集」によるまちづくりを示すように、住民の皆様や地域の団体、民間事業者などが主体となった活躍・取り組みであります。今後も、限られたマンパワーや財源の中で、施策の効果を最大限高めるため、あらゆる主体との連携と力の結集を進めてまいります。
以上をもちまして、諸般の行政報告等を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。