平成31年第1回定例市議会の行政報告

公開日 2019年02月20日

 平成31年第1回定例市議会の開会にあたり、諸般の行政報告等を申し上げます。
 まず、地域医療の充実についてです。市民病院の新病棟・リハビリ棟の増築工事が完成しました。新病棟では、本年4月より緩和ケアセンターと化学療法センターの運用開始を予定しており、がん患者により良い診療を提供できることとなります。リハビリ棟では、より多くの入院患者に、在宅復帰に向けた支援を行えるようになるほか、市民向けの公開講座の実施や、災害時の対応などに活用できる多目的ホールを備えております。今後も、より多くの患者に良質な医療を提供できるよう体制強化に努めます。
 次に、高齢者福祉についてです。高齢者が住み慣れた地域で健やかに暮らしていくための介護予防の取組として、「元気!いきいき☆週一体操教室」の拡大を推進しており、現在市内に32か所の教室が立ち上がり、700名を超える高齢者が、体操をはじめ歌やレクリエーションなどの活動を行っております。引き続き、住民主体による週一体操教室の拡大を図るとともに、高齢者の健康づくりと介護予防事業の充実に取り組んでまいります。
 次に、子育て支援についてです。就学前の子どものいる家庭が各種子育て支援サービスに利用することができる「おおいた子育てほっとクーポン」ですが、利用率向上を図るため、「放課後児童クラブ」と「障害児通所支援」でクーポンを利用できるよう、市の独自サービスの対象に追加しました。また、1月25日から2週間の期間で、0歳から10歳までの子どもを持つ子育て世帯を対象とした、5年に1度の「子ども・子育て施策の利用希望把握調査」を実施しました。調査結果をしっかりと分析し、第2期子ども・子育て支援事業計画に反映させることで、市民のニーズと齟齬の無いきめ細かな子育て支援施策の展開に努めてまいります。
 次に、防災・減災対策の推進についてです。1月14日に、市民の防災意識の向上を目的とした初の試みとして、「中津市防災講演会」を開催しました。当日は、800名を超える市民の参加があり、「釜石の奇跡」を生んだ片田敏孝氏による講演を聴講いただきました。「貴重な実例を聞けて良かった」「防災に対する考え方が変わった」などの多くの参加者の声を耳にし、防災に対する理解が深まったのではないかと思っております。
 また、現在も避難勧告が継続している耶馬溪町金吉地区については、大分県による復旧工事が進められておりますが、工事の進捗による安全の確保が図られた時点で避難勧告を解除できるよう検討に入っております。あわせて「土砂災害ハザードマップ」の作成も進んでおり、来月には配布できる予定です。
 また、「平成24年7月九州北部豪雨」で被害を受けた山国川中流域で国が実施していた「山国川床上浸水対策特別緊急事業」が昨年11月に完了しました。約5年をかけて堤防整備や河道掘削などの緊急的な河川整備を実施してきたことで、昨年及び一昨年7月の豪雨の際には被害を最小限にとどめることができました。今後も、国や県との連携を一層進めるとともに、自助・共助・公助のバランスがとれた防災・減災対策を進めてまいります。
 次に、企業立地についてです。昨年12月25日に、TOTOファインセラミックス株式会社の立地表明が行われました。設備投資額約118億円をかけて半導体製造装置向け部品の量産工場棟を建設します。来年10月の操業開始に向けて中津工場の人員を237名増員し、1,000名体制となる予定です。また、1月10日には株式会社TF-METALの立地表明が行われました。設備投資額約6億6千万円で新工場を建設します。新規雇用者数は21名で、来年1月の操業開始予定です。さらに、1月31日に株式会社カネク大分の立地表明が行われました。設備投資額約6億5千万円で新たに工場を建設し、これまでの柚子関連製品に加え主力商品である加工わさびの生産を行います。新規雇用者数は10名で、来年4月の操業開始予定です。このほか、中津鋼管工業株式会社及び株式会社三信建材社から立地表明書の提出があり、地場企業・進出企業とも活発に設備投資を行い、雇用創出や地域経済の活性化に貢献いただいております。今後もこうした企業活動を積極的に支援してまいります。
 次に、映画館の誘致についてです。1月24日、セントラル観光株式会社と映画館建設に係る立地協定を締結しました。8つのスクリーンをもつシネマコンプレックスが、イオンモール三光の敷地内に2019年度中にオープンする予定です。市民待望の映画館の誕生は、新たな雇用や大きな消費経済効果をもたらすとともに、定住自立圏の中心市としての拠点性を一層発揮させるものであり、市として映画館の建設が計画どおりに進むよう、できる限り支援してまいります。
 次に、賑わいづくりへの支援についてです。12月3日、日ノ出町商店街に「コワーキングスペース&カフェ『秘密基地中津』」が開業しました。これは、中津商工会議所青年部が、中心市街地活性化のために取り組んでいる事業で、市も県と連携して支援しました。この施設を拠点に賑わいが生まれ、さらに将来的には域外からも観光・ビジネス客が集う魅力あるスポットとなるよう期待しております。
 次に、水産業の振興についてです。昨年12月7日に、中津干潟産ブランド牡蠣「ひがた美人」の出荷式が行われました。本年は成長が非常に良く、国内外への出荷も順調で、漁協直営のカキ小屋「美人小屋」も盛況です。今後も、自立した経営に向け、生産及び販路拡大に積極的に取り組んでまいります。
 次に、文化・芸術の振興についてです。昨年開催された「第33回国民文化祭・おおいた2018」において上演されたミュージカル「山国川奇譚鶴市愛歌」は、観覧した方々に大きな感動を与え、大変好評でした。その後、多方面から再演を望む多くの声が寄せられたことから、県の支援を受け3月に再び上演することを決定しました。多くの方々が関わり作り上げたこのミュージカルが創出した文化振興への機運は、国民文化祭のレガシー(遺産)として今後も引き継がれていくものと考えております。
 次に、スポーツの振興についてです。昨年、全日本剣道選手権大会において西村英久氏が2連覇で3度目の優勝を果たしました。このほか、東九州龍谷高等学校の春高バレーでの準優勝や中津北高等学校バスケットボール部の全国大会出場など、多くの方が全国を舞台に活躍されており、中津の子どもたちに夢や希望を与えてくれております。今後も、世界的スポーツイベントに向けた機運醸成や、市民がスポーツに親しむことができる環境づくりに努めてまいります。
 次に、教育についてです。2月7日に「保幼小連携に係る研修会」を行いました。8月に実施した第1回目では、保育士や教職員を対象に「専門性の向上」について、今回は保護者を対象に「乳幼児期における遊びの重要性」についてそれぞれ研修を行いました。
 また、福澤諭吉の遺徳を顕彰するために、全国の高校生弁士が出場する「全国高等学校弁論大会」、福澤諭吉に関係した題材の書を募集展示する「近郊小中学校書写展」、福澤諭吉の教えや偉業などを表した「諭吉かるた」を使用した「諭吉かるた大会」の3つの記念事業を行いました。これらの事業を通して、子どもたちが郷土の偉人に親しみや関心を持ち、ふるさとを誇りに思う心が育まれたのではないかと考えております。
 また、1月15日に、東中津中学校の数学科教員河野秀男氏が「平成30年度文部科学大臣優秀教職員表彰」を受けました。同氏は、勤務校にてアクティブ・ラーニングの実践を推進するなど校内研究の中心となり積極的に授業改善を行い、数学の学力を向上させました。さらに中津市中学校数学部会においても授業改善を推進し、中津市全体の数学教育の発展にも大きく貢献されました。
 次に、通信インフラの整備についてです。平成29年度より総務省の支援事業を活用し「無料公衆無線LAN」の整備を行ってまいりましたが、2月1日より、市役所本庁及び支所においてサービスが利用できるようになりました。災害時は、固定電話や携帯電話などが混雑等で利用できない場合でも情報を受発信できます。一方、通常時は観光などの情報収集に利用いただけます。なお、本年6月には、公民館などの一次避難所33か所でも同様に利用可能となります。
 最後に、大学との連携についてです。市では、地域課題の解決に資する人材の育成や地域の活性化を図る目的で、大学生らのフィールドワークを積極的に受け入れております。本年度は、連携協定を締結している慶應義塾大学、九州大学、大分大学、別府大学のほか、日本文理大学や筑紫女学園大学など、多くの学生が中津市で調査研究を行いました。大学との連携は受け入れる地域にとっても気づきが促される効果を兼ねており、今後も推進していくと共に、学生たちから還元されたアイデアをまちづくりに活かしてまいります。
 以上をもちまして、報告を終わります。議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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