平成31年第1回定例市議会提出議案説明書

公開日 2019年02月20日

 本日ここに、平成31年第1回定例市議会を開会し、提出しました平成30年度各会計別補正予算及び平成31年度当初予算のほか、諸議案のご審議をお願いするに先立ち、その概要についてご説明申し上げます。

 まず、議第3号 平成30年度中津市一般会計第7号補正予算につきましては、4億7,251万5千円を減額し、補正後の予算総額は411億2,826万1千円となります。
 その主なものとしましては、歳入では、市税が、4億4,023万5千円の増額補正となっています。 
 歳出につきましては、国の平成30年度第2号補正予算に対応し、小中学校のトイレ改修事業を予算措置するほか、10月からの消費税引き上げによる影響を配慮し、低所得世帯と0歳から2歳のお子さんがいる世帯に対してのプレミアム付商品券の発行に要する事務費を予算措置しています。そのほかは、事業費の確定や決算見込みによる減額などであります。
 繰越明許費につきましては、防災設備整備事業費外39件の追加と2件の変更を計上しています。
 議第4号 平成30年度中津市国民健康保険事業特別会計第4号補正予算から議第12号 平成30年度中津市水道事業会計第1号補正予算につきましては、事業費の確定や決算見込みによるものが主な内容であります。

 引き続きまして、議第13号 平成31年度中津市一般会計予算につきまして、予算編成の基本方針及び施策の概要をご説明申し上げます。
 まず、国の平成31年度予算案におきましては、10月の消費税増税に備えた「臨時・特別の措置」や社会保障の充実のため、初めて100兆円を超える予算規模となっています。公共事業関係費におきましても、「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」に基づき大幅な増となっています。歳入では、税収は景気回復を受けて過去最高が見込まれており、新規国債発行は減額となっております。しかしながら、国と地方を合わせた債務残高がGDPの2倍程度にまで膨らみ、また、社会保障費と国債費で歳出予算の約3分の2を占めるなど、国の財政は依然として厳しい状況であり、引き続き、聖域なき徹底した見直しを推進するとともに、地方においても国の取組と基調を合わせ徹底した見直しを進めるとしています。
 本市におきましては、順調な企業誘致の成果などにより税収は3年連続増加が見込まれ、当初予算ベースでの市税は、平成17年の合併以降最高額の予算計上となりました。地方交付税は合併特例措置の終了に伴う縮減があるものの、国の地方財政対策において地方財政規模が拡大されたことなどにより、ほぼ前年並みの予算計上となりました。よって、一般財源総額は前年度比2.2%の増となり、歳入面において財政状況は改善されている状況です。しかしながら、自主財源比率はおよそ35%であり依然として国に依存した財政体質であることや、少子高齢化による社会保障費の増加、施設の老朽化対策など歳出面での増加が見込まれることから、今後も国の動向を注視するとともに、更に健全な財政運営に留意していく必要があります。
 このような中、「なかつ安心・元気・未来プラン2017」は3年目を迎えます。引き続きこのプランを着実に推進し、これまで進めてきた「暮らし満足No.1」に向けた基盤づくりから、さらに施策の展開・深化を図り、「平成」の次の新しい時代のスタートに誰もが夢と希望を持ち、将来に亘って満足を実感し得るまちづくりを推し進める必要があります。そのことを念頭に、予算編成に当たりましては、「平成31年度中津市政推進の基本指針」を策定し、それに基づき各種施策を積極的かつバランスよく推進することに努めました。
 以上のような考えでまとめた平成31年度一般会計当初予算の規模は、対前年比で3.2%増の420億4,760万2千円となり、過去最大の予算規模となりました。
 以下、予算案について、その概要をご説明申し上げます。
 まず、歳入予算の市税及び地方交付税につきましては、先程申しましたとおり、市税では過去最高額となり対前年度比で3.9%の増、地方交付税では、ほぼ前年度当初予算並みと見込んでおります。起債の発行額につきましては、対前年度比5.5%の増となりますが、借入金の着実な償還が進み、プライマリーバランスを保つことで、平成31年度末起債残高は減少する見込みです。
 次に、歳出につきましては、「なかつ安心・元気・未来プラン2017」の施策の大綱となる「安心づくり」「元気づくり」「未来づくり」の3つの柱に沿った新規・拡充施策を中心に、ご説明申し上げます。
 1つ目の「安心づくり」についてです。
 まず、「災害に強いまち・災害に強い地域づくり」についてですが、近年、全国的に激甚災害が多発しています。本市においても、耶馬溪町金吉地区で降雨や地震が起因とならない極めて稀な大規模土砂災害が発生し、6名もの方の尊い命が失われました。「災害は起こる」ことを前提に防災対策の取り組みを強化する必要があります。本予算における主な施策としましては、旧下毛地域の河川、ため池等危険箇所に監視カメラを設置します。平時より監視することにより、災害のおそれがある前から河川等の状況が把握でき、また市民への情報提供に活用し、被害が最小限に抑えられるようにしていきます。また、平成24年の九州北部豪雨により甚大な被害を受けた馬溪橋周辺に防災倉庫を設置するほか、防災マップを最新の情報に合わせて更新し、市内全戸に配布します。
 次に、「中津市版地域包括ケアシステムの構築」としまして、高齢者の暮らしを守るため社会全体で支える仕組みを、地域の特性を考慮しながら構築していきます。主な施策としましては、市内全域で32団体が活動しています「元気!いきいき☆週一体操」につきまして、さらに10団体の立上げを目指し健康寿命の延伸や地域コミュニティの活性化に取り組んでいきます。
 「子育て2.0のまちづくり」及び「広域的な予防医療の取り組み」につきましては、「2019年度版 子育て2.0プロジェクト」として既存、新規・拡充事業の施策をパッケージとして取り組みます。まず、「健やかな子どもの成長サポート」として、7月より子ども医療費の助成拡大を開始し、子育て世帯の経済的支援と病気の早期発見・早期治療を図ります。また、本事業実施と併せて、予防医療を充実させ、子どものインフルエンザ予防接種、おたふくかぜの予防接種の助成を拡充します。
 次に、「子どもを預けるサービスの充実」として、放課後児童クラブに通う多子世帯の保護者負担金を第3子以降分は全額助成するなど助成を拡充し、経済的負担の軽減を図るとともに、子どもを育てやすい環境整備により出生数の向上を図ります。また、この4月より、中津市で最初の病児保育施設を、市内の小児科医院にて開設します。核家族化や共働き家庭の増加に伴う子育てニーズに応え、安心して子どもを産み育てられる環境整備を図ります。
 「誰もが生き生きと暮らせるまちづくり」につきましては、障がいのある方が住みなれた地域で安心して暮らし続けていくための取り組みを行います。主な施策として、聴覚障がい者や視覚障がい者の情報支援のため、手話等のボランティア人材の育成を目的とした講習会の開催や、ボランティア人材の活動の受け皿となっているボランティア団体に対し、その活動の支援を行います。また、平成30年度の全国障がい者芸術・文化祭にて開催し、反響が大きかった「障がい者アート作品展」、「障がい者ふれあいコンサート」を平成31年度も引き続き開催するほか、生活困窮者等に対し就労に関する相談窓口を設置する取り組みを行います。
 「「安心」で繋ぐ地域づくり」につきましては、人口減少により従来からの活動に支障が生じている地域において、自主性を損なわず様々な地域活動が継続できるよう支援を行います。主な施策としましては、29年度から実施しています田舎困りごとサポート事業に関しまして、各支所のサポーター2名体制を、4月から3名体制とし、中山間地域の支援を強化します。
 「地域の拠点施設確保」につきましては、旧下毛地域の公共施設について、地域の拠点として防災機能や地域コミュニティの維持活性化に必要な機能を維持しつつ、「公共施設管理プラン」の方針に沿って整備していきます。31年度は、老朽化した三光公民館と西谷地区公民館の整備を行っていきます。
 その他、地域医療の確立としまして、安定した地域医療体制の確保のため、看護学生への就学支援を行い、市内医療機関の看護師不足の解消を図ります。
 続きまして、2つ目の「元気づくり」です。
 まず、「働き方改革等による中小企業の人材確保と振興」につきましては、中小企業の人材不足解消及び技術力向上に対する支援に加え、外国人労働者の雇用環境の整備や、地域との共生を推進します。主な施策としましては、引き続き、有資格の求職者と企業のマッチングを図る人材バンクの設置や勤労者資格取得支援、中山間地域創業支援の取り組みに加え、女性起業家を支援する交流会や、創業者の創出・支援情報の提供を目的としたセミナーを拡充していきます。また、雇用拡大が見込まれる外国人就労者に対し日本語講座を開催し、受け入れを行っている事業所への支援及び地域との共生を推進します。
 「一次産業における担い手育成と収益性向上」につきましては、新たな担い手の確保及び生産性の向上と高付加価値化をすすめ、収益性を向上させる取り組みを行います。主な施策としましては、中津特産のカキ・アサリ・ハモ等の水産物ブランド化及び販路拡大や、六次産業の推進に対する取り組みを継続して行うほか、農産物直売所向けの野菜の作付け拡大のため、ミニハウスを導入する小規模農業者や、異業種から農業参入するための農業用機械等を導入する法人等に対し支援を行います。
 「山国川上下流域を結ぶ観光振興」につきましては、ラグビーワールドカップ大分開催、さらには東京オリンピック・パラリンピック開催にあわせたインバウンド対策を強化するとともに、旧下毛地域を中心に体験型観光を推進していきます。インバウンド対策としましては、観光パンフレットの多言語化を行うほか、海外パワーブロガーの招致や、SNSでの広告の展開を強化します。
 体験型観光の推進では、宿泊施設の少ない旧下毛地域において、農家民泊を推進するため農業者向けの講演会を開催するほか、観光産業活性化と持続性のある地域づくりを推進するため、観光ガイドの接遇力向上に取り組みます。また、メイプル耶馬サイクリングロード活性化事業では、サイクルガイドの養成のほか、平成24年九州北部豪雨で被災したサイクリングロードの全線復旧を記念してサイクルイベントを開催し、観光PRを強化します。
 ハード事業では、中津日田高規格道路青の洞門・羅漢寺インターの完成に向けて、道の駅耶馬トピア駐車場の整備を行うとともに、サイクリングロード活性化のためレンタサイクル施設の整備を行います。
 「地域が主体となった移住支援」につきましては、定着率の高い移住を促進するため地域住民と行政、関係機関等が一体となった移住支援体制を確立します。主な施策としましては、旧下毛地域に限ってUターン者が移住するための空き家の改修や家財処分等に支援を行っていましたが、4月より旧中津市へのUターン者が行う実家の改修についても拡充して支援を行います。
 「公民連携・政策連携によるにぎわいづくり」につきましては、中心市街地を中心に、関係機関と連携して、にぎわいづくりに対する事業者の挑戦を支援する取り組みを行います。主な施策としましては、従来より、空き店舗活用や地域外からの誘客をターゲットにした外需獲得型商店街への支援を行ってきました。今回、インバウンド対策も踏まえ、小規模事業者が行うキャッシュレス決済端末の導入に対する支援を行います。また、商店街のにぎわいづくり支援としまして、商店街自らが考え、実践する活性化イベントの取り組みを支援します。
 「「触れ合い」「楽しむ」文化・スポーツ環境」につきましては、3年目を迎える「日本遺産推進事業」に関しまして、今までの活動の集大成として文化財の活用、観光の振興を含む地域活性化に積極的に取り組んでまいります。また、スポーツ環境では、東京オリンピック・パラリンピックのホストタウンとしてオリンピアン等による講演会・スポーツ教室を開催し、市民への機運の醸成を図ります。
 最後に「未来づくり」です。
 「子どもの可能性を拡げる教育」につきましては、「知・徳・体」のバランスの取れた人材育成を目指す上で、学力向上を優先課題と捉え対策を進めていきます。また、世帯の経済状況による教育格差の是正に向けた取り組みを行います。主な施策としましては、学習指導方法の工夫・改善に努める学校や複式学級の一部解消のため学習補助員を配置しておりますが、より効果的に児童生徒の学力向上を図るため学習補助員を6名増員します。また、子どもたちの学習への興味関心を高め、わかりやすい授業や「主体的・対話的で深い学び」の実現のため、全教科にICTを活用することとし、市内の全小中学校にタブレットを導入します。さらに、子どもの学びを支える補充事業や、グローバル人材の育成を積極的に実践する「学びに向かう中津っ子支援事業」に関しましては、APUのイングリッシュキャンプへの参加や、英語モデル校を指定し、民間検定の「GTEC」を導入して生徒の意欲、教師の授業改善に活かすなど内容を拡充しております。
 「地域で活躍する人材の育成」につきましては、「いつでも」「どこでも」「だれでも」学ぶことができる場の提供を基本に、学びの質や機会の確保、利便性を図る取り組みを行います。主な施策としましては、今夏に「新中津市学校」が開設します。本施設は市民の仕事や学習など多様な教育の場を提供する施設であり、福澤諭吉・小幡篤次郎のゆかりの地中津として慶應義塾大学との連携を強化し、「学びたい教育のまち中津」の人的・文化的拠点としていきます。
 「「環境共生都市なかつ」の推進」につきましては、環境方針"6K"(共生、きれい、快適、教育、継承、協働)を基に市民参画による取り組みを行います。主な施策としましては、市民参画の「ごみ拾い」活動を実施する「きれいなまち中津」事業を継続して実施します。また、ごみの減量に向けて、新たな分別方法に取り組むとともに、ごみの資源化率の向上とCO2削減、埋立処分場の延命化を目的に草類の堆肥化及び焼却・リサイクル残渣をセメントの原料とする取り組みを行います。
 「公共交通対策の新たな枠組みの検討」につきましては、現在、民間が運行しています路線バス深秣線の一部が廃止される予定となっています。公共交通空白地にならないために、上秣から小川内区間に乗合タクシーを運行します。
 最後に、「中心市街地における「学び」と「交流」を生むまちづくり」についてです。この4月に「村上記念童心館」、引き続き「新中津市学校」、「中津市歴史博物館」が開設する予定です。各施設の特徴を活かし、幅広い年代、さまざまな分野での学びや活動の機会創出と、そこに人が集い、交流が生まれることによる活気あるまちづくりを公民連携で推進してまいります。

 債務負担行為につきましては、議会だより印刷業務外8件を計上しています。

 引き続きまして、各特別会計の予算についてご説明申し上げます。
 議第14号 平成31年度中津市国民健康保険事業特別会計予算から議第23号 平成31年度中津市水道事業会計予算につきましては、それぞれの事業の動向を見込んだ所要経費などを予算措置しています。
 議第24号 平成31年度中津市下水道事業会計予算につきましては、31年度より公営企業会計となります。主な内容は、資本的支出において管渠整備及び終末処理場沈砂池設備等更新工事に要する経費を予算計上しております。

 次に、予算外議案のうち、主なものについて、その概要をご説明申し上げます。
 議第26号 公共下水道事業の地方公営企業法適用化に伴う関係条例の整理に関する条例の制定につきましては、下水道事業に地方公営企業法を適用し、公営企業会計を導入することにより、下水道事業の経営状況を正確に把握し、もって持続可能な下水道事業の実現を図るため、関係条例を一部改正するものです。
 議第28号 中津市手話言語の普及と障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例の制定につきましては、手話言語の普及及び障がいの特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図り、もって地域で支え合い、誰もが安心して暮らすことができる共生のまちづくりを推進するため、条例を制定するものです。
 議第29号 新中津市学校の設置及び管理に関する条例の制定につきましては、中津市歴史博物館の建設に伴い閉館した中津市歴史民俗資料館の施設を整備し、学生や一般市民の勉学、交流場所、福澤研究の拠点となる施設として新中津市学校を設置するため、条例を制定するものです。
 議第31号 中津市歴史民俗資料館設置条例の全部改正につきましては、中津市歴史民俗資料館を廃止し、中津市歴史博物館を設置するため、条例を全部改正するものです。

 このほかにも、市条例の制定案及び一部改正案などを提出していますので、それぞれにつきましては、ご審議いただく折に詳しくご説明申し上げます。
 議員各位におかれましては、何卒慎重にご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げて、提案理由の説明を終わらせていただきます。

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