市長コラム~つなぐ~ ちょっと助け合い今昔

公開日 2020年04月08日

 昔に比べ減ったのが、ご近所同士付き合いと助け合いと言われます。昔は台所で醤油を切らした場合、お隣さんに借りに行くことはそう珍しくないことでした。子供の頃、近所のお風呂を借りるのもよく見られたことで経験があります。また、テレビのある家庭は、夕食後は、近所の皆が集まり番組を見て大勢で楽しんだものです。
 高度成長期を経て、このような風景はなくなりました。家庭は核家族化、三世代同居も減り、子供もそれぞれで遊び、祭りを除いて一緒に公園や神社に集う姿は、めっきり減りました。
 しかし少子高齢化社会を迎えた今、また、地域の助け合いの新しい形が求められ、生まれてきています。その一つが「住民型有償サービス」です。市内10地区で設立されています。
 一人暮らしや、高齢者の家庭では、掃除、買い物、話し相手、調理などに困っている人がいます。一方、地域には、自分ができることを地域に役立てたいと思っている人がいます。この両者が会員登録し助け合うもので、少しばかりの対価を支払うことにより、お礼なしで気兼ねせずに頼むことのできる仕組みです。手伝うことができる人が手伝いを求める人を訪問し支援します。介護保険制度などの公的なサービスもありますが、この「住民型有償サービス」は、サービスを利用する人も提供する人も同じ地域に住む住民同士ですから、つながりが深まり、「ちょっと助け合い」となるのです。
 人生100年時代。市は高齢者の健康づくり・生きがいづくりを行いながら、福祉、医療、行政、地域団体などあらゆる関係者が協力し合う地域包括ケアシステムの構築を進めます。その中のひとつ、住民が主体となったこの「住民型有償サービス」、助け合い力を発揮しています。
 「買い物頼むよ」、「ガッテンだ」。

助け合いイメージ

(市報なかつ令和2年4月15日号掲載)

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