令和2年第2回定例市議会の行政報告

公開日 2020年06月08日

 令和2年第2回定例市議会の開会にあたりまして、諸般の行政報告を行います。

 まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 5月25日をもって、すべての都道府県に対する新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されました。中津市においては、4月13日に1名、4月20日に1名、4月21日に5名の感染者が確認され、その後はありません。市民や市内事業者の皆様には、感染拡大防止のため、大分県からの要請に基づき、外出自粛、各種イベントなどの行事の中止、一部業種の休業などに取り組んでいただきました。その一方で、子どもの居場所や市民のライフライン確保のため、感染に留意しながら、工夫を凝らし、助け合って事業を継続いただきました。心から感謝申し上げます。
 さらに、この様な厳しい状況の中にありましても、コロナ対策に充てるための寄附金や、アルコール消毒液、マスク、防護服などをご寄附いただきましたことに改めまして深くお礼申し上げます。寄附金につきましては、予防事業だけでなく、今後の地域経済活性化のための事業等に有効に活用させていただきますとともに、消毒液やマスクにつきましては、医療機関や老人福祉施設、児童養護施設、児童クラブ、保育所、妊娠中の方など緊急に必要とするところへ配布させていただいております。
 また、今なお、感染拡大防止の最前線である医療現場に従事されている皆様には、心から敬意と感謝を申し上げます。5月8日から、毎週金曜日に「フライデーオベーション」を実施し、医療従事者に対して拍手や言葉で感謝の気持ちを表すとともに、感染防止の啓発に取り組んでいるところです。
 新型コロナウイルス感染症に係る支援制度につきましては、個人に対する給付金や、事業者に対する補助金や融資制度など多岐にわたるため、十分に活用していただけるよう、市報の特別号を発行し、お知らせするとともに、休日の窓口開設や電話対応に加えて事業者向けの専用受付窓口を設けるなど、様々なご相談・申請に迅速に対応できるようにしているところです。
 また、特別定額給付金につきましては、5月1日からマイナンバーカードを利用したオンライン申請を、13日から郵送申請をそれぞれ開始し、6月5日時点で、69,318人の方への支給を終えています。明日の支給予定人数8,212人を含めますと、申請された方の約95%にあたる77,530人への支給を終える見込みです。引き続き、迅速な支給に努めるとともに、いまだ申請されていない方へ周知を徹底いたします。
 また、市内小中学校は、5月21日からの分散登校を経て、6月1日から全員登校による授業を開始したところです。3月2日からの臨時休業等の期間中は、放課後児童クラブの開所時間の拡大や小学校における一時預かりにより、子どもたちの居場所を確保してまいりました。学校並びに放課後児童クラブ関係者の皆様方のご理解とご協力に感謝いたします。今後は、子どもたちの感染防止に配慮しながら、オンラインも含めて学習環境を充実させ、学習の遅れに対する不安の解消に努めてまいります。
 新型コロナウイルス対策については、そのほか、SkypeやLINEを利用した遠隔手話通訳サービスや、夜間の健康相談に対する「LINE AiCall」を活用した自動応答システムの運用、施設消毒用の次亜塩素酸ナトリウム液の配布など、状況に応じて様々な対応をしてまいりました。今後は、梅雨期を迎えるにあたり避難所の備品として、非接触型体温計、間仕切りボード、マスク等も購入いたします。今後とも、第2波の感染拡大への備えを怠ることなく、経済の再活性化とともに医療体制の確保及び感染防止対策などの対処を緩みなく行ってまいります。
 5月27日には、中津市医師会、中津商工会議所、中津市しもげ商工会、そして中津市議会と中津市で、「コロナに負けるな『なかつ励まし・支えあい宣言』」を発し、感染防止、地元消費拡大による経済再活性化、医療関係者への応援を行い、市民が励ましあい、支えあい、一丸となってこの難局に立ち向かうことを確認したところです。市民の皆様、市内事業者の皆様におかれましても、宣言の趣旨にご賛同いただき、引き続きご協力をお願い申し上げます。

 次に、耶馬溪町金吉地区の山地崩壊災害についてです。3月末に県工事が終了し、4月1日、2世帯5人に対する避難勧告を解除しました。平成30年4月11日の災害発生から、避難生活を強いられた皆様のご協力に心からお礼を申し上げますとともに、改めて、救出・捜索活動にあたっていただいた多くの皆様、復旧工事に尽力いただいた関係者の方々に感謝申し上げます。また、この災害及び復旧工事によりお亡くなりになられた方々に対して、改めて心から哀悼の意を表します。復旧した農地では田植えも行われたところであり、この災害を教訓に、今後とも災害に強いまちづくりに取り組んでまいります。
 その取組みの一環として、3月末、防災監視カメラシステム及び新しい防災マップが完成しました。氾濫の危険性が高い河川、ため池等をカメラでリアルタイムに監視し、迅速かつ的確な避難情報の発令に繋げると同時に、避難の判断に活用いただけるよう防災ポータルサイトやケーブルテレビに画像を配信しています。また、新しい防災マップは、1000年に1度の規模の雨量・9時間に500ミリ以上の雨による浸水想定区域、浸水想定時間等を新たに掲載しました。全世帯に配布するとともに、インターネット上でも確認できますので、各家庭や地域において、居住地域周辺の災害リスクの把握や避難ルートの再確認を行っていただきたいと考えております。
 一方で、4月13日に耶馬溪町戸原の国道212号で、また、5月3日に県道平原耶馬渓線で、大きな落石がありました。道路管理者である大分県中津土木事務所には迅速に対応いただき、現在、通行規制区間の復旧工事が進められています。市としましても、土砂災害の恐れがある区域の緊急点検を県に要望しているところであり、今後も、県とさらに一層連携し、安全対策に取り組んでまいります。

 次に、子育て支援についてです。
 子育て支援の充実に向けて、令和6年度までを計画期間とする「第2期なかつ子ども・子育て支援事業計画」を策定しました。「つながる安心、つながる元気、未来につなぐ」をテーマに、市民、団体、企業など多くの方々、あらゆる人と人とが関わりを深め"つながる"ことで、次世代につなぐ「みんなが子育てしたくなるまちづくり」を着実に進めてまいります。
 また、スマートフォン向けのアプリケーション、「なかつで子育て応援アプリ~ミライヘススメ~」の配信を開始しました。妊産婦と子どもの健康データの記録や管理、予防接種のスケジュール管理など母子手帳としての機能に加え、地域の子育て情報も受け取ることができます。このほか、市内事業所における子の看護休暇制度の導入促進や大分県中津総合庁舎を活用した放課後児童対策など新たな取組みも始めました。今後とも、子育て世代のニーズに応じた子育て支援の更なる充実に努めてまいります。

 次に、産業振興についてです。
 3月27日、イオンモール三光にシネマコンプレックス「セントラルシネマ三光」がグランドオープンしました。新型コロナウイルス感染症への対応から約3週間遅れてのオープンであり、また、緊急事態宣言を受け4月18日から5月12日までの臨時休業と5月16日からの臨時休館を経て、5月29日に再開されました。福岡県側も含めた広域圏から多くの方々にお越しいただける施設であり、今後、地域活性化の牽引役となるよう大いに期待しています。
 また、大分県庁において、3月6日には株式会社大森製作所が、3月13日には吉浦運送株式会社がそれぞれ立地表明を行いました。いずれも、さらなる事業の拡大を目的として市内の事業所を移設するものですが、これらの移設に伴う投資額は約7億1千万円、新規雇用は30名の予定です。今後も大分県と連携し、企業の事業拡大を支援し、積極的に誘致活動に努めてまいります。

 最後に、九州周防灘地域定住自立圏の取組みについてです。中津市民病院や中津市の買い物施設等への移動手段確保のため、中津市と豊前市とで共同運行してきたコミュニティバス豊前・中津線ですが、4月1日から吉富町とも共同して運行することになりました。吉富町内の駅や医療機関などの4か所に停留所が設けられ、利便性がより高まりました。コミュニティバスを利用して、各市町の住民が相互に行き交い、交流し、地域の活性化に繋がることを期待しています。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 繰り返しになりますが、新型コロナウイルスにつきましては、油断のならない状況が続きます。皆さんと一緒に、感染防止、医療・市民生活・経済活動の確保をしっかり行ってまいります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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