今まで遠くから眺めていた八面山に初めて登った友人の話です。景観、道のり、ほどよい疲労感など相当気にいった様子、戸外で三密もなく楽しい時間の過ごし方が発見できたと大喜びでした。中津にお住まいでも意外と登ったことのない方もいるようです。
　別名「箭山」。中津人にはおなじみの高さ659メートルの横長の山。ちなみに母校の小学校歌は「八面山の朝風に」で始まります。子供の頃の登山遠足地、日豊線の車窓からふるさとに帰ったと実感する山。朝起きて今日の天気を見る山。謂れのある巨石の多い信仰の山でもあります。
　山頂付近から見下ろすと中津平野が一望できます。海側の中津市を紹介するにはこの山に案内するのが一番。山国川、旧城下の街並み、中津駅、中津港、高速道路、工場、周防灘、国東半島、姫島、福岡県そして遥かに山口県、空飛ぶ鳥になった気分です。4年前には日本夜景遺産に認定され、その実力は実証済です。
　麓には野外音楽堂、お風呂や食事を楽しめる「八面山荘」。桜並木の名所で、登山・遊歩のコースも4つ、車でも登れます。山頂付近には大池・小池、箭山神社、パラグライダーの離着地があり、頂上「しょうけのはな」からは由布岳やくじゅう連山も望めます。
　さらに、4月「天空の道展望所」が完成。昨年には山頂付近に環境にやさしいバイオマストイレも設置しておりハイキングにも最適です。東九州自動車道と中津日田道路のインターも整備済み、交通アクセスは抜群です。
　シンボル三光八面山、温泉、のどかな田園風景、そして国道沿いに県内一の売り上げの道の駅なかつ、映画館と商業モールもあります。「三つの光は八面六臂」と友の駄洒落エール。今年はコロナの影響で名物の秋桜はなしですが、八面山が待っています。「八面山に登ろうよ！」

（市報なかつ令和2年7月15日号掲載）