「大雨が降らず水害が起きないように」。この時期の切なる願いです。でも自然の気象は分かりません。この7月に豪雨が九州、そして日本列島を襲い、多くの尊い命が失われるなど大きな被害をもたらしました。中津市も平成24年、29年7月に大水害に見舞われたことは記憶に新しいところです。また毎年、台風も襲来します。普段は生活を支えてくれる川の水が一変し激流が牙をむきます。命を奪われないよう、まずは「避難すること」が一番大事です。
　市は災害への備えを毎年強化しており、今年は、河川やため池など24箇所に市独自の防災監視カメラを設置しました。国や県の防災カメラを合わせると設置数は93に上ります。市の防災カメラの映像は、市役所本部の各画面に映し出され、皆さんもインターネットで確認でき、災害時にはケーブルテレビで見ることができます。加えて、今年、防災マップも全世帯にお配りし、皆さんの住む地域が災害別にどんな危険があるかわかるようにお伝えしています。
　そこで皆さんにお願いです。「人命第一」ですから、カメラ映像やマップも御覧になって危険が予想される時には、まずは安全な場所に避難してください。避難場所は、指定された避難所でなくても皆さんの親戚や友人宅などの安全な場所で結構です。日ごろから話し合って決めておくことが大切です。
　今年は、もう一つ、新型コロナウイルス感染防止対策が求められます。避難所で健康状況をお聞きするとともに、三密にならないよう人との距離をおくなどの対応が必要となります。体調がすぐれない方の避難場所も確保しなければなりません。各避難所に、精密な体温計（サーモグラフィー）、間仕切り板、テントなど準備していますが、できるだけマスク、消毒液、体温計などはご携行ください。
　引き続き市も災害に備え対策を講じます。家庭での災害時必需品の準備、近隣の人との声かけ、避難への協力などよろしくお願いします。合言葉は「自助・共助・公助」です。（7月13日執筆）

（市報なかつ令和2年8月1日号掲載）