公開日 2020年08月26日
今年は久しぶりに家庭菜園に挑戦、5月に庭土を掘り起こし、ほんの半坪ほどの畑を開墾(?)しました。消石灰を散らして培養土を加え土づくり、キュウリ、トマト、ナス、オクラ、万願寺トウガラシの苗を2本ずつ植えました。どう育つか我が子を見守るように観察しています。
小さな苗から育てていくと、野菜も手をかけたほどで、目を離せば虫に食べられ、水不足だと萎えてしまいます。トウガラシの一本は突然枯れたので、トマトの茎を挿し木したところ根付き育っているのは意外です。それぞれに追肥を施すと日に日に大きくなって花を咲かせ、およそ2か月で実となり次々に収穫を迎えます。自ら栽培した作物が、サラダ、酢の物、炒め物となって食卓に登場するとうれしくささやかな幸せを感じます。
一方、この時期、畑や家の周りの雑草の勢いはとどまることを知りません。草刈り機で切り払い、こつこつと根こそぎ断つ作戦も展開するのですが、とても追いつきません。野菜とは逆に、手荒に始末してもへこたれることなく伸びる雑草の生命力と成長力には驚かされます。そのうえ、草に紛れたクリスマスローズ、クレマチス、ムラサキシキブなど、大切にしている花木類は家主の不注意で切断の憂き目にあうものもあります。
このように植物の営みは人にとって有用かどうかにかかわらず、いろいろなことを語ってくれます。それぞれの個性を見極め、成長過程にやさしくも厳しくも実践的に携わっていくと、生きるヒントになって自分も成長できる気がします。人を育てる場合も同じかもしれません。
コロナ禍での土や植物とのふれあいから、毎日の元気とひそかな楽しみ、そして明日への知恵をもらいました。そうそう、忘れていけないのは開墾を手伝ってくれた友への感謝。「嫁に食わすな」と言うぐらいおいしい秋茄子、お楽しみに!
(市報なかつ令和2年9月1日号掲載)