公開日 2020年10月28日
今年から小学校5・6年生に英語が教科として教えられています。これまで中学校から始めて高校まで行くと6年間、英語学習にかなりの時間を費やしているのに、外国人と会話ができないと感じている人は多いと思います。入学試験のために読み書きが中心であったことも一因でしょう。勉強する以上は、読み書きはもちろん、話せるようになりたいと日本人が感じてきたのは当然です。
母国語は、幼少期から周囲がその言語を使うので自然と話せるようになります。しかし、子供と一緒に外国生活を経験した人の話によると、幼稚園まで英語圏に滞在していた長子、親より英語が上手でバイリンガル(二か国語会話可能)だったのに、帰国後英語を使わなくなると、あっという間に話せなくなったというのです。
このことは、言語の学習は何より「継続した積み重ね」が大切であることを示しています。さらにある脳研究者によると、脳の「言語野」の発達は8歳ぐらいからピークを迎えますが、母国語の土台が作られてからの方が英語力は身につくようです。さすれば、日本語をしっかり勉強しながら、併せて歌など英語への親密度を高めて、小学校高学年から継続して学ぶことは有意義と考えられます。
外国語を学んで大活躍した実践家は福澤諭吉先生。決して若くはない19歳で和蘭語、24歳で英語の勉強を開始、通訳として咸臨丸に乗り渡米もしました。江戸時代に新言語を習得する困難は今とは比較になりません。明治になり開設した中津市学校は英語で授業をしたというのですから驚きです。
今やインターネットの力で、いつでも、どこでも、だれでも、情報の受発信が可能です。そこでも英語の活用能力はますます重要になっています。小学校から計画的で継続した取り組みにより英語力をしっかり身につけ、「世界とつながる中津人」の育成に力を入れます。
(市報なかつ令和2年11月1日号掲載)