公開日 2020年11月11日
「往」は行く、「還」は帰る、道路は往還と呼ばれていました。遡って江戸時代の「日田往還」、天領日田と中津をつないでいました。人や物の往来が盛んで、日田から中津へ運ばれた米などの荷駄は、中津の港から瀬戸内海を通って大阪や江戸へ運ばれていたのです。城下町中津が賑わいました。
時は移り、今、「中津日田間の地域高規格道路」が建設中です。中津港から臨港道路に接続して、三光、本耶馬渓、耶馬溪、山国を通り日田につながる自動車専用道路で、通行は無料です。全長約50kmのうち、現在、中津・三光田口間と、本耶馬渓・山移間の計17.8kmが開通、来年3月までには山移・大島間5kmが開通します。三光田口・本耶馬渓間は、現在、国で工事が進められています。
今、この道路建設の意義を広く伝え早期完成を目指すシンポジウムを、多くの市民の皆様が出演し、WEBで開催しています。この道路は、既に豪雨災害時に実証済みですが、国道212号の代替として災害救助、また急病人等の搬送を行う「命を守る道」となります。そして通勤・通学・通院・買い物など、日々の市民生活を支える「生活・医療・福祉の道」でもあります。また、中津港から日田や耶馬の森の木材を積み出す、名所の多い中津と日田を結ぶ広域観光ルートでお客さんを呼び込む、中山間地域に農泊や起業の機運を高める、カーアイランド九州の西と東をつなぎ、各地の部品を中津の組立て工場に運び完成させるなど、北部九州を循環する「観光・経済の道」として力を発揮します。
新型コロナウイルスは、首都圏の一極集中から地方分散の動きを日本全体で進めることが大切と我々に教えます。必要で効果のある社会インフラを整備し、若い人が地方に住み幸せを感じるよう、「地方の安心・元気・未来づくり」に政策を向かわせねばなりません。「新中津日田往還」の早期完成に向け精力的に活動を続けます。
(市報なかつ令和2年11月15日号掲載)