市長コラム~つなぐ~ エール

公開日 2021年02月24日

 昨年のNHK朝の連続ドラマ『エール』は、作曲家古関裕而さん夫妻がモデル。裕而さんは前回の東京五輪の『オリンピック・マーチ』、夏の全国高校野球の『栄冠は君に輝く』など5千曲、幅広い分野の作曲家として大活躍しました。戦後の作品『長崎の鐘』は、戦争と平和、復興への思いが発露した鎮魂歌と言われ、藤山一郎さんが歌い大ヒット曲となりました。
 その藤山さんが昭和20年代に『福澤諭吉先生を讃える歌(西川好次郎作詞)』をレコーディングしているのをつい最近教わりました。歌詞の一部は「野にありて ほまれを追わず世を正す 自尊の徳よ・・・独立の魂はほろびず」とあります。当時の人気歌手が江戸・明治を生きた郷土の偉人を改めて讃えているのです。先生の面目躍如、中津にとっても誇りにしてよいことです。
 「歌は世につれ、世は歌につれ」。歌はいつの世も時代を映す鏡です。喜びを増し、悲しみを和らげ、希望を生み出し、人を元気づけ、究極幸せを求めるものです。老若男女を問わず人生の様々な場面で人は歌を口にします。カラオケも人気がありますね。
 ところが、この1年余り、コロナ禍で対面する音楽活動は自粛、コンサートなどの開催もままなりません。ミュージシャンは我慢を強いられ、多くの音楽ファンも自分の部屋で孤独に音楽と接しているのではないでしょうか。でもその分、普段より旋律や歌詞の内容に関心が引かれ、改めて音楽の力に気づいた人もいるでしょう。
 コロナ禍、今なお互いにエールを送り支え合うことが必要な時が続きます。東日本大震災後に生まれた『花は咲く』のように、苦しさを乗り越え未来に元気をくれる、自分なりのエール歌を探してみてはいかがでしょうか。
 私が思い出すのは『明日に架ける橋(サイモン&ガーファンクル)』。「困難な荒波を越える橋になる」と歌われます。少し古いですかね。

エール

(市報なかつ令和3年3月1日号掲載)

お問い合わせ

秘書広報課
住所:〒871-8501 大分県中津市豊田町14番地3
TEL:0979-62-9870
FAX:0979-24-7522