公開日 2021年05月26日
人にとって水の恩恵は絶大です。生命の維持はもちろん、毎日の生活、農業をはじめ産業の営み、自然環境の保全に不可欠です。水の供給に大事な役割を果たすのが雨。梅雨に雨が降らないと渇水が心配されます。
一方、梅雨に入り、水害も発生する可能性が高いことを頭においておかねばなりません。豪雨や台風は時に猛威を振るい、人の命や営みを根こそぎ奪うこともあります。特に頻発する豪雨は地球温暖化など気象の変化が関係しているともいわれ、この10年ほど、その脅威を見せつけてきました。毎年、大きな洪水が全国各地で発生しています。
国も地方自治体も手をこまねくことなく災害に備えていますが、自然の猛威は予想がつきません。例えば、最近の線状降水帯による豪雨は、いつ、どこで、どの程度の規模で起こるかわからないというのが実感です。昨年も多くの命が奪われました。
災害時に一番大切なことは「命を守る」こと。そのために身が危うくなる前に「逃げる」ことです。「数十年に一度の大雨」などの表現で気象庁からもたびたび警戒が呼びかけられます。行政も、避難指示の発令、避難所の開設など手を尽くします。市民の皆様にも、大水が自分の回りにもたらす危険を日ごろから想定し、早めの避難行動を具体的に考えておいてほしいのです。
その際、避難場所は、行政が開設する避難所だけではなく、親戚、親しい友人の所など日ごろから相談して決めておくことをお願いします。コロナ禍、避難所で密を避けるのがより難しくなっている状況です。子どもの頃、台風の時など風雨の強く当たる家の人は、他家に避難していた記憶があります。命を守るうえで、そんな一昔前のコミュニティや助け合いの人間関係が大切な時代になったと改めて感じています。
(市報なかつ令和3年6月1日号掲載)