公開日 2021年08月25日
「三光コスモス園」、今年は16ヘクタール、2,800万本のコスモスが咲き揺れます。7月に地元の皆さんが37台ものトラクターで耕起作業、私もほんの1列分だけ参加させてもらいました。初夏から草刈、耕起、種蒔きと地道な作業があって、秋にあの可憐な花の集団が見られるのです。
このコスモス園の起こりは、旧三光村の農業への先進的な取組みと連帯の力があってのこと。減反政策のなか、10の集落営農組織が「日本一のコスモス園をつくらんかいエーノーグループ」を結成、転作田にヒマワリとコスモスの花を植え付けたのです。三光村長もされた渡辺賢一さんのリーダーシップのもと、人と人のつながりである「結」を地域資源として地域活性化を目指しました。県庁在職時、広瀬知事と会場を訪ねた際、関係者のアイデア、熱意、団結の強さをひしと感じました。その後も継続され、今年は15回目、今や中津の秋の風物詩です。
もう一つ「コスモス」と言えば「宇宙」。とてつもない巨大空間であり、地球からの距離も光の速さで数百億年と表現されます。この宇宙にチリのように浮かぶ星たちの一つが地球です。大宇宙「コスモス」と小さな星の地球、その星のほんの一隅で美しく咲き、人の心をやさしく和ませる花「コスモス」。三光で育つ花の群れは、大宇宙の中では微小のまた微小の世界ですが、人間という一生物が他の生き物と共に、互いに懸命に生を営み、時を刻み、未来へ進んでいる証しと言えましょう。
三光のコスモス園から、数百億光年単位の広がりを持つ大宇宙の様を想像すると、どこか地球と同じような環境の別の星で、一面に咲く「コスモス」を見ながら仲良く談笑している同志がいないとも限りませんね。
今年の秋は、三光で「コスモス気分」を味わいましょう。
(市報なかつ令和3年9月1日号掲載)