令和4年第1回定例市議会の行政報告

公開日 2022年02月22日

 令和4年第1回定例市議会の開会にあたりまして、諸般の行政報告等を行います。

 まず、新型コロナウイルス感染症についてです。
 昨年11月末に、新たな変異株であるオミクロン株の感染者が国内で初めて確認されて以降、2月はじめには国内の1日あたりの新規感染者数が10万人を超えるなど、全国的に感染が急拡大しました。これまでと比較して感染力が非常に強く、活動が活発な若年層での感染が広がったことが、急速な感染拡大の要因となっています。大分県においても1月3日に中津市でオミクロン株の新規感染者1名が確認されて以降急増し、1月下旬から2月はじめにかけて、県内の1日あたりの新規感染者数は最多を更新する日が続きました。中津市においても、複数のクラスターが発生し、乳幼児や児童生徒の感染も増えるなど感染の広がりが続き、1月以降の新規感染者の累計数は昨日2月21日までに1,085人となりました。ここ数日の感染者数は落ち着きつつあるものの、予断を許さない状況です。
 1月27日から2月20日までの間、大分県では初めてとなるまん延防止等重点措置が、県内全域に適用されました。飲食店等に対する営業時間短縮の要請や、不要不急の外出の自粛、会食の際の人数制限、そして基本的な感染防止対策の徹底を呼びかけるなど、感染の封じ込めを図ってきました。比較的に軽症患者が多く、重症者への対応による医療提供体制のひっ迫には至っていないものの、経過観察や濃厚接触者への対応、検査対応等には大きな負担が生じている状況です。感染力がさらに強いとされるオミクロン株の派生株も確認されています。今後、さらなる感染拡大を招かないためにも、市民の皆様に、引き続き徹底した感染防止対策への協力を呼びかけていきます。
 ワクチン接種につきまして、2回目の接種から一定の期間を経過した18歳以上の方を対象に、1月から市内医療機関での3回目の追加接種を進めています。さらに2月10日から3月27日までの間は、ダイハツ九州アリーナにおける集団接種も再開しており、希望する対象者に円滑な追加接種ができる体制を整えています。
 また、長期化するコロナ禍における子育て世帯への生活支援を目的として、子育て世帯に対する臨時特別給付金の支給を行いました。迅速性や効率性に配慮して、現金による10万円の一括支給を行うこととし、申請が不要な対象者5,828世帯、児童11,353人分については12月27日に支給を完了しました。申請が必要な方については1月6日より受付を開始し、迅速な支給を行っているところです。なお、申請手続における利便性の向上を図るため、スマートフォン等から24時間申請手続を可能にする電子申請を導入しており、多くの方にご利用いただいています。
 コロナ禍で様々な困難に直面している方々への生活・暮らしの支援として、住民税非課税世帯等に対して1世帯当たり10万円を給付する臨時特別給付金の支給を2月15日に開始しました。今回の支給事務においては、新たな進出企業にコールセンター業務を委託することで、市民サービスの向上と事務作業の効率化を図っています。
 中小企業者等への支援については、がんばる中小企業者等緊急応援金の1月31日時点における申請受付件数は1,1500件、「安心はおいしいプラス」認証奨励金については258件となっています。
 また、コロナ禍で落ち込んだ消費を喚起するため昨年12月に発行しましたプレミアム付商品券及び食事券については、商品券は発行総額7億2千万円、食事券は発行総額1億3千万円をそれぞれ完売しました。さらに、これに続く事業として、県の補助制度によるプレミアム商品券の発行準備も現在進めているところで、発行総額は10億4千万円を予定しています。継続的に地域消費を喚起していくことで、地域経済の活力回復を図ります。
 昨年10月1日から12月12日の間には、市内飲食店を支援するため「食べてめぐって応援2021なかつやばけいグルメでスタンプラリー」を開催しました。中津市内の飲食店と観光施設でスタンプを集めると市内で使える地域クーポン券が当たるキャンペーンで、市内、県内を中心に4,199件の応募があり好評でした。今後も、コロナ禍で変化している旅のスタイルに応じて、効果的な誘客対策に取り組んでいきます。
 水産業においては、漁業活動の停滞を招かないように、操業経費の大部分を占める燃油購入費への支援を昨年10月から実施しているところです。これにより、漁業者が精力的に漁業活動を行うことで、地魚の水揚量が確保でき、魚価も安定してきています。
 中津のブランド牡蠣「ひがた美人」については、昨年12月1日に出荷が始まり、当初は幸先の良いスタートを切りましたが、新型コロナウイルスの感染の広がりとともに出荷量に影響が出ています。関係者とともに状況を的確に捉えながら、販売促進の支援をしていきます。今後も、漁業者をはじめ水産関係団体を積極的に支援し、当市の水産業活性化を図っていきます。

 次に、災害に強いまちづくりについてです。
 12月5日に、東浜・大新田地区自主防災会による、避難所開設運営体験訓練が実施されました。県の事業を活用した取組みで、会場となった工科短期大学校体育館では、参加した地域住民、地元の消防団員等約80人が、水害及び地震の災害を想定して、避難所の開設及び運営を体験しました。1月22日に発生した日向灘を震源とする地震では、幸い市内での大きな被害はありませんでしたが、いつ起こるかわからない災害に備え、いざという時には自助・共助・公助のバランスにより対応することの重要性を学ぶ機会となりました。
 また、避難所を開設した場合に、新型コロナ感染症等への対応を万全に行うために、市内宿泊施設との協力体制の構築を進めています。一般避難所での感染による重症化が懸念される方々が、安心して避難できる場所を提供することを目的としたもので、これまでに4事業者と協定を締結しました。移動式コンテナホテルを災害などの際に活用するための協定を締結した株式会社デベロップについても、1月20日から営業を開始しています。今後も、事業者や関係機関との連携により災害に強いまちづくりを進めていきます。

 次に、企業立地についてです。
 2月16日、ルネサスエレクトロニクス株式会社による増設報告会が市役所において行われました。車載用半導体の組立設備と選別設備の生産能力を増強するための増設で、投資額10億円、2名の雇用を予定しております。デジタル化や新型コロナウイルス感染症の影響で半導体需要が急速に拡大する中、市内の関連企業の増設により、地域経済への波及効果が期待されます。引き続き市内での企業活動を支援してまいります。

 次に、観光振興についてです。
 12月11日に、耶馬溪アクアパークにおいて耶馬溪湖畔祭りが開催されました。例年の夏から延期し、参加者を限定しての開催となりましたが、感染防止対策を講じて地域の子どもたちが会場に招待され、同時にインターネットによるライブ配信も行われました。コロナ禍においても、子どもたちの思い出のひとつになるとともに、地域の元気づくり、魅力の発信につながりました。
 また、2月からは中津市観光PRパーソンに新たに2名を委嘱し、3名体制により中津市の魅力の発信にさらに力を入れていきます。様々なイベントやキャンペーン等への参加、各種メディアへの出演により、中津市の観光PRとイメージアップを図ります。

 次に、本格的にスタートした「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
 キックオフ事業として、昨年12月21日から年明け1月10日までの間、福澤諭吉旧居・福澤記念館において特別展示「昭和・平成・令和 諭吉とお札の40年」が開催されました。日本銀行大分支店の協力による企画で、お札に関する様々な展示が行われました。続いて、1月15日からは、中津市歴史博物館と福澤記念館の両施設を会場とした企画展「華麗なる福澤家の人々」が開催されています。ギャラリートークやワークショップなどのイベントもあり、感染防止対策を講じるなか、多くの方に来場いただいています。
 また、このプロジェクトの一環として、NPO法人中津まちづくり協議会から、福澤諭吉先生ゆかりのデザインのマンホールの蓋を寄贈していただきました。中津駅北口の福澤諭吉先生の銅像近くの歩道に設置しており、このプロジェクトをまさに足元から支えていただいています。
 さらに、中津商工会議所青年部では、中津駅北口に福澤諭吉先生にちなんだモニュメントを設置していただきました。日本商工会議所青年部九州ブロック大会の中津開催の記念事業として設置されたもので、中津が福澤諭吉先生の故郷であることを多くの方に知っていただきたいという思いが込められています。引き続き、あらゆる関係団体や、ゆかりのある方々と協力しながら、福澤諭吉先生の故郷としての中津を広く発信していくとともに、市民の郷土に対する誇りの醸成を図っていきます。
 1月19日、株式会社博多大丸と情報発信アンバサダー認定式を行いました。九州各地の情報を発掘し、広く紹介していく博多大丸の取組みである「九州探検隊」を中津市の情報発信アンバサダーとして認定し、連携して地域の魅力の掘り起こし、発信、PRを行うことを目的としています。早速2月9日から14日の6日間、博多大丸において、中津市の観光や6次産業推奨品、不滅の福澤プロジェクトなどのPRを行ったこところです。今後も博多大丸の幅広い顧客層やネットワークを活かして、中津市の特産品や伝統、文化などを発信していきます。

 次に、スポーツの振興についてです。
 1月8日から10日までの3日間、ダイハツ九州スタジアムにおいて、プロ野球の福岡ソフトバンクホークス甲斐拓也選手をはじめとする4選手が冬季自主トレーニングをスタートさせました。期間中、練習の様子が一般公開され、市内外から多くの方が見学に訪れました。会場内では、甲斐選手が昨年の東京2020オリンピックの野球競技で獲得された金メダルも展示され、3日間の来場者は延べ3,500人となりました。
 今後ともスポーツに親しむ環境を確保し、市民に健康増進やふれあいの機会を提供できるよう努めてまいります。

 次に、市立中学校の新たな標準服についてです。
 「快適に自分らしく学校生活を送ることができる標準服 」をコンセプトに、昨年5月から検討委員会での議論が行われてきました。児童・生徒や保護者の意見も参考に、昨年12月に検討委員会から最終報告を受け、機能性、多様性、経済性に配慮したデザインに決定しました。現行の標準服のリユース等も可能となるよう令和5年度から3年間の移行期間を設け、段階的に新たな標準服へ移行していきます。

 次に、環境課題への取組みについてです。
 中津市しもげ商工会本耶馬渓支所女性部の皆さんが、資源プラ分別についてのプロモーションビデオを作成し、寄附していただきました。市内の小中学校での授業や環境学習等に活用していく予定です。このような民間団体や事業者、市民の皆様による環境課題への意識の高まりと行動がさらに拡がっていくことにより、みんなでつくる「環境共生都市なかつ」の実現を目指します。

 次に、デジタル化の推進についてです。
 地域のデジタル化を進めるためには、デジタル技術をうまく使えないことによる格差、いわゆる「デジタルディバイド」の解消が大きな課題となっています。
 そのため、昨年12月より5回にわたり、操作レベルに応じたスマートフォン講座を開催し、高齢者を中心に54名が受講しました。また、生涯学習センターまなびん館においても初心者向けのスマートフォン講座を設けるなど、多くの方にデジタル端末を身近に感じ、活用していただける取組みを進めているところです。
 今後も、受講生からの意見等も反映しながら、効果的なデジタルディバイド対策に取り組んでいきます。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

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