カレーライス、子どもの大好きな人気メニューです。食べすぎてお腹がはち切れそうになった記憶は誰しもあるでしょう。
　カレーと言えば、インドが有名ですが、どこから、いつ日本に入ってきたのでしょう。そのヒントが、中津の福澤記念館にあります。福澤諭吉は西洋文明を紹介、本人が作った「増訂華英通語」（日本語・英語・中国語の並記辞典）の中に、「Curry」があります。読み方は片仮名で「コルリ」と記されており、確かに「ル」を英語風に巻き舌で発音してみると「カレー」と聞こえますね。
　諭吉が最初にカレーを日本に紹介したとして、5年前、「中津・諭吉カレーフェス」が開催されました。市民の皆様から腕自慢が自作のカレーを競い合い、カレー提供店舗も出店、盛り上がりました。そして今、福澤諭吉旧居駐車場の一角に「諭吉コルリ」なるお店が生まれたのをご存じですか。中津の味噌・醤油を隠し味に加えた独自のカレー、食べ放題メニューもあります。観光客は、旧居・記念館を見学後、食するもよし、腹ごしらえ後、見学するもよしです。もちろん誰でも気軽に利用でき、昼食にも最適です。さらに月1回は、子ども食堂としても提供されます。
　「諭吉コルリ」に刺激されたのか、まったく厨房とは無縁だった友人が、最近カレー作りにハマっています。自慢の完成品、材料費と時間は家族があきれるほど掛かったようですが、味は大したもので皆に喜ばれ、結構楽しそうです。
　このようにカレーは、身近で幅広い年齢層に愛されます。個人や家庭により、辛さ、濃さ、ジャガイモの大きさに好みがあり、作り手にとっては個性をいかす「独立自尊？」の味づくり、そのバラエティがおもしろいのです。
　「諭吉コルリ」、味わってみてください。「文明開化」の香りがするかも。

（市報なかつ令和4年6月1日号掲載）