市長コラム~つなぐ~ プラスチック

公開日 2022年06月08日

 昭和40年代初めの米映画、辣腕事業家が卒業前の学生に「今後有望なのはプラスチックだ」とアドバイスする場面がありました。
 その言葉どおり「プラスチック時代」が到来。石油産業の発展とともに普及し、今や周りはプラスチック全盛です。家庭では、食品容器、バケツ、消しゴム、パソコン、携帯電話、ラップフィルム、ペットボトル、冷蔵庫、テレビ、浴槽、水道管、合成繊維の服など、プラスチック製品が溢れ、便利で快適な生活を支えます。また、医療、工業、農業、漁業などあらゆる分野で利用され大活躍です。軽くて丈夫、加工が簡単、清潔さを保ち値段も安いプラスチックの強みです。
 しかし、プラスチック製品は、不法に投棄されると厄介ものに転じます。海に流れ海岸に多量のごみとして打ち寄せます。魚やイルカや亀が餌と間違え飲みこみ苦しみます。また、海中で小さな分子に分解され、魚を通して人間の体内に入り込むとも言われます。地球規模の環境問題を引き起こし、全世界的に解決を迫られているのです。
 思い返すと、昭和30年代は今とは全く違った暮らしぶりでした。買い物にはカゴを持参、野菜や魚は新聞紙にくるむ、豆腐は家から持って行った鍋に入れる、肉は木の皮で作った経木を使う、お酒や牛乳は各家に配達、空き瓶は回収するなど当たり前でした。
 冒頭の映画のセリフは、現在なら「これからは環境との共生、資源循環だ」とでもなるのでしょう。脱プラスチックに向け法律も作られ、製品の設計・製造から、排出・回収・リサイクルまで資源循環を促進する取り組みが求められます。市が昨年始めた家庭プラスチックごみの分別収集、「なんとプラゴミの多いこと」が実感でしょう。面倒かもしれませんが、子ども達の未来のために、市民の皆さまのご協力をお願いします。

プラスチック
多種多様なプラスチック製品

(市報なかつ令和4年6月15日号掲載)

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