公開日 2022年06月06日
令和4年第2回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告等を行います。
まず、新型コロナウイルス感染症についてです。
新型コロナウイルス感染症については、感染再拡大防止のため、3回目のワクチン接種を進めるとともに、感染防止対策の徹底を呼びかけてまいりました。そうした中で、全国市長会や九州市長会など、ここ数年間オンラインでの開催が多かった各種会合が、今年は対面での開催となるなど、徐々に活動の制約が解消されつつあります。引き続き市民の皆さまには基本的な感染防止対策の徹底をお願いするとともに、新たな変異株の動向も注視し、社会経済活動と感染防止の両立に向けたウィズコロナの取組みを進めてまいります。
ワクチン接種につきましては、昨年12月から開始した3回目の追加接種に加えて、60歳以上の方及び18歳以上59歳以下で基礎疾患等をお持ちの方を対象に4回目の追加接種を6月1日から開始いたしました。重症化予防の観点から早めの接種を呼びかけてまいります。
また、コロナ禍で様々な困難に直面している方々への生活・暮らしの支援として、昨年12月に支給を開始した子育て世帯に対する臨時特別給付金については、3月より、給付金を受け取れていない離婚家庭等への支給も開始し、5月10日をもって、7,443世帯13億6,531万4,820円の支給を完了しました。
また、住民税非課税世帯等に対して1世帯当たり10万円を給付する臨時特別給付金の支給を2月15日に開始し、5月末現在、10,874世帯10億8,740万円を支給しています。
中小企業者等への支援については、昨年12月に発行しましたプレミアム商品券及び食事券に続き、コロナ禍で落ち込んだ消費を切れ目なく喚起するため、4月に新型コロナ対策第3弾のプレミアム商品券を発行し、17,136人に対し、発行総額10億4,000万円分を完売しました。さらに、国の緊急経済対策に係る新型コロナ対応地方創生臨時交付金等を活用した、第4弾、第5弾のプレミアム商品券の発行に係る予算案を本議会に提出しています。継続的に地域消費を喚起することで、事業者への支援、そして原油価格や物価高騰に直面する市民の方々への支援の両面から地域経済の活力回復を図ってまいります。
次に、各種計画の見直しについてです。
3月に、第五次中津市総合計画「安心・元気・未来プラン2017」の改訂を行いました。また、中津市行政サービス高度化プラン2022を策定し、4月には第4次中津市地域福祉計画・地域福祉活動計画「なかつ地域支え合いプラン」を策定しました。今後の市政運営や市民の皆さまの暮らしに関わるこれらの計画を着実に実行してまいります。
次に、災害に強いまちづくりについてです。
4月11日、耶馬溪町金吉地区山地崩壊災害から4年が経過しました。この災害の記憶を風化させず、災害への備えの決意を新たにするため、この日を「中津市の防災を考える日」としています。今年も現地の慰霊碑に参拝して黙祷を捧げ、併せて市幹部職員及び防災士協議会の方を対象とした防災研修会を開催しました。
また、5月29日には、三口の山国川河川敷において、山国川水防演習を開催し、堤防の崩壊など大規模な災害を想定した訓練や水難救助訓練を関係機関と連携して実施しました。
次に、企業立地・産業支援についてです。
5月10日にダイハツ九州株式会社の増設報告がありました。樹脂外板採用車種の生産増加をうけ、工場を増築し生産能力を増強する計画です。投資額は16億4,000万円、増設に伴い、新たに5名の雇用が予定されております。今後も、技術革新の進む自動車関連企業の誘致を中心としつつ、中津の未来を創る様々な業種の誘致に取り組んでまいります。
また、3月に、大分県が福岡市に設置している若者向けコミュニティスペース「dot.」にて、市内企業と学生のマッチングイベントを開催いたしました。学生・企業・行政が参加する双方向型の交流企画を行い、市内企業の魅力が発信されました。
次に、農業振興についてです。
3月に2021年産米の食味ランキングが発表され、大分県北産「つや姫」が初めて最高評価の特Aの評価を受けました。中津市では、堆肥センターやまくにの完熟堆肥を使って生産したお米を「やまくに誉」として販売し、ブランド化を図っているところです。今回の評価を追い風とし、引き続き、中津市の農業振興につなげてまいります。
次に、ふるさと納税の取り組みについてです。
令和4年4月1日から3年間、ヤマト運輸株式会社と「ふるさとなかつ応援寄附金」の管理に関わる業務について委託契約を結びました。加熱する返礼品競争の中で、委託事業者が持つ多様な事業者へのネットワーク等を活用し、より多くの市内中小事業者の方に積極的に参画いただくことで、ふるさと納税制度本来の主旨である、地域産業の活性化や地域の魅力発信を図るとともに、寄附額の増額を目指してまいります。
次に、観光振興についてです。
3月6日から4月30日の期間、日本遺産「やばけい遊覧」の8つのストーリーを体験できるプログラム「やばはく(春)」が中津玖珠日本遺産推進協議会の主催により開催されました。中津・玖珠の春を自然・歴史と共に感じることができる18のプログラムに延べ219名の方が参加しました。今後も、地域の資源や人材を活用し、様々な体験プログラムを造成していきます。
また、マイクロツーリズム対策として、テレビ大分の情報番組にて、大分県民をターゲットに中津市の観光情報を昨年4月から1年間、毎月1回発信しました。平均視聴率は9%を超え、放送期間中に少なくとも延べ160万人が視聴したことになります。また、インバウンド対策事業として、大分県が運営するYouTubeチャンネル『沸騰大分』で昨年8月に公開された、中津市の老舗料亭や鉄道遺産を活用した宿泊施設などを紹介する動画の再生回数が90万回を超え、県内自治体の中で圧倒的な1位となっています。視聴者は国外の方が約9割を占めており、ウィズコロナの時代でも中津の観光が国外からも非常に高い関心を集めていると伺い知ることが出来ます。今後も、ターゲットを意識した効果的な事業展開を実施してまいります。
また、4月には、博多大丸で行われた「九州探検隊 魅力発信マルシェ」において、観光・移住PRのほか、なかつ6次産業推奨品の販売を行い、2日間で約400名の方がブースを訪れました。今年1月に博多大丸を情報発信アンバサダーに認定したことにより、連携した各種取組みが実現し、中津市の魅力発信に繋がっています。
次に、「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
1月15日から3月6日の期間、中津市歴史博物館と福澤記念館において企画展「華麗なる福澤家の人々」が開催され、期間中の入館者が5,000人を超える賑わいを見せました。
また、市内を走る路線バスが大交北部バス協力のもと、福澤先生の肖像画を大きくプリントした「ゆきち号」として生まれ変わり、4月2日に中津駅バス乗り場で「やまびこ号」、「はも号」とともに内覧会が行われました。
次に、スポーツ振興についてです。
4月2日、ダイハツ九州スタジアムにおいて、九州アジアリーグに所属する大分B-リングスのホーム開幕戦が行われました。
また、4月29日には、三光総合運動公園にて、八面山平和マラソン大会が開催され、300名の参加者が「ややま路」を駆け抜けました。当日は、東京2020オリンピック・ビーチバレーボール会場で使用された「レガシーの砂」の授与式も行われ、吉富町が譲り受けた砂を、広域活用の一環で中津市にも提供いただきました。
また、4月6日には、B&G財団から助成金の決定書をいただきました。これは耶馬溪B&G海洋センター体育館を簡易宿泊所に改修し、合宿などの宿泊利用を促進するとともに、施設利用者と地域住民が交流する場を構築し、地域活性化を図ることを目的とするものです。全国に465ヶ所ある海洋センターの中で宿泊機能が付加されるのは当センターが初の事例であり、全海洋センターの先駆けとなるべくB&G財団のモデル事業に選定されました。
今後とも、スポーツに親しむ環境を確保し、市民の健康増進やふれあいの機会を提供できるよう努めてまいります。
次に、歴史と文化の伝承についてです。
本耶馬渓町にあります、現存する石造アーチ橋として国内最長の耶馬渓橋が、国の重要文化財に指定されることになりました。名勝耶馬渓の観光開発に伴って大正12年に建設された、国内で最初期の観光を目的とした道路施設です。度重なる大規模な洪水にも耐えながら、今なお地域の交通を支える美しい8連のアーチ橋の歴史的価値が評価されたものです。
今後も、このような貴重な地域資源を守り、観光をはじめとした魅力の発信、郷土愛の醸成などに活用していきます。
次に、「環境共生都市なかつ」の実現に向けた取組みについてです。
4月20日から5月17日にかけて、9月から開始するごみ袋有料化制度の市民説明会を開催し、938名の皆さまにご参加いただきました。引き続き、9月からの実施に向けて広く周知を行い、市民の皆さまがスムーズに制度に対応していただけるよう、丁寧な説明を行ってまいります。
また、4月から、市民の皆さまがLINEやインターネットを通じて、気軽にごみの分別方法や収集日などを調べることができる「ごみの分別チャットボット」の運用を開始しました。
3月25日には、ボランティアでごみ拾い活動を行う「中津市きれまち隊」の優秀団体の表彰を行いました。現在、90団体に地域の清掃に取り組んでいただいています。また、5月には、NPO法人水辺に遊ぶ会主催のビーチクリーンや、中津商工会議所主催の観光ルート清掃活動も行われ、多くの市民、事業者の皆さまにボランティアとしてご参加いただきました。SDGsの達成を環境面から支え、「環境共生都市なかつ」を実現するには、このような活動の広がりが非常に重要であり、今後も、市民・事業者・行政が一体となった取組みを推進してまいります。
次に、道路整備についてです。
大分県と連携して進めてまいりました、金手地区の県道臼木沖代線の交差点改良工事が6月に完了いたします。改良により右折レーンが設置され、慢性化していた朝夕の通勤時間帯における渋滞の緩和が期待されます。また、如水小学校付近の市道合馬是則線の歩道整備も3月に完了いたしました。今後も、市民の皆さまの日常生活を支える市道について、狭小道路の拡幅や、通学路における歩道の整備などを進め、利便性向上と安全な道路環境の整備に取り組んでまいります。
次に、あらゆる主体との連携についてです。
3月12日、中津市歴史博物館にて、日本文理大学の学生が「同世代の若者が来たくなる仕掛け」をテーマに考えた、中津市城下町の「観光周遊アイテム」を披露しました。
また、味の素、立命館アジア太平洋大学の学生団体、トキハインダストリー、WELCOMEやまくにと連携し、未収穫農作物の収穫を通してフードロス撲滅、地産地消を応援する「産官学民連携型サーキュラーエコノミー開発」企画を実施いたしました。昨年、中津耶馬渓観光協会の事業に関連して、東京渋谷の共創施設SHIBUYA QWSにて行われたワークショップをきっかけに実現した企画です。今後も、積極的に外部の発想を取り入れ、様々な地域課題の解決に繋げてまいります。
また、3月28日に九州周防灘地域定住自立圏共生ビジョン懇談会を開催し、各地域の課題や今後の取組みなどについて話し合いました。今後も、定住自立圏の中心市として市町村や県の枠組みを超えた取組みを積極的に進め、圏域全体の発展に努めてまいります。
また、5月16日には、生活協同組合コープおおいたとの包括連携協定を締結いたしました。協定により、災害時の生活物資の供給、宅配ネットワークを活用した地域の見守り、市産品や農林水産物の販路拡大など、幅広い分野で連携を進めます。
今後も、学生や企業、近隣自治体等との連携をより一層進め、様々な課題解決に向けて協働して取り組んでまいります。
終わりに、現在もロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いており、罪のない多くの尊い命が奪われている状況です。非核平和都市宣言を行っている中津市としても、3月16日から25日の間、市役所庁舎に「平和」の明かりを灯したほか、日本赤十字社を通じた募金活動も継続して行っております。避難民の受け入れについても、市営住宅を確保し、要請があればすぐに対応出来る体制を整えております。
以上をもちまして、報告を終わります。
議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。