公開日 2022年10月11日
高校スポーツの全国大会、躍動する若人を見ていると、立派な体格に驚きます。テレビに映る甲子園球児も、昔の選手と比較すると、体の大きさは明らかに違い、プロ選手並みの人もいます。食べ物も豊かになり、トレーニング方法も科学的に改良されているのでしょう。
我々世代の基礎的トレーニングと言えば、走ること、腕立て伏せ、うさぎ跳びぐらいだった気がします。今では筋力トレーニングは当たり前、道具も揃え様々な体力強化がなされています。
そもそも体の成長には個人差があります。人により身長や体重が大きくなる時期はかなり異なります。トレーニング専門家の話によると、個々の成長段階を見極めず、一挙に過重負荷を与えたり、無理して使いすぎると、体を痛めることになるそうです。
ところが、指導者や保護者は、スポーツに限らず、習い事や教育では、どうしても先を急いで早期熟達を目指し、若いうちから成果を出さなければ、周りに遅れてしまうと心配しがちです。
しかし、時に我慢して子どもの成長を待つ勇気も必要です。小さい時にできないからといって決してあせることはありません。適切な時期に、適切な鍛え方を継続することが大切です。小・中・高校時代は幼く、全く目立たなくても、その後、力をつけて一流になる人がいます。あわてずにじっくりと、個々の成長過程に応じて適切な環境でトレーニングを積むことが、長い目で見て良いパフォーマンスにつながっていくのです。
人それぞれの素質は、早咲きもあれば、遅咲きもあります。また、咲く花も、咲き方もいろいろあってよいですよね。何の道であれ、子どもの個性や体力を見極め、体と心の成長にあわせ育てていき、一歩一歩子どもの夢の実現につなげてほしいものです。「大器晩成」という言葉もありますから。
(市報なかつ令和4年10月15日号掲載)