公開日 2022年11月28日
令和4年第4回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告等を行います。
まず、新型コロナウイルス感染症についてです。
ワクチン接種につきましては、10月からオミクロン株と従来株の両方に対応した2価ワクチンの接種を開始し、11月からは、生後6か月から4歳のお子さまへの接種を開始しています。
感染者数は8月をピークに減少し、9月26日からは、全国で感染者の全数把握の見直しが行われ、10月11日からは全国旅行支援が開始されました。中津市でも三光コスモス祭りや、やまくにフェスティバルなどのイベントに多くの人が訪れるなど、徐々にコロナ禍以前の賑わいを取り戻しつつあります。加えて、先日はハワイからのサイクリングツアー客が中津を訪れるなど、インバウンドも戻りつつあります。これからは感染防止対策と経済活動のバランスをどう図っていくのかがますます重要になります。ここ最近は再び感染者数が増加傾向にあり、年末年始のさらなる感染拡大も懸念されておりますので、引き続き市民の皆様には基本的な感染対策と、重症化予防のための早めのワクチン接種を呼びかけてまいります。
コロナ禍で生活の困難に直面する方々への支援として実施してきました住民税非課税世帯等に対する10万円の臨時特別給付金につきましては、令和3年度、4年度分あわせて12,192世帯に支給いたしました。
また、住民税非課税世帯等に対する5万円の電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金につきましては、11月7日から受付を開始し、11月16日に初回の支給を行いました。
また、エネルギー・食料品価格等の物価高騰により影響を受けている子育て世帯への市独自の支援策として「子育て元気応援給付金支給事業」を実施します。市内在住の児童一人につき1万円をプッシュ型で支給するもので、現在、支給に向けた準備を進めております。
事業者、そして物価高騰に直面する市民の方々への両面の支援として、第5弾の「中津市プレミアム商品券・食事券」を発行します。11月15日まで購入申込を受付けたところ、約31,000人もの市民の皆様から申込みを頂きました。客足が戻らない飲食店が多いことから、飲食店での利用を促すため、年末年始から来年の歓送迎会シーズンまでご利用いただけるようになっております。
次に、災害に強いまちづくりについてです。
10月8日、南海トラフ地震を想定した総合防災訓練を、大分県及び日田市、九重町、玖珠町と合同で開催しました。今津校区の皆さんが主体となり、津波からの避難や避難所の開設・運営の訓練を実施したほか、教育福祉センターでは、福祉避難所の開設を想定した訓練を実施しました。また、耶馬溪町柿坂の河川敷では、中津市消防本部が近隣の消防本部と連携した救助訓練を実施しました。
11月2日、大規模災害発生時において、仮設ハウスなどの災害応急対策に必要な機材を迅速に確保することができるよう、株式会社ナガワと「災害時におけるレンタル機材の提供に関する協定」を締結しました。
11月6日、平成24年の九州北部豪雨からの10年を振り返り、国・県・市の共催で山国川流域フォーラムを開催しました。災害に強く、流域の魅力を活かしたこれからの景観・観光・まちづくりの戦略を流域一体で考えるため、NPO法人やまちづくり活動をされている方々と意見交換を行いました。
また、10月17日には、国土交通省九州地方整備局に対して、計画的な国土強靭化を推進し様々な自然災害に備えること、流域治水プロジェクトの推進による「安全で安心な九州のまちづくり」の早期実現について要望しました。
次に、企業立地についてです。8月下旬以降、4件の立地表明がありました。
まず、8月25日、大分県庁において株式会社KOTANIの立地表明式が行われました。世界的な半導体需要の増大を受け、増産体制を整えるため永添に工場を新設します。設備投資額35億円、新規雇用者数50人、令和6年4月の操業開始を予定しております。
また、8月26日、大分ドライルーブ株式会社から立地表明書が提出され、自動車部品の塗装等の更なる受注拡大に対応する投資額3千万円の増設、新規雇用者数1人が予定されております。
さらに、10月4日、株式会社Meフードシステムから立地表明書が提出され、牛レバーなどの加工品『さしみーと』の新たな生産施設をつくるため、投資額1億5千万円、新規雇用者数15人が予定されております。
11月22日には、大分県庁において株式会社トライエッジの立地表明式が行われました。ITマーケティングコンサルティング事業拡大のため、新たにサテライトオフィスの設置を計画しており、新規雇用者数5名を予定しています。
女性の雇用も期待できる魅力ある企業の立地・増設が表明され、職業の選択肢が増えることでUIJターンの推進にも繋がるものと思います。
次に、産業支援についてです。
10月4日から11月22日まで、週1回の「創業・新規事業構築セミナー」を開催しました。起業プロセスを学ぶとともに、ネットワークの形成も目的としています。毎年度、参加者から創業する方が出ており、これまでに17名の方々が創業しています。
また、9月13日から1月27日まで「arch nakatsu女性起業家支援事業」を開催しています。対面方式のセミナーに加え、参加者が時間に縛られず好きな時間に受講できるオンライン講座も取り入れており、参加者に寄り添ったセミナーを実施しています。
10月23日に、外国人の技能実習生を対象に、中津のことを深く知っていただくための体験バスツアーを開催し、市内で働く技能実習生15名が参加しました。
8月30日が「中津ハモの日」として認定された一周年を記念して、9月11日に魚市場、漁業者、仲買人との共同で「市民おさかな感謝デー」を開催しました。会場では、ハモの加工品や海産物などに加え、やまくに軽トラ市の農産物の販売も行い、多くの来場者で賑わいました。
また、近年中津からあげの認知度が高まり、「からあげの聖地」としてメディア等で取り上げられる機会も多くなりました。今年もからあげフェスティバルが10月29日、30日に行われ、中津の地元店に加え、全国の有名店10店舗が出店し、市内外から集まった多くのファンが食べ比べを楽しみ、中津からあげのPRとなりました。
次に林業の振興についてです。
11月12日から14日にかけて、大分県では45年ぶり2回目となる全国育樹祭が秋篠宮皇嗣 同妃 両殿下のご臨席のもと開催されました。13日に昭和電工武道スポーツセンターにて行われた式典では、三郷小学校みどりの少年団の子どもたちが緑化等功労者として表彰され、緑の少年団を代表して活動発表を行いました。
次に、道の駅なかつについてです。
8周年を迎えた「道の駅なかつ」のJAおおいた直売所「オアシス春夏秋冬(ひととせ)」のレジ通過者が、11月19日に450万人を突破しました。秋には三光コスモス園との相乗効果により大変賑わい、地域の皆様をはじめ、多くの方々にご来場いただいています。
次に、高付加価値化の取組みについてです。
地域資源を活用した6次産業品の推奨品として、今回新たに5事業者5件が追加され、「なかつブランド」の認証は合計23事業者32件となりました。これらの商品は、トップセールスをはじめとした市内外に向けた発信を通して、広くPR及び販路開拓に取り組んでいます。
次に、観光振興についてです。
9月17日から10月29日の間、日本遺産やばけい遊覧博覧会「やばはく秋」が開催されました。耶馬渓エリアを中心に、素晴らしい景観の中、トレッキングやウォーキング、サイクリングなどが楽しめる観光体験プログラムとなっており、今回は9つの体験プログラムに県内外から156名の参加がありました。
また、10月29日、30日に下関市で開催された日本遺産フェスティバルにおいて「やばはく」を中心にPRを行い、サテライト会場の北九州市でも、中津市の特産品の販売や中津市の魅力発信を行いました。
次に、「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
10月16日、慶應義塾大学日吉キャンパスに慶應義塾を卒業した塾員たちが集結し3年ぶりに開催された「慶應連合三田会大会」に初出展しました。不滅の福澤プロジェクトをテーマに、訪れた多くの方々に先生の故郷中津をPRしました。
紅葉シーズンの誘客に繋げるため、慶應連合三田会大会を皮切りに、東京日本橋で開催された『大分県中津市まるっと「味力」つめこんだけん2022』や、三津同盟の一環として、島根県津和野町の「秋のつわの・鯉・恋・来いまつり」にも出展し、誘客に取り組みました。
また、10月20日、壱万円札次期肖像の渋沢栄一の出身地である深谷市を訪ねました。市長を訪問し、壱万円札の肖像交代に向けた意見交換を行いました。
市内の事業者においても深谷市の特産「深谷ねぎ」を原材料に使用した「不滅の鶏餃子」の販売が始まりました。双方の特産品によるコラボ商品で「不滅の福澤プロジェクト」を推進してまいります。
次に、文化振興についてです。
中津の木版画家、武田由平氏の生誕130年を記念し、木村記念美術館で企画展を開催したほか、旧平田郵便局など市内の民間施設の4会場や歴史博物館でも合同展覧会を開催しました。
次に、スポーツ振興についてです。
耶馬溪アクアパークにて、水上スキー、ウェイクボード、ウェイクサーフィンの各種大会が開催され、熱戦が繰り広げられました。
今年は3年振りに大分県民スポーツ大会が開催されました。中津市は、相撲競技、サッカー競技において優勝するなど、多くの競技で好成績を収め、前回から順位を上げて総合3位という素晴らしい結果となりました。
また今年も多くのスポーツ、幅広い年代の選手が全国大会等へ出場し活躍されています。特に、ソフトテニス、卓球、テコンドー、水上スキーなどで好成績を収められました。
次に、中津の未来を担う人材の育成についてです。
11月1日、中津文化会館にて、第18回「おおいた教育の日」推進大会が開催されました。会場とオンラインを併せて約600人が参加し、三保小学校人形劇クラブの北原人形芝居や本耶馬渓中学校、中津東高等学校電気科ロボット部、中津市PTA連合会の実践発表が行われました。また、慶應義塾大学教授の山内慶太氏より、「独立の気力」を育む~『学問のすゝめ』150年に際して~と題した講演をいただき、市内の高校生による展示や物品販売なども行われました。
8月28日、新中津市学校にて慶應義塾大学の大学院生による高校生向け市民講座「みらいLab.」を開催しました。14名の高校生が参加し、大学生活についての座談会や、未来の中津市のまちづくりについて議論しました。
また、9月3日から4日、市内の小学5・6年生と耶馬溪ジュニアボランティアリーダー21名が自然体験を行うネイチャーキャンプを実施しました。
10月9日には、子どもたちに様々な職業について知ってもらうため、第12回職人フェスティバルを開催し、約1,200名が来場し、商店街も大変賑わいました。
10月22日には「なかつ学びんぴっく」が行われ、24名の小・中学生が福澤諭吉先生をはじめとする郷土の偉人や中津の自然、歴史、文化、産業などの問題に挑戦しました。また、これにあわせて「ワンパク!たんけん中津」を開催し、19名の小・中学生が耶馬溪・山国地域を訪れ、郷土学習を行いました。
次に、人権尊重社会の確立に向けた取り組みについてです。
11月17日に「人権を守る市民の集い」を開催し、人権啓発優良団体や標語・作文の優秀作品の表彰を行うとともに、『からあげビーチ』著者のキリーロバ・ナージャ氏を講師としてお迎えし、「からあげが多様性の教科書!?前代未聞の勉強会」と題して、からあげを題材に食の多様性、人の多様性について講演をいただきました。
次に中津日田地域高規格道路についてです。
9月11日に本耶馬渓町の三光本耶馬渓道路の跡田トンネル工事現場において、貫通式が執り行われました。このトンネルの貫通により、国直轄事業で整備されている三光本耶馬渓道路全てのトンネルが貫通しました。
また、9月2日には大分県知事へ、10月25日、26日には国土交通大臣、財務大臣等に対し、直接、早期完成に向けた整備中区間の事業促進、三光本耶馬渓道路の田口インターチェンジから青の洞門・羅漢寺インターチェンジまでの来年度の早い時期での開通などを要望しました。
次に、あらゆる主体との連携についてです。
10月6日、富国生命保険相互会社大分支社と、子育て支援や健康増進、女性活躍推進など幅広い分野で連携を進めるため、包括連携協定を締結しました。
また、株式会社エスプールグローカルと「デジタル技術を活用した行政サービス向上」、「自治体業務の効率化」に関する包括連携協定を締結し、各種オンライン申請を代行するデジタル窓口の実証実験を進めています。デジタル機器をうまく使えない方に利便性を体感してもらうため、オンライン申請をオペレーターが代行するサービスを市内2か所で行っています。実証実験により得られたデータや利用者からの意見は、今後の行政サービス向上のために活用していきます。
9月22日、7月に入会した渋谷キューズにて、遊休不動産の利活用をテーマにワークショップを開催し、現地、オンラインで多くの方に参加をいただきました。実際に担当職員がキューズに赴き発表を行い、山国や耶馬溪の遊休不動産ともオンラインで繋ぎ、利活用について活発な意見交換をしました。また、ワークショップをもとに11月27日~29日に現地見学ツアーも行われています。渋谷キューズを地域課題解決に向けた共創の場として活用していくとともに、多種多様な企業・大学等と交流し、職員の人材育成の場としても活用していきたいと考えています。
以上をもちまして、報告を終わります。
議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。