公開日 2023年02月08日
成人となる年齢が、民法改正で20歳から18歳に下げられましたが、中津市では「二十歳式」として実施しました。晴れ着姿の若人は清新で華やか、見ているとうらやましく期待感が膨らみます。式は中高校生からなる耶馬溪ジュニア・ボランティアリーダーの手話コーラスで始まり、二十歳を迎えた参加者が実行委員となって手作りイベントを進めます。
最近、若人の集まりに参加すると、つい自分たちが大人になった時代と現代を比較します。なにせ半世紀前のことですから、あらゆる技術が進歩し便利になった今とは生活模様が大きく違います。私は、1年に260万人以上が生まれた団塊の世代の少し後の世代、成人を迎えたのは経済が高度成長から安定成長に入った頃です。「終身雇用」「年功序列」など日本型経営が強みを発揮し、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(エズラ・ヴォ―ゲル氏のベストセラー著書)に象徴されるように、日本人の学ぶ習慣と日本特有の経済・社会制度が高く評価されていきました。
現在は、グローバリズム、デジタル技術やバイオ技術の進歩、AIの躍進、多様性と個性化などを背景に、あふれんばかりの情報、モノ、サービスの提供がなされ、生活は格段に多様化しています。我が国は、気候変動などによる地球環境の変化の中、少子高齢化、人口減少、低成長経済など、成熟社会の課題を抱え、世界各国と共にSDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みを加速せねばなりません。若者の物的消費志向が弱まり、「モノからコトへ」と夢の持ちようも変わってきていると言われます。
しかし、いつの時代も変わらないのは、未来社会を築くのは若者であること、そして戦争のない平和な世界への願いです。昨年生まれた初孫を抱いていると、歴史を踏まえ未来を見据えた「人類の英知」に期待を高めるばかりです。
(市報なかつ令和5年2月15日号掲載)