公開日 2023年02月20日
子どもの頃、海に近かった我が家の食卓は、毎日といってよいほど地元で獲れた魚料理でした。「ハモにベタ アサリ キヌガイ ワタリガニ ダイガン セイゴ メゴチ シャコ…」と限りなく、早朝水揚げされたいろいろな地魚類を行商の人たちが籠に入れて売りに来ます。買った魚は、その場で捌いて調理用に仕上げてくれるのです。
ベタの煮つけやキヌガイの刺身が私の大好物、こんな地元海産物の食生活に慣れた若者が京都に下宿するようになると、中津で獲れる多種の新鮮な魚が恋しくてたまりません。さらに、いつも身近にあった魚のハモが、京の夏を彩る名物料理で、信じられないほど高価で重宝されていることに驚かされ、中津のハモの価値を見直しました。
最近、魚を扱うテレビ番組が人気です。昨夏に『ウオカツ!「豊前海のハモを応援!」』が放映され、その続編イベントとして、1月「ウオカツ!スペシャルトークショー・イン中津市~豊前海の魚を食べよう~」をNHK福岡・大分の両放送局と中津市で開催しました。番組レギュラーの大学教授大富潤さん、中学生の魚博士伊藤柚貴さん、地元大分在住の俳優財前直見さんの3人が、豊前海のすごさ、魚事情、中津人の魚食文化をユーモアあふれる掛け合いで紹介してくれました。地元の漁家の皆さんや飲食業組合の皆さんも出演、ハモ骨切りの見事な技を披露、カキ「ひがた美人」など中津の食の魅力を熱弁、入り口ではハモ料理を振る舞い、中津を強烈にアピールしました。
中津市は、耶馬渓の森、山国川の水、そして日本三大干潟のある豊前海と、豊かな山の水が川を下り豊かな海を育んできました。漁獲高の減少と後継者不足が課題ですが、地元産の海の幸、大いに「いただきます!」
- 漁師さんの朝市・小祝漁港
(毎月第1・3日曜日開催)
(市報なかつ令和5年3月1日号掲載)