公開日 2023年04月11日
昨年秋、ジャガイモと玉ねぎの苗を植えつけました。山国町の農業公社製のたい肥を散布して耕し、あらかじめ土づくりに精出します。化学肥料は追肥以外は使いません。
ジャガイモは、葉や茎も緑できれいな花を咲かせます。冬になると寒さのため枯れてしまい、土中の様子は想像するだけです。多品種がある中、キタアカリ、アンデスレッド、デストロイヤー(正式名グラウンドペチカ)の3種に挑戦。色、味、形などそれぞれ特徴があります。最近好評なのがデストロイヤー。50歳以上の方なら知っている覆面プロレスラーの名が由来のようです。表面の芽の周りの色が薄く覆面を被った顔のように見えて、収量は多くないものの、おいしいのです。
玉ねぎの方は小さな早生苗でした。冬場を迎え緑の葉はなかなか大きくなりません。それでも2回の積雪など寒をものともせず耐え抜き、3月になり日光が当たり気温が上がるにつれ、勢いづいて伸びはじめます。しだいに地上部に白い本体を現しますが、食する大部分は土の中に隠れたままです。
両野菜とも冬越えで順調に育っているのか心配です。掘ってみるまで形も大きさもわかりません。それゆえ、土の中から立派な作物が収穫できると本当にうれしくなります。
野菜には、トマトやピーマンのような「地上型」とジャガイモや玉ねぎのような「地中型」とがあります。人間も同じで、積極的で常に目立つ雄弁タイプと、一見控えめで地味だが知識や能力は負けず、必要な時に実力を表わす寡黙タイプがいます。どちらかが優れているというわけではなく、組織や社会には両タイプの人材がいて成り立っています。大切なのは、双方が適材適所で実力を発揮することです。野菜に例えて悪いのですが、あなたはトマト派ですか、ジャガイモ派ですか。
- ジャガイモのデストロイヤー
(市報なかつ令和5年4月15日号掲載)