公開日 2023年06月12日
令和5年第2回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告等を行います。
まず、新型コロナウイルス感染症についてです。
5月8日より新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザなどと同等の5類に変更されたことに伴い、各種イベントの再開など、コロナ禍前の日常を取り戻しつつあります。5類移行後につきましても、依然として感染リスクや高齢者等の重症化リスクがあるため、換気や手洗い等の基本的な感染対策に引き続きご協力をお願いいたします。
また、ワクチン接種については、5月8日から、65歳以上の方、基礎疾患をお持ちの方等を対象にオミクロン株対応ワクチンの追加接種を開始しました。ワクチンには重症化予防効果が期待されますので、重症化リスクの高い方々へは引き続き接種を呼び掛けてまいります。
次に、物価高騰に対する市民、事業者の方への支援についてです。
食費等の物価高騰に直面する低所得の子育て世帯を支援するため、児童1人あたり一律5万円を支給する「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」の支給を5月22日に開始しました。5月末時点で1,207世帯に1億690万円を支給しています。
事業者への支援については、物価高騰等の影響を受けている市内の中小企業者や貨物運送事業者の経営安定化を図るため、がんばる中小企業者等応援金として382件、貨物運送事業者等支援金として84件の支援金を交付しました。
市民、事業者双方への支援としては、第6弾中津市プレミアム付商品券を発行し、発行総額7億8千万円を完売しました。
また、学校給食においても、物価高騰の影響を給食費に転嫁させないための補助事業を行っています。
次に、災害に強いまちづくりに関する取組みについてです。
耶馬溪町金吉地区山地崩壊災害から5年が経過しました。4月11日は、この災害の記憶を風化させず、また、災害への備えの決意を新たにする「4.11中津市の防災を考える日」としています。当日は、「歌う防災士しほママ」こと柳原志保さんによる防災講演会を開催し、母親目線、日々の暮らし目線での災害への備えを、分かりやすく伝えていただきました。
5月9日には、令和5年度九州治水期成同盟連合会の定期総会が中津市で開催され、九州各地の市町村長49名、国土交通省から36名など、約120名が参加しました。近年の異常気象による災害防止対策など、流域治水に関する事業の整備促進を強く要望するよう決議しました。
また、5月24日には、山国川圏域大規模氾濫減災協議会及び山国川圏域流域治水協議会が開催され、国土交通省や大分県、福岡県、気象庁などとともに、山国川氾濫への備えや減災のための対策について協議しました。
次に、住環境の整備についてです。
4月より、空き家バンクの対象地域を市内全域に拡充しました。これまでは過疎対策として旧下毛地域で運営してきましたが、今後は市全域を対象として、空き家の利活用についても推進してまいります。これにより、空き家の増加を抑制し、維持管理が不適切な空き家の解消に努めてまいります。
次に、企業立地についてです。
昨年8月に立地表明がありました株式会社KOTANIの永添新工場の起工式が3月13日に行われました。さらに同社から4月26日に新たな立地表明書が提出され、半導体需要の増大による増産体制の整備のため、三光森山にある第二工場内にセラミック部品の加工設備を増設します。設備投資額8,400万円、新規雇用者5名、令和5年7月の操業開始を予定しております。
また、5月23日に株式会社耶馬溪製作所の増設報告会が行われました。産業用新型ブレーカ製造機械設備を増設し、設備投資額1億7,000万円、新規雇用者8名を予定しております。
旧下毛地域での企業の増設により過疎地域の活性化につながるものと期待しております。引き続き市内全域での企業活動を支援してまいります。
次に、高付加価値化の取組みについてです。
地域資源を活用した6次産業品の推奨品として、新たに火水風土(かみふうど)の「自然栽培の小麦粉加工品」と北曽木椎茸農園の「原木乾椎茸加工品」が追加され、「なかつブランド」の認証は合計24事業者34件となりました。これらの商品は、トップセールスをはじめとした市内外に向けた発信を通して、広くPR及び販路開拓に取り組んでおり、最近では、4月5日から5月31日の間、NEXCO西日本が別府湾サービスエリアで開催した「大分県北部地区六次化商品フェア」にて販売を行いました。
この他にも、市内事業者が三光桃のつぼみのエキスから化粧水を開発するなど、地域の素材を活かした特色と魅力のある商品が次々に完成しています。
次に、観光振興についてです。
3月1日から4月30日の間、日本遺産「やばけい遊覧」の8つのストーリーを体験できるプログラム「やばはく(春)」が開催されました。中津・玖珠の春を自然・歴史と共に感じることができるトレッキングやサイクリング、また宿泊型のプランなど合計23のプログラムに延べ3,566名の方が参加し、過去最多の参加者数となりました。
また、3月7日に中津市歴史博物館で名勝耶馬渓指定100周年を記念して「~新たな100年を歩む~やばけい未来スタートアップセレモニー」を開催し、100周年をお祝いするとともに、関係者の方々が、名勝耶馬渓を守り伝えていく決意表明を行いました。
4月4日、TOSテレビ大分「ゆ~わくワイド&News」にて、「ゆ~わく特派員+」の優勝表彰式が行われました。中津市と宇佐市が「チームNASA」として1年間共に情報発信を行ってきた結果、視聴者の皆様から多くの「いいね」を集め、見事優勝することが出来ました。今年度は、優勝賞品の「ゆ~わくワイド」全編放送権を活用し、更なるPRを行います。
5月10日には、令和6年4月から開催される福岡・大分デスティネーションキャンペーンに向けた「全国販売促進会議」が別府市で開催され、中津耶馬渓観光協会と共に旅行事業者との商談や観光PRを行いました。翌日11日にはエクスカーションが行われ、参加した旅行事業者に中津の観光地や観光素材のPRを行いました。
次にインバウンドについてです。
4月18日より、5日間に渡り、台湾から約500名のツアー客を受け入れました。このツアーは、昨年12月に台湾で開催された大分県単独商談会にて、中津市をPRした成果であり、参加者の方にはサイクリングと溪石園の散策を楽しんでいただきました。
また、6月3日には、台湾の台中市で自転車カーニバルイベントが開催され、市及び中津耶馬渓観光協会などが参加しました。今回のイベント参加は、台中市から「サイクルツーリズム及び観光友好交流の促進に関する協定」に基づいて招待を受けたもので、現地では、中津市のサイクリングロードや観光情報などのPRを行いました。
次に、「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
4月24日より、福澤記念館において、「諭吉が描いたスウィートホーム-リニューアル開館特別展示-」を開催し、全国初公開となる福澤諭吉自筆原稿「衛生論」や福澤桃介の羽織などを展示しています。
5月15日には、中津市が監修・協力した、福澤先生の偉業や教えを分かりやすく学べる読本「月刊Newsがわかる特別編 福沢諭吉がわかる」が、毎日新聞出版株式会社から発売されました。
また、プロジェクトの一環として、ソフトバンク株式会社と連携し、8月に高校生を対象とした人材育成プログラム「CREATIVE CAMP 2023 in Nakatsu」を開催します。若者が動画制作・編集スキルを学びながら、地元の魅力を発信する動画を制作するプロジェクトで、全国の自治体に先駆けて第1回を中津市で開催できることとなりました。最先端の技術を有する大手企業との協働プロジェクトであり、グローバル時代に活躍できる人材の育成につなげていきます。
4月21日には、JR中津駅ラッピング・福澤先生肖像看板完成記念式典が中津駅で行われ、駅の入り口やプラットフォームに飾り付けた福澤先生のラッピングと、乗り場から見えるサンリブ中津壁面の肖像看板がお披露目されました。中津観光の玄関口である中津駅から福澤先生の顕彰やプロジェクトを広くPRしていきます。
これらの事業は、様々な関係者の協力によるものであり、引き続き"オールなかつ"で取り組みます。
次に、スポーツ振興についてです。
3月18日、令和3年8月豪雨災害により被災し、全面改修を行った三光総合運動公園多目的広場陸上トラックの完成お披露目会を執り行いました。式典終了後には競技場を活用した記録会も行われ、また、式典に合わせて中津市陸上競技協会から中津市へのクロスカントリーコースの引渡し式も行われました。
4月29日には、第33回八面山平和マラソン大会が開催され、あいにくの雨にもかかわらず、約500名の参加者がややま路を走り抜けました。
5月27日には、民間団体の主催で「OITA夢プロジェクト DREAMスポーツDAY in中津」が開催され、親子スポーツ体験会とともに、サッカー、野球、バレー、ラグビーなど世界で活躍したアスリートによるスポーツ教室が行われ、子どもたちに夢を与える取組みとなりました。
また、5月28日には、三光総合運動公園にて第1回大分インクルカップが開催され、障がいの有無にかかわらず、多くの参加者がフットボールを通じて交流しました。このような交流が、お互いを理解し、共に助け合う共生社会に向けた力になると期待します。
また、ネーミングライツについては、4月27日に永添運動公園のネーミングライツスポンサーとして株式会社ディーアクトと協定を結び、愛称は「ディーアクト(D-ACT)スポーツパーク永添」と決定しました。この協定によって、より多くの方に施設を認知・利用していただくことを期待しています。
昨年度改修工事を行った「やばすぽ」が、全国初の簡易宿泊機能を備えたB&G海洋センターとして、宿泊営業を開始しました。市内外のスポーツクラブ等の利用や地域住民の健康づくりの拠点として、より多くの方に親しんでいただきたいと思います。
また、ダイハツ九州スポーツパーク大貞内のスケートボードエリアが3月25日にプレオープンし、スケートボード愛好者が「滑り初め」を楽しみました。本年度スケートボード用のセクションを設置し、グランドオープンする予定です。
今後ともスポーツに親しむ環境を確保し、市民の皆様の健康増進やふれあいの機会を提供できるよう努めてまいります。
次に、歴史と文化の伝承についてです。
4月9日に、鎌倉時代より続く伝統行事で、大分県指定無形民俗文化財の「桧原マツ」が開催され、4年ぶりに一般の方々に公開されました。
また、2023年の「ダイドーグループ日本の祭り」に中津祇園が選ばれ、ドキュメンタリーがBS放送で全国に発信されるとともに、OBS大分放送でも放映されることになりました。中津祇園についても、4年ぶりに従来規模で実施されることが決まり、コロナ禍前の賑わいが戻ってきます。
また、昨年度末に行った長者屋敷官衙遺跡の周辺調査で、四面廂建物という格式高い大型の建物跡が発見されました。全国的にも大変貴重な発見で、下毛郡衙の主要施設である可能性が高く、メディアでも大きく取り上げられました。3月18日には一般の方を対象に現地説明会を開催し、約150人の方にご参加いただき、関心の高さが窺えました。引き続き、周辺を含めた調査を行ってまいります。
次に、「環境共生都市なかつ」の実現に向けた取組みについてです。
ごみの減量・資源化を更に推進するため、4月1日からこれまでの容器包装プラスチックに加え、新たに製品プラスチックを資源プラとして収集を開始しました。市民の皆様のご協力により、資源プラの分別収集も徐々に定着しつつありますが、まだ燃やすごみの中には資源化できるものが含まれているため、引き続きごみを含めた環境問題についての啓発に取り組んでまいります。
また、5月27日には、恒例となっている中津商工会議所主催の市内観光ルート清掃活動が行われました。市民・事業者など子どもから大人まで幅広い年代約340名もの方がボランティアとして参加されました。一人ひとりが環境のことを考え、行動する、このような活動の広がりが非常に重要であると考えています。
6月9日には、2050年までに二酸化炭素実質排出ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を目指すことを表明しました。地球温暖化対策に積極的に取り組み、脱炭素社会の実現に向け、市民、事業者、行政が一体となった取組みを推進してまいります。
次に、インフラの整備・維持についてです。
中津日田地域高規格道路について、田口インターチェンジの工事が3月で完了するなど、田口インターチェンジから青の洞門・羅漢寺インターチェンジ間の今年度開通に向けた準備が着々と進んでいます。その他の区間についても、要望活動の成果もあり着実に整備が進んでいます。6月2日には中津市と日田市の関係者で佐藤新知事へ中津日田地域高規格道路の重要性と早期整備を要望してまいりました。今後も一日も早い全線開通に向け、国・県への働きかけを行ってまいります。
また、3月31日に「中津市立地適正化計画」を策定し、公表しました。人口減少や少子高齢化、自然災害の激甚化などの社会変化に対応し、持続可能で暮らしやすいまちを構築するため、公共交通と連携した「コンパクト プラス ネットワーク」のまちづくりを進めてまいります。
次に、あらゆる主体との連携についてです。
味の素や立命館アジア太平洋大学の学生団体などと連携し、未収穫農作物の収穫を通したフードロス削減や地産地消を応援する「産官学民連携型サーキュラーエコノミー開発」企画の実証実験を、昨年に引き続き実施しました。今年度は、立命館アジア太平洋大学に加えて、九州大学、大分大学、別府大学にも参加いただきました。学生自らが収穫・加工したタケノコは、大分県内のトキハインダストリー23店舗で販売するとともに、6月7日からは新たに東京の伊勢丹新宿店でも販売され、私自身もトップセールスを行いました。
4月25日には、日本文理大学と包括連携協定を締結しました。これまでの連携を充実させ、地域課題の解決や将来地域で活躍できる人材の育成などに取り組んでまいります。協定に基づく取組みとして、5月20日、21日に、三光八面山振興についてのフィールドワークを実施しました。
また、5月26日に、株式会社イズミと包括連携協定を締結しました。この協定により、市民の健康づくりに係る取組みを始めとした、様々な連携事業を行ってまいります。
企業版ふるさと納税について、株式会社KOTANIと株式会社中西製作所から制度を活用した寄附をいただきました。いただいた寄附については、子育て支援や人材育成に活用してまいります。
5月20日、東京都にて、第24回在京中津会が多くの中津市出身者、関係者の出席のもと、4年ぶりに開催されました。私も職員とともに参加し、ふるさと納税や6次産業品、観光などのPRを行ってまいりました。
今後も、中津市を応援してくださる様々な主体とのつながりを大切にしつつ、新たな連携に繋げるなど、効果的な市政の推進を行ってまいります。
3月29日には、九州周防灘地域定住自立圏共生ビジョン懇談会を開催し、圏域全体で増加している外国人住民の対応など、各地域の課題や今後の取組みなどについて話し合いました。定住自立圏の中心市として、今後も圏域全体の発展に努めてまいります。
以上をもちまして、報告を終わります。
議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。