公開日 2023年07月26日
7月の豪雨、福岡県から大分県にかけての線状降水帯の発生によるものです。被災翌日、現場を回りました。平成24年の1週間おきで2度にわたる九州北部豪雨の襲来時を思わせるような光景で、自然の猛威を思い知らされました。お一人が亡くなられました。ご冥福をお祈りします。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
この10年ほど、集中豪雨は、いつどこを襲うかわかりません。気象庁も予報で「数十年に一度の経験したことのないような雨」という表現がたびたび使われる気象状況が生じています。このような場合、豪雨前の安全な場所への避難が最も大切です。ただ、予報は外れることもあり、人間の心理には「今までの経験から自分の所は大丈夫だろう」と希望的に考える傾向があるそうです。
「最悪に備え、最善を尽くす」が行政の行動原則です。気象庁から各種警報が出ると、最悪の場合を想定し行動するよう対処します。まずは「人命第一」、避難所を開設、避難指示など適切な対応を市民の皆様にお伝えします。大事に至らず、いわゆる「空振り」になることもありますが、今回のような豪雨の場合、避難が命の存否を決します。山国町槻木の避難者の方は、「生まれて初めて木が立ったまま流れるのを見た」とその恐怖を語ってくれました。市民の皆様には豪雨時「逃げるに勝る方策なし」、常に命を守るため「避難ファースト」をお願いします。
災害後は、復旧・復興です。被災直後に「災害救助法」の適用を申請し、即日適用されました。被害状況を調査・把握し、災害に関するあらゆる事業の適用を図り、被災者支援と公共の災害復旧事業を進めます。堤防嵩上げなどの対策が効果を発揮したものの、線状降水帯が直撃した場合の内水氾濫、「流域治水」の考え方でさらに強化した復旧に全力を尽くします。
(市報なかつ令和5年8月1日号掲載)