令和5年第4回定例市議会の行政報告

公開日 2023年11月28日

 令和5年第4回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告を行います前に、今後の市政運営についての私の考え方についてご説明いたします。

 このたび、引き続き3期目の市政運営を担わせていただくことになりました。その重責に改めて身の引き締まる思いです。市民の皆さまの思いをしっかりと受け止め、全力で務めてまいります。

 これまでの2期8年間は、「みんなでつくる暮らし満足No.1」を目標に掲げ、安心・元気・未来・連携と結集の4つの柱で市政を進めてまいりました。次の4年間もこの基本的な考え方に立ち、めまぐるしく変化する時代の潮流を捉えるとともに、市民の皆さまの様々なご意見等も踏まえ、着実に市政を進めていく所存です。
そのためにも、これまで以上に現場に出ることなどを通して、きめ細かな視点により、市民が暮らしの中で施策の効果である幸せを実感できる市政を推進してまいります。
 具体的な取り組みとしては、7月の豪雨災害の早期復旧、近年、頻発化・激甚化する災害への備え、物価高騰、人口減少と少子高齢化の進展、中山間地域におけるコミュニティや生活の維持と活性化、自治体DXの推進など、地方が直面している課題にしっかりと取り組んでいかなければなりません。
 市を取り巻く課題は年々複雑多様化しており、これを解決するためには、国や県、近隣自治体と連携するだけでなく、市民団体、企業や事業所、大学等の教育機関など、あらゆる主体と連携・協働し、中津の持つ強みや資源と中津に関わる多くの方々の力を総結集して取り組むことが重要です。
様々な課題が山積しておりますが、ふるさと中津の発展に向けて、一歩一歩着実に取り組んでまいりますので、議員の皆様方におかれましては、今後とも、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、行政報告等を申し上げます。
 まず、物価高騰に対する支援についてです。
 電力・ガス・食料品等の価格高騰への対応として、特に影響を受ける住民税非課税世帯等に対する3万円の給付金につきましては、9月13日から支給を開始し、11月17日までに、11,755世帯に3億5,265万円を支給しています。
また、地域経済再活性化・生活者支援では、第7弾のプレミアム商品券を発行し、発行総額10億5,636万7千円を販売しました。これにより、第1弾からの累計発行総額は約71億2千万円となりました。

 次に、子育て支援の充実についてです。
 8月28日に、大分県及び県下18市町村による「こどもまんなか応援サポーター合同宣言」を行いました。地域の宝である子どもたちが幸せで健やかに成長できるような社会の実現を目指します。市民の方々にもサポーターへの就任を呼びかけており、社会全体で「こどもまんなか社会」を実現する機運醸成に取り組みます。

 次に、企業立地についてです。
 9月11日、株式会社積水化成品大分から立地表明書が提出されました。食品トレーの材料を生産するための機械設備を充実し、生産能力の向上を図ります。設備投資額11億円、新規雇用者数5名、令和6年5月の操業開始を予定しています。
 また、9月19日には、有限会社美健コーポレーションから、ゆず、かぼす果汁の需要拡大を受けた果汁製造設備増強のための立地表明書が提出されました。設備投資額4千万円、新規雇用者数1名、本年12月の操業開始を予定しております。
 さらに、11月20日、大分県庁においてグリーンコープ生活協同組合連合会の立地表明式が行われました。産直のびん牛乳製造工場延べ7千平方メートルを山国町宇曽地区に新設し、設備投資額55億円、新規雇用者数22名、令和7年4月の操業開始を予定しております。山国地域では、昭和63年以来、実に35年ぶりの工場誘致となり、同月10日には地鎮祭が行われました。
 また、同日、耶馬溪地域において、広さ約8.3ヘクタール、飼養数1,000頭規模の酪農場整備の地鎮祭も行われました。山国町のびん牛乳製造工場に生乳を供給するもので、これらはともに人口減少の大きい中山間地域での立地であり、乳牛の飼育から牛乳の製造までを一貫させた酪農事業の連携により、旧下毛地域の活性化や第一次産業の振興につながるものと大いに期待しています。 

 次に、産業支援についてです。
 10月4日から11月22日まで、「創業・新規事業構築セミナー」を開催しました。起業プロセスを学ぶとともに、受講者間のネットワーク形成も目的としており、平成27年の事業開始からこれまでに20名の方が創業しています。
 また、9月20日から3月31日まで「arch女性起業家支援事業」を開催しています。女性起業家の育成を目的とし、参加者がいつでも希望する時間に受講できるオンライン講座も取り入れ、参加者に寄り添ったセミナーを実施しています。平成30年の事業開始からこれまでに5名の方が創業しています。
 10月22日に、外国人の技能実習生等を対象に、地域のことを深く知っていただくための体験バスツアーを開催しました。今年は、市内で働く4か国19名に参加いただき、市内の観光地の見学や、なかはくでの勾玉づくりなどを体験しました。
 9月28日、中津市シルバー人材センターの設立30周年記念式典が開催されました。高齢者が生きがいを持ち、地域社会で活躍できる機会を提供するとともに、様々な分野で地域を支える機関として、今後、更なる発展が期待されます。

 次に、地域コミュニティの活性化についてです。
 今年度新たに創設しました中山間地域活性化支援事業補助金について、10団体に対して交付決定を行い、事業がスタートしています。内容としては、イベント等への支援では、八面山で山に関わる仕事や文化に触れるフェス開催事業など7件、継続型への支援では、移住支援事業など2件、地域資源を活かした提案型事業への支援では、山国の商店街の空き家を活用した交流の場等創出事業の1件となっています。旧下毛地域の方々が主体となって取り組む活動を支援することで、交流・関係人口の創出や地域活性化に繋げてまいります。
 また、旧下毛地域をはじめ市内の各地域で、マルシェなど人が集まる催しが行われています。子どもから高齢者まで多くの方々で賑わうイベントが、地域の活性化やコミュニティ強化に繋がることを期待します。

 次に、高付加価値化の取組みについてです。
 地域資源を活用した6次産業品の推奨品として、今回新たに3事業者3件が追加され、推奨品の認証は25事業者37件となりました。9月30日には、友好都市太宰府市で4年ぶりに開催された「太宰府市民政庁まつり」に参加し、推奨品の販売・PRを行いました。引き続き、魅力のある商品開発への支援と、市内外への情報発信・PRを通した販路開拓に取り組みます。
 11月26日に、魚市場、漁業者、仲買人、飲食業組合との共同で「市民おさかな感謝デー」を開催しました。会場では、海産物などに加え農産物の販売やイートインコーナーも設置し、多くの来場者で賑わいました。

 次に、観光振興についてです。
 秋の行楽シーズンを迎え、約8万人が来場した「三光コスモス園」や、4万人以上が来場した「からあげフェスティバル」など市内各所で様々なイベントが行われ、市内外から多くの方々に訪れていただきました。
 9月24日には、4支所合同イベント「しもげ大軽トラ市」を開催しました。7月の豪雨災害により大きな被害を受けた「しもげ地域」を応援するイベントとして実施し、約30店舗の出店と多くの方々の参加で大いに賑わいました。
 また、豪雨被害を受けたメイプル耶馬サイクリングロードが仮復旧し、10月7日からは、中断していたスタンプラリーイベントも再開しています。
 10月1日には、三光地域、本耶馬渓地域、耶馬溪地域を舞台にしたサイクルイベント「第1回ツールドやばけい」が開催されました。全国各地より6歳から82歳まで幅広い年齢層の200人を超える参加があり、サイクリングと地域のグルメを楽しみました。
 山国地域では「やまくにフェスティバル」と名付けて、10月14日から11月26日に亘って様々なイベントを開催しました。地域の方が主役になる「ふるさとまつり」やスポーツイベント、ハロウィンイベント、案山子の展示、さらにダンスコンテストなどが実施され、多くの方々が山国を訪れました。
 10月21日から10月29日には、近隣7市町との合同イベント「県境をこえて電車でハロウィン」を開催しました。また、関連イベントとして、日之出町商店街ではサンライズフェスティバルが開催されました。
 11月13日には、クルーズ船「にっぽん丸」が7年ぶりに中津港に寄港し、374人の乗船客が港での歓迎イベントとともに、一目八景の紅葉や中津城などを見学するツアーを楽しみました。
 9月2日から11月3日にかけて、日本遺産やばけい遊覧博覧会、「やばはく2023秋」が開催されました。日本遺産に認定された耶馬渓エリアを中心に、トレッキングやサイクリング、かぼすシロップ作りなど、23の体験プログラムが実施され、県内外から2,206名が参加しました。
 また、10月26日からの4日間、大阪でツーリズムEXPOジャパンが開催されました。全国、そして世界各地から旅行事業者や一般客など4日間で14万8千人が来場しており、中津市も日本遺産「やばけい遊覧」を中心に、市の魅力をPRしました。
 さらに、11月4日、5日に東京で開催された日本遺産フェスティバルでも、「やばはく」を中心としたPRや特産品の販売を行いました。

 次に、「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
 10月6日に、プロジェクトの一環として中津三田会主催で「若林鶴雲講談会」が開催されました。10月11日には、約2,000人の市民などによって作られた福澤諭吉先生をモチーフにしたフォトモザイクアートが中津青年会議所より寄贈されました。
 また、10月15日には、慶應義塾大学日吉キャンパスでの「慶應連合三田会大会」に出展し、不滅の福澤プロジェクトをテーマに福澤先生の故郷中津をPRするとともに、6次産業品の販売も行いました。さらに、紅葉シーズンの誘客に繋げるため、東京日本橋で開催された「福澤諭吉の里なかつ逸品SHOP」や、埼玉県深谷市での「渋沢栄一の郷深谷博覧会」、また、三津同盟の島根県津和野町での「秋のつわの・鯉・恋・来いまつり」にも出展し、誘客、PRに取り組みました。
 11月12日には、中津ロータリークラブ70周年記念シンポジウムが行われ、「三津同盟を基軸に福澤諭吉と蘭学・洋学」と題した特別講演が行われました。今後も“オールなかつ”でプロジェクトを盛り上げるとともに、「蘭学・洋学の里中津」としての認知度向上にも取り組みます。

 次に、スポーツ振興についてです。
 9月9日から9月11日を主日程として、大分県民スポーツ大会が開催されました。中津市は相撲競技において3大会連続の優勝、卓球競技において43大会ぶりの優勝、空手道競技において3大会ぶりの優勝を果たすなど多くの競技で好成績を収め、総合5位という結果になりました。
 耶馬溪アクアパークでは、水上スキーなどの各種大会が開催され、熱戦が繰り広げられました。10月7日からアメリカフロリダ州で行われた「世界水上スキー選手権大会」では、耶馬溪アクアパークで育った2名の若手選手が日本代表として出場しました。

 次に、生涯学習・産業教育の推進についてです。
 小幡記念図書館が現在の場所に新築・移転して30周年を迎え、様々な記念行事を開催しました。10月15日には人気絵本作家の長谷川義史さんをお迎えし、講演会とワークショップを実施しました。今後も、「市民の本棚」として、利用者にとってより良い図書館機能の充実を図ってまいります。
 10月1日には、日之出町商店街、新博多町商店街、中津駅において、まちづくり団体とともに、第13回職人フェスティバルを開催しました。企業、団体、商店街の皆様のご協力により、約70もの職人ブースが用意され、参加した約1,000人の子どもたちは大工やお菓子作りなどの体験活動を行いました。

 次に、「環境共生都市なかつ」の実現に向けた取組みについてです。
 脱炭素社会の実現に向けて、9月に中津市脱炭素社会推進事業補助金を創設し、太陽光発電設備や蓄電池、電気自動車の導入に対する補助金を交付しています。また、市役所本庁舎やダイハツ九州アリーナ、小中学校体育館等のLED化も実施しており、行政においても脱炭素の取り組みを推進しています。引き続き、市民、事業者の取り組みを後押しし、中津市全体で脱炭素社会実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、インフラ整備についてです。
 中津日田地域高規格道路について、1日も早い全線開通に向け、9月1日に大分県知事に、10月12日、13日には、国土交通大臣など関係者を直接訪問し、整備中区間の事業促進、未着手区間の早期事業化、道路整備予算の確保を要望しました。また、11月7日には、地元選出国会議員、衆議院国土交通委員長を訪問し、東九州自動車道の早期4車線化について要望しました。今後も、行政・経済界・市民が一丸となって国・県へ積極的に働きかけを行ってまいります。

 次に、あらゆる主体との連携についてです。
 大学等との連携事業として、10月11日に移住定住動画を制作するインターンシップ事業の報告会を行いました。この取組みでは県内の大学から参加した6名の学生が本耶馬渓地域の移住定住促進及び観光PRのためのYouTube動画を制作しました。完成した動画は市のPRなどに活用していきます。
 また、日本文理大学と昨年より取組みを進めている八面山の観光振興について、11月18日、19日に学生が考えたアイデアをもとにしたモニターツアーを実施しました。さらに11月16日には別府溝部学園短期大学と連携し、中津東高校において、若者の「食を選ぶ力」の向上を目的とした体験型食育イベントを実施しました。
 9月26日、中津商工会議所の創立90周年記念式典が開催されました。また、11月3日には、大分県商工会議所青年部、11月9日には、全国中小企業勤労者福祉サービスセンターなど各種団体の式典が市内で開催されています。各団体は、市などと連携し、より良いまちづくりに向けて取組みを進めており、今後更なる発展と連携強化を期待します。
 今後も、大学や民間企業、各種団体等あらゆる主体との連携により、市政の効果的な推進を図ってまいります。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。
 

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