令和6年第2回定例市議会の行政報告

公開日 2024年05月29日

 令和6年第2回定例市議会の開会にあたりまして、行政報告等を行います。

 まず初めに、災害に強いまちづくりに関する取組についてです。
 4月17日に発生した豊後水道を震源とする地震におきまして、被害を受けられた皆様には、心からお見舞いを申し上げます。中津市においては、人的被害はありませんでしたが、大規模災害が発生した場合の対応の重要性を改めて認識したところです。また、この際に、緊急地震速報を誤って訓練放送として放送し、市民の皆様に混乱を招いてしまいました。お詫び申し上げますとともに、管理体制の見直しやシステム対応を早急に行い、現在は適切に情報伝達ができる体制を整えております。
 3月10日に、大分県が主催する「令和5年度防災活動推進講演会」が大分市で開催され、中津市防災士協議会所属の井上元さんが、令和5年の豪雨災害を振り返るパネルディスカッションにて、豪雨時の避難行動の様子や、日ごろの防災活動について発表を行いました。
 3月25日には、令和5年度になかつジュニア防災リーダーに認定された川上創平さんが、東京都で開催された「ジュニア防災検定表彰式」にて、自分が住んでいる地域が被災した経験をもとにした研究発表を行いました。
 また、4月11日を中津市では「防災を考える日」と定め、毎年災害への意識を高める取組を継続しています。防災講演会では熊本地震の際に指揮を執った有浦隆氏を講師に迎え、自身の経験から、災害への備えを分かりやすく伝えていただきました。今後も、市民が安全・安心に暮らせるまちづくりに向け、自助・共助・公助のバランスのとれた防災・減災対策に取り組んでまいります。

 次に、交通網の整備についてです。
 3月24日、地域高規格道路中津日田道路のうち三光本耶馬渓道路の田口インターチェンジから青の洞門・羅漢寺インターチェンジ間5.3キロメートルが開通しました。今回の開通により、災害救助や救急患者の搬送を行う「命をつなぐ道」として安全・安心の向上につながるだけでなく、旧下毛地域と東九州自動車道や中津港とのアクセスが大幅に向上し、物流ネットワークの強化や観光ルートの形成が図られ、地域の発展に大きく寄与することが期待されます。今後も、現在事業中である三光本耶馬渓道路、耶馬溪山国道路、日田山国道路の早期整備を国や県に働きかけ、一日も早い全線開通を目指します。

 次に、物価高騰に対する支援についてです。
 住民税均等割のみ課税世帯への10万円の給付金及び低所得者の子育て世帯への児童ひとりあたり5万円の加算給付金につきましては、令和6年2月19日から対象世帯への支給を開始し、5月16日までに2,750世帯に2億9,015万円を支給しています。
 また、燃油高騰の影響を受ける貨物運送事業者等の支援につきましては、4月末時点における申請受付件数は25件、5月16日までに10件402万5千円を交付しました。

 次に、企業立地についてです。
 3月に3社より立地表明書が提出されました。愛宕自動車工業株式会社は建屋3棟を建設し、主力製品の生産能力拡充を図ります。投資額10億円、新規雇用者数30人、令和8年3月の操業開始を予定しております。ルネサスエレクトロニクス株式会社は車載用半導体向けの設備増強をおこないます。新規雇用者数22人、令和7年3月の操業開始を予定しております。日本通運株式会社は航空貨物の受注拡大に対応するため、荷捌き場を新設します。投資額1.5億円、新規雇用者数1人、令和6年7月の操業開始を予定しております。
 また、4月には、株式会社渡辺製作所より立地表明書が提出されました。新たに建屋を建設し、新部品の生産に取り組みます。投資額2億円、新規雇用者数6人、令和6年12月の操業開始を予定しております。今後も中津市内で投資をおこなう企業の活動を支援してまいります。

 次に、産業支援についてです。
 5月18日、ダイハツ九州アリーナにおいて「中津市企業合同就職説明会」を開催しました。当日は、市内企業52社がブースを設け、市内外の高校生や大学生、一般求職者など235名が参加しました。地元企業へ目を向け、職業への理解を深めていただくため、今後も企業の魅力発信と地元への就職促進を図ってまいります。
 次に、ダイハツ九州大分中津工場において、4月23日より全車種の出荷が再開され、先日、5月27日には生産においても全車種が再開されたところです。地域の基幹産業を担う企業として、今後も安全で高品質なものづくりに取り組んでいただくことを期待します。

 次に観光振興についてです。
 福岡・大分デスティネーションキャンペーンがいよいよ4月よりスタートしました。中津市内においても日本遺産やばけい遊覧を感じる体験プログラム「やばはく2024春」やデジタルスタンプラリーなどの関連イベントを開催しており、さらなる観光誘客を図っていきます。
 また、5月5日には、旧下毛地域を舞台にサイクルイベント「第2回ツールドやばけい」が開催されました。今回は初めて香港、カナダといった海外からの申込があるなど、昨年の約2倍となる409名の参加がありました。
 また、平成29年に中津市と「サイクルツーリズム及び観光友好交流の促進に関する協定」を締結した台湾の台中市より政府訪問団が中津を訪れ、「ツールドやばけい」にも参加しました。台中市のみなさんは、耶馬溪アクアパークでの湖面遊覧体験や本耶馬渓の競秀峰、福澤諭吉旧居・福澤記念館を中心とした城下町の視察などを行い、サイクリング以外にも中津の歴史や文化に触れていただきました。今後も、台中市と相互交流を実施し、台湾からの観光誘客に努めてまいります。

 次に、「不滅の福澤プロジェクト」についてです。
 2月25日、中津文化会館で不滅の福澤プロジェクト特別講演会として磯田道史氏を講師にお招きして、「中津の武将と福澤諭吉を語る」と題してご講演をいただきました。講演前には中津城や歴史博物館など市内を見学されたほか、福澤記念館に福澤先生の次女、房さんの書いた絵を寄託いただきました。
 次に、JR中津駅北口の壁面に、福澤諭吉先生の壱万円札をかたどったタイルアートが設置されました。NPO法人中津まちづくり協議会が市民や中津を訪れた人に郷土の偉人を知ってもらおうと制作されたもので、福澤諭吉先生の生涯年表を記した銅板や著書「学問のすゝめ」の一節を紹介する横断幕も設置されています。
 4月27日、「まち歩きマップ-福澤諭吉が生きた幕末の中津を歩こう-」の完成を記念して、監修に携わった慶應義塾山内慶太教授ご案内のもと、まちづくり団体、観光ガイド団体の関係者を対象としたまち歩きイベントを開催しました。今後、市民向けのイベントの実施のほか、風情ある町並みの保存と賑わいの創出にも力を入れていきます。
 また、7月にお札の肖像が交代することを記念し、5月14日に、壱万円札次期肖像の渋沢栄一翁の出身地である深谷市の小島市長が中津市を訪れ、対談を行いました。明治の激動の時代に輝いた福澤先生と渋沢翁の顕彰に、今後も連携して取り組むことなどを確認しました。7月3日には新壱万円札へのバトンタッチイベントとして、東京証券取引所にて引継式が行われる予定です。

 次に、スポーツ振興についてです。
 北部九州4県で開催される令和6年度全国高等学校総合体育大会において、中津市ではダイハツ九州アリーナと中津体育センターの2会場で男女バレーボール競技が行われます。大会受け入れと市民利用の促進を図るため、メイン会場であるダイハツ九州アリーナの床改修及びLED照明改修工事を行いました。日本全国から中津を訪れる選手や関係者をお迎えできるよう準備を進めています。

 次に、歴史文化の伝承についてです。
 長者屋敷官衙遺跡について、鶴居小学校の児童が考えた「なかつ長者伝説公園」に園名が決定し、3月23日より史跡公園として開放しています。今後は、周辺遺跡を含む「古代ゾーン」の拠点として、遺跡の価値を活かすための整備を行う予定です。古代へ想いを馳せ歴史を学ぶ場として、また、地域の憩いの場として、多くの方に利用していただきたいと思います。

 次に、あらゆる主体との連携についてです。
 2月23日、小幡記念図書館において、一般財団法人未来を創る財団との共催で「教育フォーラムin中津・大分」を開催しました。「学びによる日本の再構築」と題した基調講演と「教育と起業家精神」をテーマとしたトークセッションを行い、日本の社会経済の再構築に向けて教育・人財育成の今後のあるべき方向を来場者及びネットを通じて全国に発信しました。
 また、4月13日、同じく当該財団との共催で、新中津市学校において「学び、考える教育」ワークショップを開催しました。中津市の教育と北欧デンマークの教育について、デンマークの教育専門職の方と来場者44名とが対話する中で学びました。

 次に、大学等との連携事業についてです。
 大分県立芸術文化短期大学との連携では、労働力不足の課題を抱える市内中小企業3社を学生が訪問し、仕事内容、職場の雰囲気や魅力を取材・発信することで企業の知名度向上を図る取組を行いました。企業にとっても、学生の声を直接聞くことができ、今後の採用戦略の改善などに繋がることも期待できます。今後も、大学の知見や若者のアイデアの活用、また、民間企業や各種団体等との連携により市政の効果的な推進を図ってまいります。
 4月1日より、自治体との連携や多彩なイベント開催でメディアにも多数取り上げられている東京都板橋区にあるハッピーロード大山商店街と協定を締結しました。これにより、同商店街が運営するアンテナショップ「全国ふる里ふれあいショップとれたて村」において常設で市産品を販売することが可能となります。今後、同商店街が行う動画配信などを活用したPR、板橋区の学校給食への食材提供やイベント開催などを通じて、積極的に市の魅力発信を行ってまいります。
 3月14日には、九州周防灘地域定住自立圏共生ビジョン懇談会を開催し、次期ビジョン策定に向けて、各地域の課題や今後の取組などについて話し合いました。定住自立圏の中心市として、今後も圏域全体の発展に努めてまいります。

 次に多文化共生・国際交流の推進についてです。
 昨年12月23日にオープンした外国人総合相談センターについては、4月30日までに、17か国の方々から、延べ136件の相談を受け付けています。困りごとを抱えた外国人の方に気軽に相談に訪れてもらえるよう、引き続き周知に努めてまいります。
 3月9日には、韓国晋州市の曺圭逸市長にお越しいただき、友好増進のための相互交流協約を締結しました。また、5月23日には晋州市議会の皆様が市役所を訪問され、友好交流会が行われました。これまで、約50年の長きにわたり青年会議所など、民間での相互交流が続けられてきており、今後、その交流を更に広げ、両都市の共同発展を図っていきます。

 次に、市報なかつの見直しについてです。
 市報は、これまで月に2回発行してきましたが、6月号から月1回発行に変更いたしました。これにあわせて記事の掲載方法の工夫や、文章の読みやすさの観点から、右綴じから左綴じへ変更するなどのリニューアルも行っております。今後も、必要な人に必要な情報をお届けできるよう、市報をはじめ、SNSなど各種ツールを活用した情報発信と、分かりやすい広報に努めてまいります。

 以上をもちまして、報告を終わります。
 議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導ご協力いただきますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

秘書広報課
住所:〒871-8501 大分県中津市豊田町14番地3
TEL:0979-62-9870
FAX:0979-24-7522