公開日 2026年02月17日
本日ここに、令和8年第1回定例市議会を開会し、提出しました令和7年度各会計別補正予算及び令和8年度当初予算のほか、諸議案の審議をお願いするに先立ち、その概要についてご説明申し上げます。
まず、議第1号 令和7年度中津市一般会計第6号補正予算につきましては、5億9,088万8千円の減額で、補正後の予算総額は491億6,035万1千円となります。
主な事業では、国の重点支援地方交付金を活用し、物価高騰の影響を受けている市内の高齢者福祉施設などに対する支援を行います。
また、利用者数の増加による障害者や障害児への給付、公定価格の見直しによる認定こども園等給付費の増額、生活保護基準改定に関する最高裁判決を受け、生活保護法に基づく保護費の追加支給に要する経費を計上しております。
そのほか、事業費の確定や決算見込みによる減額補正などを行っております。
歳入では、地方交付税が、その原資となる国税収入の増加により追加交付が行われたため増額補正をしております。
議第2号 令和7年度中津市国民健康保険事業特別会計第4号補正予算から議第9号 令和7年度下水道事業会計第2号補正予算につきましては、事業費の確定や決算見込みによるものが主な内容であります。
次に、議第10号 令和8年度中津市一般会計予算につきまして、予算編成の基本方針及び施策の概要をご説明申し上げます。
まず、国の令和8年度当初予算案におきましては、令和7年度第1号補正予算と一体として、生活の安全保障・物価高への対応、危機管理投資・成長投資による「強い経済」の実現、賃上げ環境の整備、防災・減災・国土強靭化の推進、子ども子育て政策を含む人口減少対策などを踏まえ編成されており、一般会計総額は122兆3,092億円となっています。
本市におきましては、税収は、令和8年度において、賃上げや物価高を背景に市民税の増収が見込まれ、対前年度比で1.1%の増、122億944万8千円を計上しています。
地方交付税は、その原資となる国税収入が増収の見込みですが、市税なども増収見込みであることから、前年度と同額を計上しております。
その結果、一般財源総額は273億4,211万3千円を計上しており、対前年度比で3.1%の増となっております。
起債の発行額につきましては、建設事業に係る起債の発行額は増加するものの、三口浄水場の整備に係る出資債などの減額に伴い、対前年度比で2.7%の減となり、令和8年度末起債現在高は減少する見込みです。
財政運営にあたっては、「中津市行政サービス高度化プラン2022」に着実に取り組み、持続可能な行財政基盤の確立に努めてまいります。
このような中、令和8年度の予算編成において、まずは、激甚化・頻発化する災害対策として、減災のためのインフラ整備のみならず、自助・共助・公助がバランスよく機能した「災害に強いまち・ひと」の実現を目指す必要があります。
また、国全体が人口減少の局面となっており、地方だけでなく、都市部においても人口減少や高齢化が加速していくことが見込まれている中で、中津市においては、社会増などにより人口減少の幅が比較的緩やかとなってはいるものの、行政運営はもとより、地域コミュニティ、産業など、社会経済全般にわたり影響を及ぼすものです。そのため、人口規模が縮小しても、社会の変化へ適応し、住民の暮らし満足向上、持続的な発展を支える取り組みを進めていく必要があります。
令和6年度を「中津の人づくり元年」と位置付け、これまで、中津市の「学び」の土壌を豊かにし、未来に向けて“ひと”と“まち”がともに発展していくまちづくりの推進に努めてきました。令和8年度は「学びの里なかつ」のさらなる推進のため、「新たな学び」や「誰もが輝く学び」に資する事業の展開を図ってまいります。
このように、人口減少や物価高騰などの社会変化への適応が求められるなか、しっかりと基盤強化を図り、多様な主体と連携し、住民のWell-beingの向上、地域経済の好循環へとつなげていくため、令和8年度当初予算編成においては、「未来へつなぐ『地力』と『進化』」をテーマに、防災・減災、物価高騰対策、少子高齢化対策、子育て支援、若者や女性への支援、地域経済の好循環、GX・DXの推進など、様々な施策を盛り込んだところです。
以上の方針のもと、令和8年度一般会計当初予算の規模は、対前年度比で3.4%増の490億4,662万1千円となり、当初予算として5年連続で過去最大の予算規模となっております。
以下、「なかつ安心・元気・未来プラン2017」の施策の大綱となる「安心づくり」「元気づくり」「未来づくり」の3つの柱に沿って新規・拡充施策を中心に、予算の概要についてご説明申し上げます。
1つ目の柱、「安心づくり」です。
まず、「災害に強い安全なまちづくり」についてです。
災害の激甚化・頻発化に対応するため、さらなる防災・減災対策にソフト、ハードの両面から取り組みます。旧下毛地域の家庭に設置している災害時の告知放送端末について、経年劣化のため順次交換を行ってまいります。
また、豪雨時の浸水被害対策として、可搬式排水ポンプを購入し、下水道事業会計では角木雨水ポンプ場の整備を進めていきます。
次に、「地域医療・救急医療体制の確保」についてです。
令和7年4月に地域救命救急センターの指定を受けるなど、大分県北部医療圏の中核病院としての役割を担う中津市民病院への一般会計負担金などを計上しております。
次に、「健康寿命延伸・予防医療の取組み」についてです。
高齢者の健康相談や健康教育を積極的に実施する「保健事業と介護予防の一体的実施」につきまして、保健師を増員して、フレイル対策や疾病予防対策をさらに強化します。
次に、「「安心」で繋ぐ地域づくり」についてです。
引き続き、田舎困りごとサポートの取り組みを進め、多方面から地域の見守り体制を維持します。
また、防犯対策の強化として、中津駅周辺に設置している防犯カメラを増設します。さらに、重点支援地方交付金を活用し、家庭の防犯カメラ設置費用に対する助成を行い、安心して暮らせるまちづくりの取組みを推進します。
次に、「誰もが生き生きと暮らせるまちづくり」についてです。
引き続き、週一体操やサロン活動などの地域交流に対する支援を行い、高齢者の社会参加、生きがいづくりを促進します。
また、多文化共生社会の実現のため、外国人居住者の暮らしの困りごとに対応する総合相談窓口による支援や、地域での異文化相互理解や交流促進などの取組を行います。
次に、国は労働施策総合推進法を改正し、カスタマーハラスメント対策の強化を進めており、本市においても、誰もが安心して働き、事業活動ができる環境を確保し、市民生活の向上、市内経済の発展を促すため、本議会において、「カスタマーハラスメント防止条例」を提案しています。
同条例の制定に合わせて、市民等からの相談に応じる体制整備や、啓発に係る経費などを計上しています。
次に、「地域コミュニティの活性化」についてです。
中山間地域の活性化として、地域住民や団体等が主体となって行う地域活性化の取り組み等に対し、引き続き支援を行います。
また、旧下毛地域での創業や事業承継に対して支援を行い、後継者不足による廃業防止や地域産業の活性化を図ります。
次に、「みんなが子育てしたくなるまちづくり」についてです。
小・中学校などの給食費につきましては、物価高騰の中、子育て世帯を支援するため、小・中学校などに通学する子どものうち、第2子以降に係る給食費をこれまで無償としてきました。
小学校の給食費につきましては、抜本的な負担軽減として、令和8年度から国の支援が行われますが、国の基準額を上回る分につきましても、重点支援地方交付金を活用し、すべて無償とします。
さらに、中学校、幼稚園、保育所等の給食費につきましても、重点支援地方交付金を活用して、無償とし、物価高騰下における子育て世帯の経済的負担のさらなる軽減を図り、こどもを産み育てやすい環境づくりを進めます。
次に、放課後児童クラブにつきまして、小楠校区の民間児童クラブの建替費用に対する補助を行い、待機児童の解消、環境改善を図ります。
次に、令和8年度から、妊婦を対象としたRSウイルス感染症のワクチンが定期接種となり、新生児や乳児の感染症防止を図ります。
また、令和5年2月から社会福祉法人清浄園が、公益財団法人日本財団の助成事業として行ってきた「子ども第3の居場所事業」につきまして、令和8年度から市による清浄園への委託事業とし、児童や家庭へのきめ細かな支援を引き続き行ってまいります。
続きまして、2つ目の柱、「元気づくり」です。
「企業立地促進と中小企業の事業継続・人材確保の支援」につきまして、大分県と連携し、地域の新たな雇用と活力の創出を図るために、新たな産業用地開発に対する費用の助成を行います。
次に、「若者や女性が働きたいまちづくり」についてです。
女性の創業、起業に対する支援につきまして、スキルの習得や女性起業家応援ネットワークを構築するためのセミナーや、「女性創業・起業支援補助金」を継続し、女性の所得向上、経済的自立に努めます。
次に、「農林水産業などにおける担い手確保・育成と収益性向上」についてです。
農林水産業の担い手について、新規従事者や経営承継への支援など、担い手を確保する対策に継続して取り組んでまいります。
また、株式会社耶馬渓ファームが行う乳牛導入に対する助成を行い、生産基盤の強化、生乳の生産・加工・流通の一体的な取組みを支援します。
さらに、中津市が誇る銘産品や文化・伝統などを「九州・中津ブランド」という統一したブランドとして、広く全国に発信していきます。農林水産品や加工品を「九州・中津逸品もん」として、伝統品や地域ソウルフードなどを「九州・中津伝統もん」として、ブランド価値の向上を図ります。
次に「山国川上下流域を結ぶ観光振興」についてです。
令和8年度は、台中市とのサイクルツーリズム及び観光友好交流促進に関する協定締結10周年を迎えるため、台中市へ訪問し、海外PRイベントなどを行い、さらなる観光客誘致を図り、地域経済の活性化に繋げます。
また、八面山を核とした地域振興、観光振興を促進するため、「なかはく」とのコラボ企画展や、平和式典の開催、案内看板の整備などに取り組みます。
次に「移住・定住・UIJターンの促進」についてです。
中津市の魅力を全国に発信し、知名度の向上にむけて、インスタグラムフォトコンテストの開催など、シティプロモーションを積極的に行い、移住・定住の促進、交流・関係人口の増加を図ります。
次に「公民連携・政策連携によるまちのにぎわいづくり」についてです。
令和4年度に加入した共創施設「渋谷キューズ」を活用し、地域の課題解決を図るため、各種プログラムやワークショップ等を通じた首都圏でのネットワーク拡大を引き続き図ります。
また、「大学との連携」につきましては、本耶馬渓地区でこれまで行ってきた集落調査などを基に、持続可能な集落の形成に向けた施策の検討を協働で行います。
次に「「ふれあい」「親しむ」文化・スポーツの振興」についてです。
市民がスポーツに親しむ機会を創出し、市民参加による交流促進や健康・生きがいづくりに引き続き取り組みます。
また、令和8年度は、岡山県の津山市、島根県の津和野町と締結しました「蘭学・洋学 三津同盟」の締結5周年を迎え、中津市で記念イベントを開催するなど、3市町が連携して学術・文化振興を図ります。
そのほか、「なかはく」での企画展、長者屋敷官衙遺跡の整備など、市民が地域の豊かな歴史や文化に触れ、次世代につなぐ文化の振興に取り組みます。
続きまして3つ目の柱、「未来づくり」です。
まず、「平等な学びの機会の確保と子どもの可能性を拡げる教育」についてです。
児童生徒の熱中症対策や災害時の避難所としての機能強化を図るため、小・中学校の体育館の空調整備を本年度から進めています。令和8年度は小学校11校、中学校4校に導入する予定です。
また、老朽化している大幡幼稚園の改築を進めており、令和8年度に完成する予定です。
次に、これまで「学びのススメ英語塾」を開催し、英検対策と英語学習支援を行ってきました。令和8年度から新たに、新中津市学校において、児童生徒が気軽に参加し、学校で学んだ英語でコミュニケーションを行い、英語に慣れ親しむ機会を創出する「Nakatsu English Club(中津イングリッシュクラブ)」を開催します。
また、中津南高等学校耶馬溪校につきましては、令和7年度から新入生の全国募集を開始しており、令和8年度は新たな学生寮の整備に向け、所要となる経費を計上しています。引き続き、耶馬溪校や地域など、あらゆる主体とともに魅力ある学校づくりに取り組み、耶馬溪校を核として、さらなる地域の活性化を図ってまいります。
次に「安全・安心な学校給食提供のための環境整備」についてです。
現在、新学校給食共同調理場は、設計から建設、維持管理・運営までを一括で行うPFI事業として進めています。令和10年度2学期からの給食提供に向けて、令和8年度は、実施設計のモニタリングを行うなど、計画的に進めてまいります。
次に「学びの里なかつの推進」についてです。
中津の学びの土壌の豊かさや福澤精神を活かし、教育分野にとどまらず、社会人のリスキリングや、ふるさと教育など、様々な分野で「学び」の視点を持った施策を展開します。
まず、いつでも、だれでも学ぶことができるように、様々な講演会や市民講座を開催します。さらに、令和8年度は、ビジネススキルやパソコンスキルなど、自身が関心のある分野を学ぶことができる市民向けオンライン講座を提供し、場所や時間を問わずに学べる環境を作ります。
次に、子どもや若者からの意見を市政に反映するとともに、シビックプライドの醸成を図る「こども・若者会議」の開催や、高校生を対象にしたショート動画制作セミナーなどを開催します。
また、市内事業所に勤務する方を対象にした資格取得の支援や、創業セミナーの開催、女性起業家への支援などを実施し、個人のスキルアップを通じた地域経済の活性化を図ります。
さらに、慶應義塾大学や学びに関する連携協定を締結している未来を創る財団など様々な関係団体と連携・協働し、学びによる地域課題の解決や、学びを求めて人が集うことによる交流・関係人口の拡大につなげていきます。
次に「「脱炭素社会」「環境共生都市なかつ」の実現」についてです。
ごみ処理施設の整備につきましては、上毛町と共同で行うため、令和8年4月1日に一部事務組合である「中津上毛環境事務組合」を設立します。今後、ごみ処理施設の整備は、一部事務組合で進めていくことになり、一般会計予算では一部事務組合への負担金を計上しています。令和8年度は、循環型社会形成推進地域計画の策定などを行い、ごみ減量・資源化の推進、環境負荷の低減など様々な観点からごみ処理施設の整備を計画的に進めてまいります。
次に、カーボンニュートラルへの取り組みにつきまして、引き続き、太陽光発電設備や蓄電池などの補助制度を実施します。加えて、令和8年度は、重点支援地方交付金を活用し、事業者のEV購入に対する補助金を拡充し、事業者の脱炭素化の取組みを後押しします。
また、LED照明への買い替えに対する補助金を交付し、電気料金の負担軽減と省エネルギー化による脱炭素化を推進します。
さらに、市役所の地球温暖化対策として、市役所本庁舎屋上に太陽光発電設備及び蓄電池を設置し、温室効果ガス排出量の削減を図ります。
次に「「命」を守り「くらし」を支える交通網の整備」についてです。
道路は市民生活や経済活動に欠かせない重要なインフラであることから、市の将来計画や地元要望を踏まえ、都市計画道路宮永角木線など計画的に整備を進めています。
また、歩行者や自転車がより安全で通行しやすい道路空間を再編するための計画策定を行います。
次に「持続可能なコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり」についてです。
高齢化が進み、地域の交通手段の確保は地域で暮らす市民にとって重要な問題です。令和8年度は、本耶馬渓地区と耶馬溪地区でデマンド交通を導入し、さらなる利便性の向上を図ります。
また、公共交通アクションプランをもとに、旧中津地区、三光地区でのデマンド交通の実証実験や公共交通空白地域の解消など、地域に適した公共交通の整備を進めていきます。
次に「自治体DXの推進」についてです。
自治体DXの推進につきましては、本年度に、全庁へインターネット接続可能なノートパソコンを導入したことを契機として、行政手続のオンライン化やデジタル技術の活用をより一層推進し、住民サービスの利便性向上、自治体業務の効率化を図ります。
また、マイナンバーカードの申請オンラインサポートや、申請・更新手続等を郵便局に委託するなど、マイナンバーカードの普及促進と利便性の向上の取組みを進めます。
最後に「物価高騰対策」についてです。
令和7年度3月補正予算でも計上していますが、令和8年度当初予算においても、国の重点支援地方交付金を活用し、物価高騰の影響を受けている市民や子育て世帯、事業者への支援策を講じています。
まず、子育て世帯への支援として、小学校、中学校、幼稚園、保育所等の給食費を無償とします。
次に、市と水道契約のある市民・事業者を対象に、上水道料金の基本料金を2か月免除し、経済的負担を軽減します。
また、LED照明への買い替え支援についても、家計負担を軽減する物価高騰対策に資するものとして実施します。
以上が、令和8年度当初予算に計上している主な施策です。
引き続きまして、議第11号から議第18号まで、各特別会計及び企業会計の予算を提出しております。
その中で、議第12号 令和8年度中津市介護保険事業特別会計では、認知症によって行方不明になった高齢者等の安全を早期に確保し、家族や介護者の負担を軽減するための見守りQRシールの交付を行います。
議第15号 令和8年度中津市病院事業会計予算では、放射線治療装置の更新に係る経費を計上しております。
議第17号 令和8年度中津市水道事業会計予算では、物価高騰対策として水道の基本料金を2カ月分免除するための予算を計上しております。
次に、予算外議案のうち主なものについて、その概要をご説明申し上げます。
議第19号 中津市カスタマーハラスメント防止条例の制定につきましては、カスタマーハラスメントの防止に関し基本理念を定め、市、事業者等、就業者等、顧客等の責務を明らかにするとともに、カスタマーハラスメントの防止に関する施策に対して基本的な事項を定めるため、条例を制定するものです。
議第26号 中津市消防団条例の一部改正につきましては、近年の若年層の減少及び高齢化の進展により消防団員数の減少が続く中、地域の実情、消防組織の維持及び強化の観点から、消防団員の定員を減らすとともに、定年年齢を延長するため、条例を一部改正するものです。
議第28号 中津市執行機関の附属機関の設置等に関する条例の一部改正につきましては、学校部活動の地域展開に関する事項について調査審議する中津市部活動地域展開検討委員会を設置する等のため、条例を一部改正するものです。
また、当日提出議案として、中津市教育長の任命、中津市固定資産評価審査委員会委員の選任について、人事案件をそれぞれ提出しております。
議員各位におかれましては、何卒慎重にご審議の上、ご賛同賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。



