公開日 2026年07月22日
新緑5月、八面山平和公園慰霊式典が行われました。長年、三光田口地区の有志が実施してきましたが、今年から中津市にバトンタッチ、関係者が集う中、真坂小学校の児童たちが力強く平和宣言を行いました。
この公園はかつての戦争悲劇を敵味方超えた善意で包み込んだ場所です。1945年の終戦直前、八面山の上空で日米の戦闘機により激しい空中戦が行われ、若き搭乗員13名が命を落としました。戦後、彼らを国籍の別なく弔おうと、故楠木正義さんをはじめ地元の皆さんが慰霊碑を建立し平和公園として整備、全国各地や海外からの浄財、住民の皆さんの労務提供など数知れない協力が寄せられました。その後、米国地図に米兵の出身州産の石を嵌めこまれた平和塔も竣工、さらに広島の原爆の火が福岡県星野村から分火され、「恒久平和の火」として燃え続けています。
1970年代、戦後生まれの若者たちは「戦争を知らない子供たち」を口ずさみ、自分たちの年代の価値観と平和への願いを表現しました。今日本では戦後80年が過ぎ、戦争を知り経験を語ることのできる世代が一段と少なくなり、平和は空気のように当たり前の存在と見られがちです。しかし世界の情勢は、平和が決して不変ではないことを突きつけています。暴力で解決しようとしても決してうまくいかないことは歴史の教訓です。八面山には人間の愚かさを超えて他者を慈しみ尊重する「他愛の精神」という人間の本源的な崇高さが息づいています。
児童の元気な声、「相手を思いやる言葉を大切にして協力して過ごします」が公園内に響きました。自ら学び、自分の頭で考え、身近な足元から平和にしたいとの想いが込められています。八面山の静かな炎と子どもたちの清らかな決意、次世代が紡ぐ平和への確かな希望が実現するよう祈らずにおれません。

- 公園にある少年平和像
(市報なかつ令和8年8月号掲載)



