プログラムの目的と特徴
目的
総合的・全人的な幅広い診療能力を有する医師の育成を目指します。「研修医の強みは研修医であること」です。研修期間中は、その未完成さを遺憾なく発揮し、“模倣と問い”によって初期研修プログラムをマスターしてください。
卒後臨床研修制度のゴールは、Evidence based Medicineを実践でき、指導力と人間味を備えた医師の育成です。感受性豊かな時期に、1)「何故?」と問う素朴な探究心、2)「なるほど」とうなずく素直な心、3)「それなら」と行動する実践力 を習得することが大切です。
特徴
新医師臨床研修制度の到達目標のなかで、特に行動目標である「医療人として必要な基本姿勢・態度」を身につけるために、スーパーローテート方式による2年間の初期研修を行います。
1)経験目標に関しては、あまりにも多くの項目を教えすぎる弊害も憂慮されるため、各科の指導医は、レポートの課題と問題点を文献で当たる方法を教えるとともに、「最高の教育は患者自身が与えてくれる」ことを理解できるよう、研修医の皆さんの感性を磨く指導に努めます。
2)救急外来業務は、医長以上の当直の際に副当直医として、月4~6回当直業務を行い、救急研修を補います。救急患者の80%は一次救急であり、また60%は小児救急であるため、プライマリ・ケアの診療能力を身につけるには最適です。
3)僻地医療等への関わりを特色の一つとしています。また、とかく急性期医療に偏りがちな研修期間中に、精神科研修では“一人の患者について必要なことを知り尽くそうとする努力する習慣”を身につけてください。将来何科に進もうと医師としての基本的態度の涵養に役立ちます。
4)当院の病院見学に訪れた医学部学生の臨床実習や、年間150名が参加する地域看護学生の臨床実習にも携わり、彼らに教えることで知識を確固たるものにしてください。