公開日 2024年11月05日
更新日 2024年12月12日
地縁による団体とは
地縁による団体(以下「地縁団体」という。)とは、良好な地域社会の維持・形成を目的として、一定区域に住む住民の自主性により組織された自治会・町内会などのことを指します。
地縁団体は、その区域内に住む住民であれば、誰でも加入・脱会が可能な任意団体です。
ただし、次のような団体は地縁団体とは考えられません。
- 特定の目的の活動だけを行う団体(スポーツクラブ、芸能保存会、環境保全団体、施設管理組合など)
- 区域に住所を有すること以外に、構成員となるための条件(年齢、性別等)を設けている団体(老人会、子ども会、婦人会など)
認可制度について
従来、地縁団体は法律上、「任意団体」「権利能力なき社団」と位置づけられており、不動産等の資産を団体名義で登記することができませんでした。
このため、保有資産の登記については、「代表者の個人名義」や「住民複数人名義」で登記を行っていましたが、その後の名義変更や相続などの際に問題が生じていました。
こうした問題に対処するため、平成3年に地方自治法の一部が改正され、地縁団体が一定の手続きを行い市の認可・告示を受けることで、法人格を取得することが可能となり、土地、集会施設等の不動産を団体名義で登記ができるようになりました。
また、以前は「地域的な共同活動のための不動産又は不動産に関する権利を保有する」ことが認可の対象となっていましたが、令和3年度の地方自治法の一部改正により、「地域的な共同活動を円滑に行うこと」が認可の目的となりました。
つまり、不動産等を保有する予定の有無に関わらず、認可地縁団体として認可されるようになりました。
認可申請の事前準備
認可の要件
地方自治法に基づき、地縁団体が認可を取得するためには、次の4つの要件を全て満たす必要があります。
- その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等、良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行っていると認められること
- その区域が、住民にとって客観的に明らかなものとして定められていること
- その区域に住所を有する全ての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となっていること
- 規約を定めていること
総会の開催
地縁団体の認可申請を行う前に、自治会や町内会において総会を開催し、認可を申請する旨の議決を行う必要があります。
また、規約の決定、構成員の確定、代表者の決定、保有する資産の確定なども総会で定めてください。
規約に定めなければならない事項
目的
当該地縁団体の権利能力の範囲を明確にするためにも、活動内容をできる限り具体的に定めてください。
名称
特に制限はありません。(例:〇〇自治会)
区域
字名、地番、住居表示番号で表示してください。また、河川や道路などの客観的なものによる表示方法でも構いませんが、この場合は当該区域の範囲が地番等で具体的に表示できるような資料を添付してください。
事務所の所在地
集会施設がある場合は、ここを事務所とするのが一般的です。なお、代表者の自宅を事務所とすることもできますが、代表者が変更されれば、併せて事務所の所在地も変更する必要が生じます。
構成員の資格に関する事項
「区域に住所を有する者は全て構成員になれること」、及び「正当な理由がなければ加入を拒むことができない」について規約に定める必要があります。また、入会及び退会等の手続きに関する規程も定めてください。
代表者に関する事項
代表者1名の選出方法、任期、解任の要件、代表者の権限、代表者に委任する事務等について定めてください。
会議に関する事項
会議の種類、議決事項、運営規程、招集方法、議決方法等を定めてください。
資産に関する事項
資産の構成、会費の納入、経費の支弁及びこれらの管理方法を定めてください。
構成員に関する事項
- 申請前の総会において構成員を確定させるとともに、その氏名及び住所を明記した構成員名簿を作成してください。
- 構成員はあくまで個人単位であり、世帯単位とすることは認められていません。(法人等も構成員になることはできません)
- 構成員については、区域の住民の概ね過半数以上が加入していることが必要です。
認可に係る手続きについて
申請書類
当該地縁団体の代表者が、次の書類を揃えて申請してください。
- 認可申請書
- 規約
- 認可を申請することについて総会で議決したことを証する書類
- 構成員名簿
- 良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を現に行っていることを記載した書類
- 申請者が代表者であることを証する書類(承諾書)
※3の議事録には、議長及び議事録署名人の署名又は記名押印が必要です。
※4の構成員名簿には、当該地縁団体に加入している全員の住所、氏名を記載してください。
※5の書類は、当該地縁団体の事業計画、実績書、予算書、決算書等が該当します。
※6の承諾書には、代表者の署名又は記名押印が必要です。
手続き窓口
窓口は、本庁総務課総務係、及び各支所総務・住民課です。
認可告示
認可申請が行われ、当該団体が認可の要件に該当していると認められる場合は、当該地縁団体に対し認可を行うとともに、その旨告示いたします。
なお、この告示をもって認可を受けた地縁団体は、法人となったこと及びその目的の範囲内で権利能力を有することとなります。
また、地縁団体はこの告示があるまでは、地縁団体として認可されたことをもって第三者に対抗することはできませんのでご留意ください。
地縁団体認可証明書の交付について
地縁団体認可証明書が必要な場合は、次の書類にて請求してください。
- 認可証明書交付請求書
※誰でも請求することができます。
※証明書1件につき、手数料が300円かかります。
※中津市ホームページから電子申請も出来ます。
認可地縁団体の義務について
告示事項(代表者、事務所等)を変更したとき
認可後、告示事項(代表者の住所、氏名、事務所の所在地等)に変更があった場合、当該地縁団体の代表者は、次の書類を揃えて提出してください。
なお、届出に基づき告示事項に変更があった旨の告示が行われない限り、その変更について第三者に対抗できません。
- 告示事項変更届出書
- 変更があった旨を証する書類
規約を変更したとき
規約を変更する場合、市長の認可が必要となりますので、次の書類を揃えて申請してください。
- 規約変更認可申請書
- 規約変更の内容及び理由を記載した書類
- 規約変更を総会で議決したことを証する書類
- 規約(変更後のもの)
※市長の認可を受けない限り、変更の効力は生じません。
※規約の変更内容が、名称・目的・事務所の所在地等告示された事項である場合は、告示事項変更の届出も必要になります。
認可地縁団体の清算が結了したとき
認可地縁団体が解散し、精算が結了した場合、清算人は、次の書類を揃えて提出してください。
- 認可地縁団体清算結了届出書
印鑑の登録等について
登録申請
「中津市認可地縁団体の印鑑の登録及び証明に関する条例」に基づき、認可地縁団体は団体名義で印鑑登録を行うことができます。
当該地縁団体の代表者が、次の書類を揃えて申請してください。
また、認可地縁団体の認可の告示事項の中に代理人が定められている場合に限り、代理人による申請ができます。
- 認可地縁団体印鑑登録申請書
- 認可地縁団体印鑑
- 委任の旨を証する書面(申請者が代理人の場合のみ)
登録要件
登録者の資格
認可地縁団体の代表者
登録印鑑
登録できる認可地縁団体印鑑は、当該認可地縁団体につき1個に限ります。
また、次のいずれかに該当する場合は登録できません。
- ゴム印その他の印鑑で変形しやすいもの
- 印影の大きさが1辺の長さが8ミリメートルの正方形に収まるもの、又は1辺の長さが30ミリメートルの正方形に収まらないもの
- 印影を鮮明に表しにくいもの
- その他登録を受けようとする認可地縁団体印鑑として適当でないもの
登録廃止の申請
印鑑の登録を廃止する場合は、次の書類を揃えて申請してください。
- 認可地縁団体印鑑登録廃止申請書
- 認可地縁団体印鑑
※当該印鑑を亡失した場合は、代表者の個人印鑑を押印した申請書により申請してください。
登録の抹消
次のいずれかに該当する場合は、職権により認可地縁団体印鑑の登録を抹消します。
また、3及び4に係る登録の抹消については、代表者にその旨を通知します。
- 代表者等の登録資格に変更が生じた場合
- 認可地縁団体が解散した場合
- 認可地縁団体の名称又は代表者等の氏名の変更により、認可地縁団体印鑑として適当でないと認められる場合
- その他、認可地縁団体印鑑の登録を抹消すべき事由が生じたことを知った場合
団体印鑑登録証明書の交付について
認可地縁団体印鑑登録証明書が必要な場合は、当該地縁団体の代表者が、次の書類を揃えて申請してください。
また、認可地縁団体の認可の告示事項の中に代理人が定められている場合に限り、代理人による申請ができます。
- 認可地縁団体印鑑登録証明書交付申請書
- 認可地縁団体印鑑
- 委任の旨を証する書面(申請者が代理人の場合のみ)
※証明書1件につき、手数料が300円かかります。
認可地縁団体が所有する不動産に係る登記の特例について
平成27年4月1日に施行された地方自治法の一部改正により、一定の要件を満たした認可地縁団体が所有する不動産については、登記名義人やその相続人のすべて又は一部の所在が知れない場合に、一定の手続きを経ることで、認可地縁団体が単独で当該認可地縁団体を登記名義人とする当該不動産の所有権の保存又は移転の登記申請を行うことができる特例制度が設けられました。
申請から登記までの流れ
公告申請書や疎明資料の提出のほか、相続人から地縁団体名義へ変更することに承諾を得ること、申請前に総会を開催することも必要になります。
また、公告申請から結果を連絡するまで、3カ月以上の時間を要します。
申請書類
当該地縁団体の代表者が、次の書類を揃えて申請してください。
- 所有不動産の登記移転等に係る公告申請書
- 所有権の保存または移転登記をしようとする不動産の登記事項証明書
- 地方自治法第260条の46第1項に規定する申請をすることについて総会で議決したことを証する書類
- 申請者が代表者であることを証する書類
- 地方自治法第260条の46第1項に掲げる事項を疎明するに足りる資料
地方自治法第260条の46第1項に掲げる事項を疎明するに足りる資料について
認可地縁団体が所有する不動産に係る特例制度を利用する場合は、次の1から4までの要件をすべて満たしている必要があり、これらの要件を満たしていることを疎明するに足りる資料の提出が必要となります。
- 当該認可地縁団体が当該不動産を所有していること
- 当該認可地縁団体が当該不動産を10年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有していること
- 当該不動産の表題部所有者又は所有権の登記名義人の全てが当該認可地縁団体の構成員又はかつての当該認可地縁団体の構成員であった者であること
- 当該不動産の登記関係者(表題部所有者、所有権の登記名義人、これらの相続人)の全部又は一部の所在が知れないこと
1及び2を疎明する資料として考えられるもの
- 申請不動産の所有又は占有に係る事実が記載された認可地縁団体の事業報告書等
- 1の書類に加え、次のような書類
- 公共料金等の支払い領収書
- 閉鎖登記簿の登記事項証明書又は謄本
- 旧土地台帳の写し
- 固定資産税の納税証明書
- 固定資産課税台帳の記載事項証明書
なお、前記の資料提出が困難な場合は、資料の入手が困難な理由を明記した書類に加え、申請不動産の隣地の所有権の登記名義人や申請不動産の所在地に係る地域の実情に精通した者等(以下「精通者等」という。)の証言を記載した書面や、不動産の占有を証する写真等により疎明することも可能です。
3を疎明する資料として考えらえるもの
- 認可地縁団体の構成員名簿
- 墓地の使用者名簿(申請不動産が墓地である場合) 等
なお、前記の資料提出が困難な場合は、資料の入手が困難な理由を明記した書類に加え、申請不動産の所在地に係る精通者等の証言を記載した書面等により疎明することも可能です。
4を疎明する資料として考えらえるもの
- 登記記録上の住所の属する市区町村の長が、当該市区町村に登記関係者の「住民票」及び「住民票の除票」が存在しないことを証明した書面
- 登記記録上の住所に宛てた登記関係者宛の配達証明付き郵便が不到達であった旨を証明する書面
- 申請不動産の所在地に係る精通者等が、登記関係者の現在の所在を知らない旨の証言を記載した書面等
申請受理後
市は、次の内容について3か月以上の公告を行います。
- 申請を行った認可地縁団体の名称、区域及び主たる事務所
- 不動産に関する事項
- 異議を述べることができる者の条件
- 異議を述べることができる期間及び方法
公告期間中に異議が延べられなかった場合、当該不動産の所有権又は所有権移転の登記をすることについての登記関係者の承諾があったものとみなされ、「公告結果(承諾)の情報提供について」により、認可地縁団体に通知します。
※認可地縁団体は、前記の通知文を登記申請書に添えて、所有権保存登記・所有権移転登記の申請を行うことができます。
異議を述べることができる者の範囲
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人
- 所有権を有することを疎明する者
公告に対する異議申し立て
公告内容に異議がある者は、次の書類を揃えて申し出てください。
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人の場合
- 申請不動産の登記移転等に係る異議申出書
- 「住民票の写し」又は「戸籍の附表の写し」
- 「登記事項証明書(全部事項)」
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人の場合
- 申請不動産の登記移転等に係る異議申出書
- 「住民票の写し」又は「戸籍の附表の写し」
- 「登記事項証明書(全部事項)」及び「戸籍謄抄本」
- 所有権を有することを疎明する者の場合
- 申請不動産の登記移転等に係る異議申出書
- 「住民票の写し」又は「戸籍の附表の写し」
- 所有権を有することを疎明するに足りる資料
異議申し立てがあった場合
異議の申し出があったときは、公告申請者に対して「公告結果(異議申出あり)通知書」によりその旨を通知します。
以後は、認可地縁団体と異議の申出者との間で協議を行っていただくことになります。