歯科口腔外科
歯科口腔外科のご紹介
当科は紹介状をお持ちの患者さんのみの診療のため、地域の先生方の協力のもと口腔外科疾患の治療にあたっています。2018年1月から12月までの新患患者数は1245例、入院手術件数は133例で、抜歯から口腔がんまで治療を行っています(図1)。
表1 2018年1月から12月までの当科初診の疾患別患者数(全1245例)
埋伏歯
親知らずと言われている埋伏智歯抜歯などの症例が最も多くなっています。(写真1)埋伏の状態や本数、全身状態に応じて通院外来局所麻酔(のべ487例)や入院全身麻酔(35例)、静脈内鎮静法(16例)で抜歯を行っています。
全身麻酔で両側下顎智歯埋伏抜歯を行った深部埋伏症例のX線写真 写真1:右下顎智歯が水平に深部埋伏している |
嚢胞・良性腫瘍
口腔内に発生する嚢胞や良性腫瘍の治療を外来局所麻酔92例、静脈内鎮静11例 全身麻酔9例で行っています。治療は、基本的には手術を行います。写真のような大きな嚢胞様の腫瘍や嚢胞の場合は検査を兼ねて開窓術を行い、病変を縮小させてから摘出を行います。(写真2)病変の種類、部位、大きさなどに応じてできるだけ侵襲が少なくなるように治療を行っています。
右下顎臼歯部に認められる大きなエナメル上皮腫のX線写真 写真2:写真左は初診時、写真右は開窓術後3か月目。病変は著明に縮小しています。 |
口腔がん
口腔がんの治療は、発生部位や病期によって治療が異なりますが早期がんの場合は外科的切除が第一選択となります。(写真3)2018年1月から12月までに当科を受診した口腔がん症例は19例でした。当科で手術を行ったのはのべ11例でした。ステージ1、2の早期口腔がんであれば外科的治療で5年生存率は80~90%となっています。そのため術後の経過観察がとても重要になります。当科では頸部エコーを中心とした経過観察を行い、適宜CTなどを併用しています。術後の頸部リンパ節後発転移に対して頸部覚醒術を2例に行っています。大学病院との協力のもと当科での術後の経過観察も行っています。
当科で手術を行った舌癌症例 写真3:左舌縁部扁平上皮癌(T1N0M0) |
その他、当院でがん治療を受けられる患者さんの周術期口腔管理を院内他科の先生および地域の歯科医院と協力しながら行っています。
今後も口腔外科疾患の治療を地域完結できるよう頑張ってまいります。
診療体制
【外来新患受付】月・火・水・金(受付時間:8時30分~11時)原則、医療機関からの紹介状をお持ちの方のみの診察受付となります。
受診を希望される方はかかりつけの先生にご相談ください。
【手 術 日】火曜日 午後
医師紹介
【氏 名】 | ||
【役 職】 | 歯科口腔外科部長 | |
【専門分野】 | 口腔外科一般、口腔癌、口腔粘膜疾患、口唇・口蓋裂、顎顔面外傷など | |
【専門医等】 | 日本口腔外科学会 専門医・指導医・代議員 日本がん治療認定医機構がん治療認定医(歯科口腔外科) |
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【所属学会】 | ・日本口腔外科学会 ・国際口腔顎顔面外科学会 ・アジア口腔顎顔面外科学会 ・日本口腔腫瘍学会 ・日本口腔科学会 ・日本口蓋裂学会 ・日本外傷歯学会 ・日本癌治療学会 |
【氏 名】 | ||
【役 職】 | 歯科口腔外科医師 | |
【専門分野】 | 歯科口腔外科一般 | |
【専門医等】 | 日本口腔外科学会認定医 | |
【所属学会】 | ・日本口腔外科学会 |